「さて・・・、着いたか。」
長い旅だった、あの廃墟から一体どれくらいの距離を歩いただろうか、あの勇者が持っていた魔道具がなければ今頃当てもなく先の見えない旅をしていただろう
「本っ当、わたしたち今頃目の輝きを失ってたと思うよ。」
「死体がそれを言うか?」
リッチの言葉にゴーレムは半分呆れ、半分納得していた、なぜなら今回は決まった目標をもって旅をしていたからだ、場所も分からぬ町、しかも安全なものを捜すなんてまるで雲を掴むような話だ
「そう言えばリーベル、いつにも増して顔色が悪いぞ。」
「いつにもは余計...、たいていのアンデットは身体の維持にかなり魔力を消費するからね、それに食糧なしでここまでは普通の魔物でもツライ...。」
「普通の魔物にもって、あたしはなんで平気なんだ?」
「キミの背中に大きな羽の様な板が付いてるでしょ?それは氷精霊の翼といって周囲の魔力を吸収して自分の魔力にする機能を備えてるのさ、だからキミは周囲の魔力が薄かったり無理な消費をしなければそうそう動けなくなることはないよ。」
「そいつは便利なこった、それじゃあ燃費の悪いお前は普通の魔物手もつらい旅をどうやって乗り切ったんだ?」
「どうやってって...、ああ!そうそう、キミには魔力を自分の物に変換する前に横流しできる機能も積んでるのさ。」
「横流しって・・・、具体的にどうやって?」
「あたしは不幸なゴーレムだ、」
ここはラムオブヒルのさまざまな人々が集う大食堂である、バーのカウンターでグロリアは店主に向かって愚痴を言っている
「俺だったらそいつぁ天国だと思うんだけどなぁ」
「ほらっ、店主の言うとおりだよ、キミはご主人様にそんな奉仕されているんだからむしろ喜んでよ。」
「あたしにとってはぁ!寝ている間にわいせつ行為をうけるとか、気味が悪いわ!!」
「汗おいしゅうございました。」
「ゾッとするわ!」
そう言ってハッと気づく、散々魔物としての食事をしておいてまだ顔色が優れない、彼女はまだ飢えているのだと、冷や汗をキスで吸うリーベルはにやにやしながら言葉を続ける
「今日はゆっくり泊まれる場所もあるし...、もっとおいしいものを食べさせて?」
「断っ固断る!!」
「おいおい贅沢な悩みだなぁゴーレムの娘ちゃん?」
「そうよ、主人の言うことはゼッタイよ、私の被検体のように。」
「コミュニケーションの一種よ、いいじゃない別に」
「だってよぉーって・・・。」
そこには自分の主人と異なるリッチとキマイラが隣に来ていた、それに加え強い視線を感じる、遠くの席に座っているリリラウネだろう
「ねえ、あなた野党にでも襲われたの?」
「......私?」
リーベルはリッチに向かって疑問を投げかけたようだが、まるでそれが不思議だと言わんばかりに首をかしげる。
「あっあのね!彼女が裸マントなのはいつものことなの!むしろリッチとしてはあなたが珍しいほうよ。」
気付いたキマイラがフォローを入れる
「今の私にとって服は着るだけ無駄だわ、むしろ服の擦れで研究に集中できないわ。」
「ううむ、こんなことでわたしにまだ人間らしさが残っている事が分かるとは...。」
「それよりも、なんて物騒な恰好なのかしら。」
グロリアを見てリッチはつぶやく、本人は乾いた笑いをしていたが、それを造った張本人は目を輝かせ椅子をお立ち台にしながら語りだした
「すごいでしょ!!これにはロマンがとぉっってもつまっているんだよ!!まずこの右手っ!この二つの金属板はサンダーバードの解析を行って得られたデータを基にして作った放電システムが備わっているの!!そしてこの左手に備わるこのパイル!!コイツは魔界銀製で火の力をまとうことができてサラマンダーを参考にしてつくっているんだ!そしてこの足!!ただ歩くだけじゃ物足りないからね!シルフを研究し尽くしてついに浮遊移動を成し遂げたの!きわめつけはこのユニット!!!コイツはグラキエスを参考にして周りの空気中にある魔力を吸収するの!これによって無茶をしない限りこの子は稼働し続けることが可能なの!そしてさらにこの子の手足は切り離しが可能でほかのパーツに...
「たのもーデス!!」
大食堂の扉が大きく開け放たれる、いきなりの大声で椅子からずり落ちるリーベルとそれを受け止めるグロリア、キマイラやリッチを含めた食堂の中の人々の目線の先には、
「むむむむむ?、おかしいデスね、あのユウシャモドキがいると思ったんデスが。」
背中に生えた純白の羽、頭上にきらめく黄金の輪、純粋な少女の様なきらめいた瞳
「エッエンジェルだ・・・・。」
天界の使者がそこにいた
「やっぱり
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