「えっ……。魔物娘が消滅する!?」
「ああ。さっき局長に聞いたら、エンジェルクレイドルにはあの4人の天使の他に、熾天使(セラフ)のコードが隠されていて、そのコードが発動したとき、セラフが解き放たれて『メギドラオン』で魔物娘だけを根こそぎ消し去るとな」
「ま、マジかよ……!」
恐怖した。セラフのメギドラオンで、魔物娘だけを消し飛ばすなんて……!
「……ふむ。祐樹、まずいことをしたのかもな、俺たちは」
「蒼井さん、祐樹君が固まっちゃってますよ」
「……おいおい。まあ、ともかく。愛莉、エンジェルクレイドルのマスター捕縛を最優先してくれ。
マスターが何かの拍子で、セラフのコードを解除しないようにしなければならないからな」
「了解です!」
俺の耳には二人が会話している声が聞こえていたが、動けずにいた。
◇
暫くして、家に戻ったが不安で頭がいっぱいだった。
エンジェルクレイドルのセラフ解放のコードが発動した瞬間、ジパング地方はどうなってしまうのか。
法と秩序が敷かれ、魔物娘も寄り付かなくなってしまったら。
最高神に洗脳された人間たちが、救世主(メシア)の到来を目的とした行動に移るのか。
そうなったとしたら、教団の戦力は膨れ上がり、魔界へ侵攻することも。
……その先を考えると、怖くなってきた。
「……お兄ちゃん?」
「恵玲奈か……」
「……顔色悪いけど大丈夫?」
「大丈夫じゃないよ、お兄ちゃんは……。怖いんだ……」
「……どう怖いの?」
俺は恵玲奈に事情を全て話した。
「――大丈夫だよ。そうなったとしても、消滅するその時までずっとそばにいるから」
「恵玲奈……」
「だって、私はお兄ちゃん大好きだもん。好きな人のそばにいたい、って思うのは普通のことだと思うんだ。それが魔物だったとしても。
魔物だって感情があって、考えることだって出来るんだよ? だから、ね?」
そう言って、両手を俺の頬に持っていて唇を重ねる。
「不安なら……。全部、私が受け入れて上げる――」
恵玲奈は俺をベッドに押し倒し、「大好きだよ、お兄ちゃん」と言った。
……その時は、俺は恵玲奈のなすがままに交わった。
でも、不思議と嫌な気分にはならなかった。
こんなにも愛してくれる娘がいたんだな、って思える。
何も考えたくなかった俺はその感情に身を委ねた……。
――気がついたときには、太陽が登っていた。
どうやら、あの後そのまま眠っていたらしい。
恵玲奈は黒髪の女の子の状態に戻って、すやすやと眠っていた。
俺はそのまま起き上がり、シャワーを浴びに行った。
『……今でも不安に押しつぶされそうだ』
どれだけ恵玲奈を愛しても、ぬぐいきれない不安。
もう、戦えないのかもしれない。そう思っていたが……。
「……恵玲奈……?」
無言で背中に抱きついてきた。
「どうしたんだ、急に」
「……もっと、お兄ちゃんのそばにいたい」
振り向くと、ピンと狐耳が立っていて、九本の尻尾が生えていた。
「お前……」
「もっと、お兄ちゃんとしたい……」
恵玲奈は彼女なりに気遣ってくれているのだろうか。それとも、ただヤリたいだけなのか。
誘惑に負けた俺は、恵玲奈と交わった。
……いろいろと精神にガタが来ているのかもしれない……。こんなに性欲に負けるなんて……。
ようやく、気持ちが落ち着いたときには、お昼を迎えていた。
流石の恵玲奈も、もう無理と言っている。
……大分遅くなったが、俺は管轄部へ向かった。
「……どうした祐樹」
「すいません。どうしても、不安で帰ってきてからココに来るまで、ほとんど恵玲奈とセックスしてました」
「――はぁ……。全く……。――まあ、俺も人の事はいえん。
時々、フランと出掛けるまでしてた、なんてこともあったからな」
「は、はあ……」
「不安な気持ちは分かるが、あまり恵玲奈ちゃんに迷惑かけるんじゃないんだぞ。
……それじゃ、シミュレートでもやるか?」
「シミュレート?」
「適度に魔力も放出できるから、結構気晴らしには良いぞ」
「……分かりました」
◇
――オリュンポス世界・管理局『クロス・スクランブル』
「教団からの反応はなしか」
「はい。エンジェルクレイドルを独自で探しているようですが、見つけられてないようです」
「……愚図だな」
局長はばっさり切り捨てるように言った。
「管轄部の方が優秀だな。
……しかし、教団の言っていたことをそのまま、蒼井に伝えたが本当なんだろうか」
「ええ。裏付けは取れました。
……一回、エンジェルクレイドルを使った者がいて、その者が一度魔界を壊滅せんと動いたようですが、魔王軍の元勇者軍が動いて、セラフ解放のコードを使っても倒しきれなかったそうです」
「ハハハ、そうか。……そ
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