「はぁ……」
魔物娘が現代に現れるようになってから、しばらく経ったときのこと。街では多数の、魔物娘と人間の男のカップルが寄り添う光景が見られた。セイレーンの肩を寄せる大学生、魔女と手をつなぐ高校生、ミノタウロスに肩車されるショタっ子、その他もろもろ……
そんな光景を見て、溜息をつきながら、街を歩く青年が一人。
「そういえば、今日は私の誕生日だったなぁ……」
スマートフォンを取り出して開き、画面に映し出された「今日はあなたの誕生日です」という知らせを見て、さらに溜息が出る青年。溜息をつきながら歩いていると、いつの間にか自室の前にたどり着いていた。青年は鍵を回し、ドアを開ける。
「ただい……えーっ!?」
思わず叫ぶ青年。自分一人しか住んでいない部屋に、ひと際目立つ装飾がされた、とてつもなく大きなプレゼントボックスが置かれていたからであった。自分にプレゼントを贈る友人なんてまずいない。ましてやこんなに大きなプレゼントを贈るなんて……などと考えていると、彼に追い討ちをかける事態が起こった。
「すぅ……すぅ……すぅ……」
「えーっ!!?」
しかもどこからか、寝息のような音が聞こえる。彼は再び絶叫してしまった。プレゼントボックスに近づき耳を当てると、部屋に入った時よりもひときわ大きな寝息が聞こえる。寝息の発信源は間違いなくここだと、青年は確信した。
「ど、どうしようかな……」
「すぅ……んっ」
寝息に交じって、たまに発せられるうめき声。なんだか開けろと催促しているようにも聞こえる。
嫌な予感しかしないが、彼は意を決して、プレゼントボックスを開くことにした。緑色のリボンを掴んだ手は震え、額には汗が流れる。リボンを紐解き、包装紙を剥がし、ふたを開けると、そこには緑の髪の女が一人、眠っていた。
「うそだろぉぉ!?」
「あなた、うるさいわよ……」
「一人暮らしの家に帰ってきてこんなもんあったらびっくりするでしょう、普通!」
「よし、成功ね」
「成功って……だいたいあなた、どうやって入ったんですか!?」
「普通にドアから入ったわよ?」
「どうやって鍵を壊さずに!?」
「魔法使えば、単純じゃない?」
「じゃああの箱は!?」
「友達に作ってもらったのよ」
必死な青年の質問攻めに対し、平然とした顔でぶっ飛んだ返答をする女。そして女はさらに斜め上の行動をとった。
「と、こっちの世界でははじめまして。私はチャットでは『エリン』と名乗っているわ。よろしくね」
「はじめまして、私は……じゃなくて!」
「あなた、『緑の』ね?」
乗りかけた緑のからツッコミが入るが、エリンは青年の名を口にする。言い当てられたのか、彼は驚いている。
「ど、どうしてそれを?」
「チャットの中でも有名よ。あなた、女の子に恵まれてないって」
「それで、こんな暴挙に……」
エリンの押しかけに対して、緑のはまた溜息をついた。しかし、そんなことなどどこ吹く風と言わんばかりに、エリンは話題を変える。
「それに、私達のことをひいきにしてもらってるみたいだし」
「私達?」
「あのサイトのSS。よく読ませてもらってるわよ」
すぐにはピンとこなかった緑のだったが、数分考えてようやく思い出した。自身が某サイトに短編小説を投稿していることを。そして、あるキャラクターを主役とした短編小説を集中的に書いていることを。
「そう。実は……」
エリンの全身から光が放たれると、緑のは覚えず目を瞑ってしまう。光が消えて視界を取り戻した頃には、肌が青白くなり、下半身が緑の鱗で覆われた蛇のそれに代わっていた。
「……エキドナさん?」
「そう、エキドナ。あなたの大好きな」
本物のエキドナを目の前にして、緑のは言葉が出なくなっていた。驚愕、歓喜、茫然……あらゆる感情が緑のの心の中で去来している。
「……で、さっそくで悪いんだけどさ。私と子作りしない?」
「えっ!? でも、私……」
エリンの口から、子作りというワードが出る。しかし、チャットで知り合った見ず知らずの女と子作りするなんて、緑のは躊躇するほかなかった。
「あら、してくれないの……? なら」
気後れしている緑のを見て、エリンは彼の服を爪で切り裂く。全裸に剥かれた彼の股間には、臨戦態勢になっているモノがそびえ立っていた。
「そうは言っても、体は正直ね……ほうら、私のここにあなたのそれを突っ込めばいいの。そして赤ちゃん、孕ませて?」
指で秘所を開きながら、緑のを誘惑するエリン。彼女の秘所はすでに濡れており、時折開いたり閉じたりする様子が緑ののモノを待ち望んでいるように見える。
その瞬間、緑のの理性は陥落した。彼は硬く鋭いそれを、エリンの秘所に乱暴に突っ込む。エリンの秘所からは純潔の証である鮮血が流れるが、彼女は鈍痛に耐えながら緑のを蛇体で捕らえ、
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