深夜、とある路地裏の一角で若い女性が悲鳴を上げる。女性の前に突然現れた一人の男。この男は深夜になると夏だろうと冬だろうと季節に関係なく長袖のコートだけを羽織り、一人歩きの女性を狙い尾行し、そして誰も居ない路地裏近くまで来ると徐に露出行為を行う。
「ヒィ!・・・い、いやぁ・・こないでぇ・・・」
「うへへへ・・、お、御嬢さん・・こんな夜中に一人歩きなんて・・いけない人だなぁ・・・」
「イヤァァッァッァァァァァ・・・・!!!」
「くふふふふ・・・、ど、どうだい・・。おじさんのチンポ・・太くて大きいだろぅ・・ふへへへ・・・」
女性はその場で腰を抜かしてしまい、恐怖に染まった顔で変質者の次の行動を予測するしか術は無い。男は腰を抜かして動けない女性に近づくと自らのペニスを女性の鼻先に近づけ更に恐怖心を煽る。
「げへへへえ・・どうして逃げないのかなぁ〜・・。それとも・・・おじちゃんのチンポの臭いが好きになっちゃったのかなぁ〜」
「ヒッヒッヒッヒッ・・・!」
女性の口からは引き攣ったような悲鳴しか漏れない。この憐れな犠牲者は抵抗出来ず、ただ目の前にある汚らしいペニスを凝視するほか無かった。口元は引き攣り、瞳にはこれから始まるであろう強姦と陵辱、そして見知らぬ強姦魔の精液で孕まされるという恐怖によって絶望の色を醸し出している。しかし男は女性にペニスを近づけてからは何もしようとしない。女性の恐怖心を更に煽っているのか、それともこれから始めるであろう陵辱行為を想像してるのだろうか。だが、女性はその隙を見逃さなかった。腰を抜かしながらも四つん這いになり地を這うようにして大通りのほうへと脱出を計る。後少しで大通りに出れると女性が確信した瞬間、尻を掴まれ動きを止められてしまう。
「い・・いやだなぁ・・・、逃げるだなんて・・おじちゃん傷ついちゃったよ・・・。そんなに怖い顔してちゃぁ〜・・・可愛い顔が台無しだよ〜・・」
男は自らのペニスを女性の尻にピタンピタンと当てながら恐怖で顔が歪んだ女性を眺めニヤリと笑う。スカート越しとはいえ、ペニスを尻に当てられた女性は観念したのか、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を隠すように蹲り、尻を高く突き上げる。
「ウゥッ・・ウグッ、お・・お願いですから・・乱暴には・・ひぐっ・・犯さないでぇ・・・お願いですからぁ・・・」
これから始まる陵辱行為を少しでも軽減してもらおうと嗚咽を漏らしながらも懇願する。女性は自らスカートを捲くり下着を下ろし、まだ誰の物も受け入れた事の無い無垢な性器を男の前に晒し、少しでも早く変質者を満足させ去っていってもらおうと尻を僅かに揺らす。大通りが目の前に見えているというのに、誰にも助けてもらえない現実に希望を失ったのか女性の目は虚ろだ。今から、男が満足するまで犯され、嬲られ、望まない受胎という残酷な現実が待っているのみ。小さく嗚咽を漏らしながらも、見知らぬ誰かに痴態を見られる前に早く犯して去って欲しいと尻を上げた状態で待ち続けるが一向に醜悪な異物の感触は襲って来ない。女性は恐る恐る振り返る。下卑た笑顔を浮かべながらペニスを扱き犯す準備に入ってるであろう男を予想して。だが、振り返った先には誰も居なかった。先ほど見た醜悪なペニスも下卑た笑いを浮かべる男も、初めから誰も居なかったように周囲は静かだ。近くの家からは灯りが漏れ、家族団欒の会話が僅かながらも女性の耳に届く。
「・・・ぇ?だ・・誰も・・居ない・・??」
周囲を確認した女性は下ろした下着を急ぎ穿き直し、体を奮い立たせると小走りでその場を去っていく。その様子を一部始終、屋根の上から見下ろす先ほどの変質者。
「はぁ〜〜・・・、やれやれ・・。最近は強姦事件が多いから出歩かないようにと啓発してたというものを・・。全く困ったものだ・・。ま、これであの女性はこれからは気を付けて路地裏なんかに入って来ないだろう」
男の声は先ほど発した中年のそれでは無く、二十歳程度の若い声だ。言葉使いも全く違う。下卑た口調は紳士的なそれに変わると自らの顔面を掴み、一気に真横に引き裂いた。
「あだっだだあだだあだだだだっ!!!・・・・ふぅ〜〜〜、痛いなぁ・・・。精巧なマスクなんだけど・・皮膚に付きすぎて剥がす時が難儀だなぁ」
中年の顔の下から現れた若い男の顔が月の光に照らされる。端整な顔立ちに鼻筋はピンと高く、口元は真一文字に結ばれどこぞの執事を思わせる風貌。ぼさぼさに絡ませた髪を軽く手で掬い後ろに流し綺麗に整えると大通りへと視線を移す。
「・・・情けない事だ・・。女性が襲われてるとわかっているはずなのに見て見ぬ振りか・・。これでは、どちらが悪かわからないな」
それだけを呟くと男は屋根の上を駆け、隣の屋根へと跳躍する。男は静かに闇夜へと消えていく
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4 5]
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想