貴方が希望するおかずは?

 
今日もいつもの場所で戦争が起きる。戦争と言っても別に殺し合いをするわけでもない。だが、ある意味では戦争とも言える場所。そう・・そこは


「いらっしゃいませ〜♪」


魔物娘達が織り成す男の夢とも言える国。少々大袈裟かも知れないが、独身男性にとっては天国に最も近い店とも言われている。そう、その店とは



食堂である!!



今説明を聞いて、『ただの食堂かよ』と思ったそこのキミ。甘い、甘いぞ。リリラウネちゃんの股間から漏れた蜜で食うメロンよりも甘い考えだ。ここの食堂では真っ先に稲荷さんから御飯もしくはダークプリーストさんからパンを頂く形となっている。其処から先は各自が自由におかずを選んでいく仕組み、ようするにバイキング形式。だが、この店は一風変わっていて、魔物娘達が腕を奮って惣菜やデザートを直売しているのだ。これは始めから作られている出来合いではない。例えば、一番手前のブースを見てくれないか。あそこには火鼠さんが居るだろう。どうやら彼女の今日のお薦めメニューは肉まんのようだ。見なさい、あの出来たてホカホカの肉まんを。どうやら開店時間に合わせて今の今まで蒸していたんだろう。良い香りだ。離れている私達の元までひき肉の濃厚な香りが伝わってくるのがわかるだろう?ふむ、どうやらキミは肉まんを御所望らしい。さ、売り切れる前に早く行きなさい。


ここは男達の楽園。さぁ、御目当ての物が売りきれてしまう前に私も・・・・おや?どうやら見知った顔も居たようで・・・・さてさて、少しばかり覗いてみましょうか。








〜アキタカ氏の場合〜


後10分で昼飯だ。10分・・・10分・・・クッ、待ってる時ってどうしてこんなに時間が経つの遅いんだ。秒針止まってるんじゃないか?今日は前々から行ってみたかった店に行きたいってのに。出勤する時にいつも見かけるあの食堂。どうしても気になってしょうがなかったんだ。開店12:00〜売り切れまでの謳い文句が目に焼き付いてどうしても気になったんだ。まだか、まだ12時にならないのか。・・・・よっしゃ、12時になった!行く前に財布の中身を確認・・・よしOK。

「結構近かったはず・・・確かこの辺りに・・・・あった!」

って、なんぞこれは!?人、人、人・・・なんという行列。これ休憩時間じゃ絶対食えないあれだよね。ま、一応最後尾に居ましょう。運が良ければ食べれるかもしれないし。


「はぁ〜〜い、次のお客様〜・・・・どうぞ〜♪」


っと、わわわわ・・・一気に前に進んでいくぞ。今ので一体何人入ったんだ?え?まだ入るのか!?えええええええええっ!?嘘・・さっきまで最低でも50人待ちは確定だと思ってたのに・・もう3人待ちになった。皆どんなペースで食べてるんだ?


「は〜い、次のお客様〜・・どうぞ〜♪」


はやっ!?いくらなんでも早過ぎだ!まだ1分しか待ってないってのに・・。入ればわかるか。



「「いらっしゃいませ〜、パンと御飯・・・お好きなほうをどうぞ〜」」


おふ・・稲荷さんとダークプリーストさんが手招きしてる。そ、それじゃパンにしようかな。あれ?ちょっと待って。なんかおかしいよね?さっき50人近く入ったはずなのになんで誰も居な・・・い?まさか・・!

「・・・・・ッ!?」

やっぱり後ろに誰も居ねぇぇぇぇぇぇぇーーーー!!この店に俺一人しか居ねぇぇ!!一体どうなってんの!?ねぇ!誰か教えてプリーーズ!

「お客様〜、惣菜、デザートなどは奥のブースでお受け取りくださいね♪」

「お・・奥のブース??」

・・・?

「・・・えっ」

外で並んでた時に建物を見た感じでは、店の中は30畳ぐらいの広さだと思ってたのに・・なんで奥に自動ドアがあるの。ここに入れっていうの?

「どうぞ〜」

入るしか・・ないんだね。ちょっとだけ怖い。しょうがない・・イクしか!





「・・・・はわぁっ!?なにこれ!?すっげー広いんだけど!無駄に広いんですけど!しかもブースめっちゃあるんですけど!!」

ぐはぁっ!龍さんがミニコンロで海老を揚げてる!・・ん?ブースに何か書いてる・・『御飯の方、天むすはいかがでしょうか
#9829;』・・・し、しまったぁぁぁーー!もし御飯を選んでいたら龍さんの天むすが食えたのに!龍さんが握ってくれる天むすを・・・。

「パンに牛乳はいかがですか〜。搾り立てのミルクは美味しいですよ〜♪」

「・・・・いただきます!」

パンにはやっぱり牛乳でしょ!ミルクでしょ!ホルスたんから貰うのが当然でしょ!

「ありがとうございました〜
#9829;」

ああ、笑顔が眩しいナウ。とりあえずパンと牛乳持ってうろうろしてもしょうがないから手近なテーブルで先にこれだけ食おう。んぐ、・・パン美味い!バターもジャムも何も塗
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