怠け者に御仕置きを

あー・・かったるい。つうか、めんどくせ。知らん内にゴミばかり増えやがってよー。これどうすっかなー。明日ゴミの日だったな。ま、別にいいか、次のゴミの日に出しゃいいよ。さっさと仕事行くか。

「ふぁぁぁ〜〜〜・・・・、あー眠い・・」

「おはようございます、係長」

「あ〜〜、おはようさんー」

「係長・・、また寝癖ついてますよ」

「あー・・いいのいいの・・。帽子被りゃわからんよ」

んじゃ、ちゃっちゃと着替えて仕事すっか。今日の製造は何だったかな。工程表見てくっか。・・・ああ、先週3班がミスったあれか。これなら楽勝だ。

「おーい、杉野ー。今日のやつ4:1:3、水2で動かしてくれんかー」

「わかりましたー。係長ー」

「大内ー、そっちは238℃、242℃、220℃で回してくれー」

「オッケーですよー!」

「太田ー、回転速度5、毎分の受け20、充填は20kg減るごとに追加ー」

「はーい、任してくださいなー」

これで午前は大丈夫だな。あの3人だったらミスしないだろうし。それじゃ、ぼろ机の上で午後からの日程を作っておくか。

「係長ー」

「ん、どしたー?太田?」

「いつも思うんすけど、係長ってホント変わってるっすねー・・、仕事完璧なのに家のほうは」

「よし、太田。減給するように進言しとく」

「じょ、冗談っすよ!やだなぁ・・でもあれっすよー、係長マジで結婚したほうがいいっすよー。出来れば掃除好きな女と」

「・・・まぁ・・考えておくわ」

「っと・・そろそろ20kg減るから戻りますわ」

「ミスるなよ?」

全く、余計な事を言いやがって。俺だって結婚出来るんならしてるわ。だけどなぁ・・家の中があれじゃ・・誰も来る気ないと思うわ。別に不潔じゃないんだがなぁ、あのゴミの量がなんとも。瓶・缶はそこらじゅうに転がってるし、雑誌片付けるの忘れてたらいつのまにか山みたいになってたしなー。一応、衣類だけはきっちり綺麗にしてるんだが、その他に全く手付かず。どうしたもんかな。衣類以外の収納が下手ってのはかなり厳しいなー。いっその事、どうでもいいもんは全て捨てちまうか・・、いや、あのゴミの中に何か必要になる物があるかもしれないし。あー・・うん・・・、今度でいいか。

「杉野ー、そろそろ終わる頃だろー?終わったら、昨日の混合の続きしてくれんかー」

「わかりましたー!」

「大内ー、中工程5℃オーバーしてるぞー?」

「はーい、冷却増やしますー」

じゃ、俺は杉野と混ざって昨日の混合の確認作業に入るか。係長だからって、偉そうに命令するだけじゃ人としてダメだからな。そんなやつには人が付いてこないだろうし。

「おっし、杉野。手伝うぞ」

「これぐらいなら大丈夫ですよ。係長は午後からの日程お願いしますよ」

「その『これぐらいなら』が危ないんだぞ。それで昔、俺もでっかいミスしちまった事があるからな」

「・・・わかりました。お願いします!」

よしよし、杉野はちょっとばかし真面目な所がありすぎるからこうして定期的に一緒に作業しないとな。こいつは一人でなんでも背負い込んでしまう癖があるからなー。後の二人はちょっと調子のいい所はあるが根は真面目なんで言った事は素直に実行してくれるので助かる。これなら今日は定時までには終わって楽出来るかもな。

「っと、・・ほれ、ちょい量が足りないぞ」

「・・・これぐらいですか?」

「OKOK」

それじゃ、次は後の二人の作業を点検するか。

「調子はどうだ、大内?」

「順調ですー、この調子で続けば15時には全部仕上がりますよー」

「頼むぞ」

「さて・・太田は・・」

「俺は大丈夫っすよー、・・・・あれ?係長ー、今日の原料ってこれだけでしたっけー?少し足りないような気が・・?」

「・・・んー?あ〜、それなら先週俺が作り置きしてる分があるから足りなかったらそっち使ってくれ」

「了解っすー」

これで午前は大丈夫だな。それじゃ午後からの工程表を作っておくか。杉野と大内を組ませて効率を上げておいて・・、太田はこの調子だと14時過ぎには終わりそうだから俺と明日の工程の準備にかかるとするか。これで今日の仕事は終わりだな。終了予想時間は何事も無ければ16時過ぎ辺りになるな。たまには楽してもいいよな。と、もうすぐ昼飯だ。

「もうすぐ飯だぞー。大内は自動に切り替えておけよー。太田ー、一旦そこで排出モードをOFFにしてくれー。杉野ー、混ぜ終わったやつは昼一に2班に届けてやってくれんかー」

「わかりましたー」「了解ですー」「オッケーっすよー」

「・・・・よっしゃ、飯だ!食堂行くぞ!」

飯だ飯、今日もがっつり食うぞ。んで、今日のメニューは何だ?お、久しぶりに麻婆豆腐があるじゃないか。夏にはやっぱピリ辛麻婆豆腐だよな
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