若い二人の変態紳士が、すっかり教団兵士の格好をして、でもズボンはパンツ一丁で、だいぶ奥山の木の葉をかさかささせながら、こんなことを言って歩いていました。
「一体全体、この山はどうなってるんだ。えっちな魔物娘の一体だっていやしない。せっかくむさ苦しい教団から逃げ出したんだから、早くお持ち帰りして欲しいぜ」
「そうだなぁ。可愛い女の子とかいればスライディング土下座してお医者さんごっこを打診してみたい所存ですなぁデュフフ」
「あ、ごめん…俺年上授乳プレイ希望だからロリはちょっと…」
「あ、そっすか…なんか、すんません…」
微妙に気まずい雰囲気が流れます。
思わぬ価値観の違いを見つけてしまい、黙々と進んだときのことです。
(デュフ笑いロリコンとかテンプレ犯罪者かよこいつやべぇやつじゃん……お?)
(授乳プレイってお前いくつだよ鏡見て物言えやこいつやべぇやつじゃん……お?)
お互いにそんなことを思ううち、山奥に出てしまいました。
地元の人どころか教団のガバガバ地理地図に書いてるかどうかさえわからない山奥です。
獣道すら無くなり、ようやく遭難したことに気が付いた二人は顔を見合わせて、はじめの授乳紳士が顔色を悪くしながら、じっと、ロリコン紳士の顔つきを見ながら言いました。
「せ、せっかくだから俺はこの逆の道を進むぜ」
「そ、それな。腹も減ってきたし、パンツ一丁で身体冷えてきたから戻るわ…」
「おけ、まぁもしかしたらこっちにママみ魔物娘がいるかもしれないからなロリコン紳士」
「ママみ魔物娘は知らんがロリ魔物娘たんならいるかもしれん、急ごうぜ授乳紳士」
「「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ」」
ところがどうにも困ったことに、どこへ行けば戻れるのか、一向に検討がつかなくなってしまいました。
風はぴゅーっとジャガーのように吹いて、草はwwwww、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴ります
「どうにも腹が減った……ていうか普通に足寒いんだが」
「俺もそうだ。ぶっちゃけズボン履いたままでも良かったな」
「お前だってあの時パンツ一丁のほうが魔物娘に襲われやすいって言ってたろ……あと足いたい」
「わかりみ。訓練サボりまくってたから山歩きつれぇわ」
「もうあるきたくねぇ……温かいもん食いてえ……」
「食いてえもんだなぁ……あとズボンも欲しいなあ……」
二人の紳士はざわざわ鳴る鈴虫の中で、こんなことを言いました。
その時ふと後ろをみると、いかがわしい一軒の家が建っていました。
そして玄関には、
逆相席屋
供物堂
という札が出ています。
「丁度いいぞロリコン紳士。これはこれで中々洒落乙じゃないか」
「おや、こんなところに店があるなんて不思議だな授乳紳士。逆相席屋ってなんだ?」
「相席屋の逆バージョンだから、男が無料で飯食えるってことか?」
「なら何か温かいものが食えるかもしれないな」
「ああ、早速入ろう。出来るならズボンも借りようじゃないか」
二人は玄関に立ちました。
玄関は白い煉瓦で出来ていて、立派なものです。
そして透明な硝子開き戸がたって、そこに
どなたでもお入りください。未婚の男性大歓迎
二人はひどく喜びました。
うすうすと、この建物が魔物娘によるものだと考えていたため、ようやく目当ての魔物娘と出会えると思いました。
「こいつはどうだ、やっぱり世の中巧く出来てるねぇ。パンツ一丁で遭難した時はどうなるかと思ったが、これで俺のママになってくれるかもしれない娘が……ぐふふ」
「しかも逆相席屋だから無料と来たもんだ。変態と二人山の中と考えたときは死にたくなったが、ようやく俺の天使ちゃんと……デュフフ」
二人で戸を押して、中に入ります。
そこはすぐ廊下になっていました。
硝子戸の裏に、何やら魔界金で文字が書かれています。
若くて元気の良い方、大歓迎
童貞だと最高。
二人は大歓迎で最高というので、大喜びです。
「ロリコン紳士、俺たちは大歓迎で最高だってさ」
「然り気無く俺も童貞みたいに言うの止めてくれない?まぁ童貞なんだけど」
「今の時代童貞はステータスだよな」
「希少価値だぜ」
ずんずんと廊下を進んでいきます。
ところで二人は魔物娘に捕まるため山に入りましたが、ドS女王様系だけは逃げると決めていました。
心臓が止まるほどドキドキする漢だらけの教団で、訓練に根をあげ、戦場に出たこともない甘ったれらしく、甘えさせてくれる魔物娘を目指しているのです。
色々と方向性の真逆な二人ではありますが、そこだけは利害が一致しています。
とにかく、それから少し歩くと今度は水色のペンキ塗りの扉がありました。
「変な店だな、こんなにドアがあるなんて」
「馬鹿だ
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