長き時得て目覚める躯

 「主神サマ―。」

 「どうしたのかな?アンジェ。」
 「ユウシャの管理手帳なのデス。」
 「おっと、まだ仕事が残っていたのか。」
 「そうじゃないのデス。」

 辺り一帯に広がる雲、その上をさまざまの天使たちが資料、記録帳などの書類を抱きかかえながら歩いている、そこは天界、その一画に建つ大きな神殿でエンジェルのアンジェは主神と話していた。

 「それでデスねー、ここデスよ!ここ!」
 「あーそれねぇ。」

 勇者管理手帳のとある一ページ、さまざまな人名の横に、新規、転生中、覚醒済み、堕落、魂回収済み、未覚醒などの近況が記入されている中、一つだけ
lt;保留
gt;と書かれている

 「このユウシャは一体どうなっているデス?魔王の世代交代前からこのままデスよ?」
 「ええと、ねぇ.....。」
 「アンジェの話をまともに聞いてほしいのデス、」
 「...フゥ、それね、特殊な事例だから私も気になって気になって仕方ないんだけどさぁ。」

 (ああ、ナルホド...。)

 「あとちょっと、あとちょっとだけで結末が見えそうなんだ。」
 「主神サマのお気に入りデスか..。」
 「そうっ!ちなみにキミにも縁がある勇者だよ。」
 「...もしかしてモドキデスか....?」
 「フフフ..そのモドキがどんな子かはしらないけど、彼を巻き込んだ小さな国の物語、この際もう一度見返してみようっと。」

 そう言うとそばにあった大きな鏡に手を触れる、すると鏡は正面の風景とは異なるものを映し始めた





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 とあるところに魔法使いがいました、彼はとある国の魔法学者で自分のお国のために変質魔法、いわゆる強化魔法の研究をしていました。

 そして彼にはゴーレム職人の助手がいました、変質魔法といっても試作品をいきなり人に使うにはあまりにも危険なため実験用のゴーレムを制御できる彼女を雇ったのであった。

 二人はその業績を称えられ国の研究施設を任されるまでになります、しかしそこには一つ問題がありました、国の研究施設ははるか遠い場所、なんと助手には生まれたばかりの子供がいたのでした。

 助手は採用される際、子供のことを隠していたのです、自分が唯一出来る仕事で子供のことが原因により解雇されてしまえは母子ともに生活できなくなってしまうからです。

 助手は仕方なく、召使に造ったゴーレムを置いて家を後にするのでした。



 とあるところに一人の少年がいました、彼はぶっきらぼうでしたが困った人をほおっておけないおせっかいで優しい子でした。

 彼は広場で自分よりも小さな子どもたちの相手をしていると、隅っこの方で一人ポツンと背を向けて泥人形で遊んでいる少女がいました。

 彼は不思議に思い、少女に声をかけました、「どうして一人で遊んでいるの?」と。

 すると少女は「わたしは一人じゃないから平気、みんなの相手をしてあげて。」と言いました。

 泥人形をよく見るとそれはゴーレムでした、少女は泥人形で、ではなく泥人形と遊んでおりました。

 相手がいるのなら問題はないだろう、彼はそう思い、子供たちのもとへ戻って行きました、少女の小さな呼び声に気づかぬまま.....。



 日が暮れて子供たちが帰る時がやってきました、彼は沢山の子供たちが親に連れられて帰るなか一人とぼとぼと帰る先ほどの少女を見つけました。

 「さびしそうに見えるけど、大丈夫?」

 それを聞いた少女はぽろぽろと涙をこぼしながらこう言いました。

 「ママが..ね?お仕事で帰れないから..いつもひとっ....りで、ほんとう..は、みんなっ..と遊びたい、けどっ...こわくて..ごーれむつくっても..すぐに..こわれて...。」

 「だったらあんしんしろ、おれがみんなにしょうかいしてやる。」
 「でもっ。」
 「それにごーれむだなんてすごいぜ、おとなでもつくれないんだ、ほこれることだとおもう。」

 「とにかく、あしたぜったいみんなにしょうかいするからぜったいこい。」

 臆病な少女は自身にとってあまりにも唐突な事だったのではじめはきょとんとしておりました、ただその言葉を理化すると涙を拭きちいさなこえで「うん」と答えるのでした。

 こうして少女にとってのはじめての友達ができたのでした。




 いくらかの年月が過ぎ少年は青年になり自警団に、臆病な少女は青年以外の人間が苦手なものの家にあったゴーレムの本や、生物の構造の本を読み漁った知識を生かし、魔法道具のお店を営んでおりました。

 「おーい、見回りのついでに様子見に来たぞ・・・って、今日も新商品の開発か?どうせまた朝食抜いてんだろ「うっ」・・・やっぱりな。」
 「道具ってのは
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