ランドリー

〜身体も衣類も綺麗にしましょう〜

今日もせっせと御洗濯です。御客様の大事な御召し物を清潔にするのが私の役目。あらら、この方のは凄く汚れてしまってますね。裾も少し解れて・・、でも、きっとそれだけ愛着があったという証拠ですね。では頑張って直しましょう。

「〜〜〜♪」

はい、直りました〜♪これなら多少激しい運動をしても解れませんね。はい、それでは次の方のを〜。あらぁ〜?これは大変ですねー。スーツに穴が開いちゃってます。ええと・・、このスーツの生地・・色合い、縫い目・・このパッチで合ってますね。・・・はい♪完成です!

「ふぅ〜〜、では御洗濯しましょうか」

では、スライムさん少しだけ手伝ってくださいねー。洗濯槽の中で待ってくれているスライムさんの中にポイッと・・。そしてゆっくりと手で揉んで汚れを落として・・。しつこい部分はスライムさんの溶解能力にお願いしまして〜。

「スライムさん落とせましたか?」

「・・・・(コクコク)」

「ありがとうございます。それでは取り出しますね」

ゆっくり慎重にスライムさんの身体から抜き出します。慌てて引き出すとスライムさんの一部が衣類に残ってしまいますので大変です。

「・・・どうしました?えっ?大量に汗が染み込んでて美味しかったのですか。良かったですね♪」

では、洗い終えた衣類を綺麗に畳みまして、お隣の金玉の湯へ届けましょう。

「洗い終えましたので、次の御洗濯物をお願いしますね」

「ありがとね〜♪次はこれをお願いしてもいいかしら」

「はい、承りました」

凄い量です。これは急がないといけませんね。まずはすぐに御洗濯出来る物から綺麗にしていきましょう。スライムさん、いつものお願いしますね。

「・・・・(コクコク)!!」

スライムさんが洗濯槽の中でぐるぐる回っています。それでは、この中にシャツなどの薄い生地を優先して入れておきましょう。

「・・・・♪♪」

「少しの間頑張ってくださいね。私は他の洗い物をチェックしますので」

スライムさんが頑張ってくれてる間に厚めの衣類の手直しなどを先に済ませてしまいましょう。やはりジーンズ系は結構傷が多いですね。スラックスもほどほどにありますね・・。どれから手直ししましょうか。・・・あら?このスーツはもしかして。

「クンクン・・・、やっぱりあの人の匂いがします♪」

嗚呼、あの人の匂い・・・最高です。・・・はっ!?匂いを嗅いでる場合ではありません!早く他の御客様の衣類も手直ししないと間に合いません!で、でも・・やっぱりあの人のから・・・。はぁ・・・いい香りです・・。

「・・・・・・・・(ツンツン)」

「・・・ハッ!?ど、どうかしましたか!?・・えっ?もう洗い終わったから次にそれを洗うですって?待ってください!これは私が洗いますので!!」

「・・・・(ツンツン)」

「え、何ですか?時計を見ろって・・・あああああああ!?た、大変です!もう40分も経っているじゃないですか!?」

私ともあろう者がこのようなミスをするなんて。早く御洗濯の続きをしないと!だ、だからこれだけはダメなのです。私が丁寧に洗いますので。

「・・・・(・・!!)」

「え?そのスーツの持ち主が好きなのか、ですって?そそそ・・そんな事は・・・」

あ、・・・ダメです。あの人のスーツを毎日アイロン掛けしてる私を想像するだけで・・・私は・・・私は。だ、ダメなのですよ〜♪御主人様ったら〜
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ビリッ!!

「・・・ぁ」

「・・・・(!?)」

ひぃやああああああああああああああ!?あの人のスーツがーーー!どどどどどどどど・・・どうしましょう!!力一杯スーツを抱き締めたせいで右の袖部分が完全に千切れてしまってますぅ…。今から修繕しても絶対間に合わない・・・こうなればする事は一つです!!






「・・・で、俺のスーツの右袖がこうなってしまった、と・・」

「・・・返す言葉もございません・・申し訳ありませんでした」

私は只今、見事な土下座を披露しています。それはもう皆さんのお手本になろうかと言えるほどの綺麗な土下座です。ですが、これで許して貰えると思えるほど私は馬鹿ではありません。もし今すぐ弁償と言うのでしたら、すぐにでも弁償致します。それとも、このような事を仕出かした私は信用出来ないと言うのでしたら、すぐにでも解雇されましょう。

「・・・これ、初任給で買ったスーツなんで、もう古いから別にそこまで謝る必要は無いよ」

「えっ!?・・・まさか・・初任給で買ったスーツだったなんて・・。そのような思い出深いスーツに私はなんてことを・・・」

私はなんという罪深い事をしてしまったのでしょうか。思い出深いスーツを己の欲のままに裂いてしまうなんて・・・、これではキキ
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