――2010年1月9日。あの日を忘れはしない。
あの日の夜。
俺たちは「天使の揺り篭」のファイナルコードを解いてしまったのだから。
知らされていたとおり、揺り篭のファイナルコードは熾天使ミカエルの召喚……。
――ミカエルが降臨したその時。
普通に生きていたはずの魔物娘が、何の罪もないのに存在するだけで罰せられてしまった。
◇
それは、エイクスと最後の決着を付けるために争っていた時の出来事だった。
『マスター、エイクスのウィークポイントを発見しました』
「よし、そこにジオンガビームを!」
「Yes,Master.」
エイクスの弱点に、ビーム状になった雷をぶつける。
「ぐぉあ!?」
「――もういいだろう。エイクス、お前の負けだ」
ソルブレイドの刃先をエイクスに向けそう言った。
「……どうやら、そうみたいだな……。相手に取って不足はなかった……」
そう言って、落下していくエイクス。
「あ、おい! ……恵玲奈ッ!」
「………!」
恵玲奈は、九尾の狐に化けエイクスをその尻尾でもって受け止めた。
「……大丈夫?」
「あ、ああ……。すまないな、すぐ降りるよ」
「『お兄ちゃん、パワーのエイクスだっけ、無事だよ!』」
「そうか、よし……」
その時、ソルブレイド越しに通信が入った。
『祐樹か? メルキセデクもヴァーチャーも負けを認めた。あとは、アールマティだけだ』
「了解しました」
俺たちは、アールマティへ向かっていった。
「……これはこれは。所有者までいるとは、とても都合がいいな……」
アールマティの隣にいるのは、どうやらエンジェルクレイドルの所有者(マスター)の様だ。
「咲希ちゃん……」
「――仕方が無いわね……。エンジェルクレイドルを引き渡すわ」
「そうか。……では、エンジェルクレイドルを受け取ろう」
『――そうはさせない』
「むっ!? エンジェルクレイドルから声が聞こえる……!?」
そして、エンジェルクレイドルが光ったと思ったら、俺たちの目の前に熾天使ミカエルがその姿を表した。
「……こんなにも魔物がはびこっているとは……。これでは、いつか人間がいなくなるぞ」
「ふん。そうなっても別に問題ないだろう」
「なに……?」
「俺たちはこうして生きている。サキュバスの眷属になろうとも、人間として生きているんだ」
「――魔物の眷属になって生きながらえるとは……。神に逆らう愚か者が……!」
「そうかい。そもそも、俺たちはお前たちとは対極の立場にいる。説教しようと無駄だ」
「そうか……。これを見ても、そう言ってられるか?」
ミカエルは近くにいた魔物娘を一瞬で焼き払った。
「なっ……!?」
その攻撃は、魔物娘にとっては大打撃になり、周囲にいた彼女たちは蒸発してしまう。
「ぐっ……」
「蒼井刹那と言ったな」
「だからどうした」
「貴様達には裁きを下してくれる。神に逆らう愚か者共! 地獄の業火に焼かれるが良い!」
そう言って、ミカエルはマハラギオンを唱えてきた。
「水の壁!」
俺たちの目の前に水の壁が現れ、マハラギオンを無効化した。
「攻撃してくるなら、反撃しなければ……! フラガラッハ!」
「Ja!」
「メギドファイアー!」
蒼井さんのフラガラッハから、巨大なビーム砲が放たれたが。
「……やるな。だが、これでは私を倒すことはできんな」
ミカエルに対しては、ほんのカスリ傷のような態度をとる辺り、あまり効いてないようだった。
「なん……だと……!?」
「では、本当のメギドファイアーを見せてやろう……」
ミカエルの前に光が収束し始めた。
「――メギドファイアー!」
――その火力の前に俺たちは、吹き飛ばされた。
◇
吹き飛ばされた先は、海だった。
「なんちゅー火力してやがる……」
「なんとかかわしたけど、余波だけでもここまで食らうとは思わなかったわ……」
蒼井さんと愛莉さんは軽傷程度だが、俺は直撃ではないがある程度攻撃を食らい、ソルブレイドを振るのが辛い状況となっている。
「……!? お、おい、祐樹!? ボロボロじゃないか、どうした!」
「すいません……。回避行動に遅れて、この様ですよ……」
「う〜む、困ったものだ……。回復手段がないからなぁ……」
「それなら、私が直しますが……」
アールマティのリターニアが提案した。
「あぁ……。すまないが、頼む」
「分かりました。アスタルテ、ディアラハン」
『了解です。傷を負ったものに癒しの風を……』
早回しで俺の傷が癒えていく。
「……お、おぉ……。凄い……」
「――リターニア、ミカエルを止めるにはどうしたらいいのだ?」と蒼井さんが言った。
「ミカエルを倒す必要が有ります。彼には説得は効きません」
「そんな……。解放しなければよかったのかな……」
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