「お買い上げありがとうございましたー、お大事に―。」
「アリガとぉゴザァますター」
お買い上げしてくださったおじいさんに商品を渡す、中には数種類の茶葉の様なものが入っているがこれはすべて立派な医薬品だ
「しかしまあ、わしも長いこと生きておるがこのような漢方薬があるとは知らなんだ」
「ふふふ..患者一人ひとりの体質を知り、それに合わせて複数の生薬を調合し煎じて飲む煎じ薬、霧の大陸ではとてもポピュラーなものなんです。」
霧の大陸、それは今暮らしている大陸とは別の物で、僕たちの故郷でもある、なぜ僕たちが故郷を離れたのか、それは現魔王の影響により新たな環境が増え、様々な動植物が増えており漢方薬の素材となる生薬もまた例外ではない、それらの素材を見つけ出し新たな漢方薬を造りだす、それが僕の夢なのだ。
「それにしてもその年齢で店を営んでいるとは、さぞかし大変じゃったろうに。」
「ははは...。」
「オジいサン、テンシュ低いことウテモ気になるの、あまりイワナイデネ。」
「おおっとそいつはすまんかったの、そいじゃわしわこれで、アンデットの娘ちゃんも手伝い頑張れよー。」
「アイぃっ!」
「年齢か〜、一応もう大人なんだけどなぁ。」
「ンふふ、気二しないのッテ何度モ言ったノに、....ソレニ私は大すキダヨ?ぎゅーッテとっても抱きゴコチガイイんだものホラ、ぎゅーっ。」
・・・自分が若いことは否定しないがもう結婚できる年の青年なったのだ、なのに身長がこの人よりも頭一つ分低いのは一体どうしてだろう
あっやめて抱きつかないで、人前でそれをしないで、ふくよかなものをあてないで、僕に身長がないことを改めて認識させないで!
僕の身体に絡みつく彼女の腕を払いのける「うー」と言って不満を漏らす彼女だがここは譲れない、彼女にとってこれはスキンシップなのだろうが僕にしてみればは自尊心を傷つけられるし精神衛生的によろしくない、
その..仮にも僕は男性だからだ、なに?構わんヤれ、だって!?
そんなことをしたら僕は一生自責の念に駆られるだろう、なぜなら彼女は師匠の忘れ形見ともいえる..いや、そうだった人だ。
どちらにせよ僕にとって大切な家族ともいえる存在だからだ。
「さてとっ、そろそろ店を閉じてご飯の準備にしようか、....あれ、昨日はもう少し材料があったはず..というかほとんど残っていないじゃないか!?それに魔力補給剤も残ってない!!」
「......。」
「そういえばちょっと前急に店を飛び出して行ったけど..。」
「ウうゥ...。」
「.....まあ食べてしまった物は仕方ないし、一緒に買い物にいこう?」
「アイぃっ」
目を輝かせながら彼女は頷く
彼女は生前、よく親に内緒で家を飛び出してはこっぴどく叱られていた、師匠が孤児だった僕を弟子入りさせたのは、おそらく技術の伝授と同時に彼女の監視としてつけるつもりだったのだろう、
結果彼女は僕のことを義理の弟ができたとてもはしゃいで喜び、外に出ることはほとんどなくなり僕によく目をかける姉のような存在となっていた。
しかし彼女の自由人さゆえそうしたところで根本的な解決にはならなかった、それはなぜか、単純だ、外に出ることはほとんどなくなっただけであって様々な原因で病気や事故が起こる可能性があるには変わりない、それがただ彼女にとっては致命傷だっただけだ。
父や義弟の手伝いをしたかったのだろう、無理を押し通して買い物に付いてきた、その日は今日と同じで食材を買いに行ったそしてその帰り....
彼女は路地裏で複数の男性に絡まれている女性をたまたま見かけてしまったのだ。
僕が来る前から騒ぎをよく起こした彼女のことだ、案の定首を突っ込んだ、師匠が駆け付けた時には目付役としてそばにいた僕を含めて満身創痍の状態だったそうだ、元々一人で生きてきた身だ自分も腕っ節には多少自信があったが複数人の相手は無謀だったようで師匠が真っ青な顔をしながら駆け寄ってくるのを視認したところで僕の意識は途絶えた。
次に目覚めたとき視界に映ったのは顔に札を張った彼女の顔だった
彼女は一度死んだのだ、多少体が頑丈な男子である僕でもこのざまなのだ彼女が生きている道理などなかった、幸か不幸か彼女が助けようとした女性は一種の道士だったらしく、女性は半狂乱で泣き叫ぶ師匠に負い目を感じたのか死者を使役するキョンシ―製造の術を教えたそうだ、といってもキョンシ―の行動原理の中枢を担う札の文字は特殊なのでそこは道士の女性に書いてもらったらしい。
その日のうちにその家族は激変した、娘はキョンシ―になってから極端に口数が減り生前のようにはしゃぐことはなくなった、他愛もない会話をして目を輝か
[3]
次へ
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想