母と妹に祝福を

 とある山中の洞穴にて。
 はちきれんばかりに大きくなったお腹を撫でるブラックハーピーが、お腹の子の父親と思しき青年にしなだれかかっている。そのそばでは、ブラックハーピーの少女が寝息を立てていた。
「なぁ……ほしいんだ」
「おい、レン……シエルが起きるぞ」
 戸惑いの色を隠せない青年。普段は強気で、母親として奮闘しているレンだが、妊娠してからというもの、シエルが寝静まると昼の姿はどこにもなく、ただ愛欲を求める淫婦に変貌するのだった。
 だが、青年は求めにことごとく応じないため、レンの不満は日々募るばかりだった。
「もう、我慢できないんだよ……。シエルのためにも、妹を早く産みたいんだ」
「わっ、何をする!」
 レンは飛び掛かり、青年の服の股間の部分だけを爪で切り裂く。渋る青年の態度とは裏腹に、雄々しくそそり立つ剛直が姿を現した。彼女はそれをみて、恍惚とした表情を浮かべる。
「なんだ、まんざらでもないじゃないか……。ほしいんだ……。この、中に……」
 秘所を開き、懇願するレン。しかし、青年はその様子を見て顔をしかめる。
「だめ。君のお腹の中に、赤ちゃんがいるだろ?」
「でも、この子はあんたの精で、丈夫に育つんだよ……」
 もっともなことを言う青年だが、レンは頬を膨らませて、不満であることをアピールしていた。
「本当かな?」
 疑問を投げかけて渋る青年に対し、精がほしくてたまらないレンは、とどめを刺そうとした。
「本当だってば! あたしも、そうやって育ってきたんだからさ」
「そんなことして、おなかの赤ちゃんに何かあったら……」
「大丈夫だよ、魔物はそんなに柔じゃないからさ」
「むぅ……」
 愛し合っているとはいえ二人は人間と魔物、価値観の相違を超えられず、両者の主張は平行線をたどる。
「……わかった。でも、中には入れないよ」
 青年が出した妥協案、それは……
「それだったら……君にたっぷりと、飲ませてあげるよ!」
「えっ! ちょっと!」
 レンの頭を半ば乱暴につかみ、口をこじ開け、有無を言わさずに剛直を突っ込んだ。
 最初こそ嫌がっていた彼女だが、その表情は次第に熱を帯びていく。頭をオナホにされるだけでは飽き足らず、舌を使って裏筋を攻め、射精を促す。
「レン……っ!」
「ふふふ、ははひはははへふはへふほほほっはは?」
「出る……!」
 吐き出された白濁は、喉にぶつかると、飲み下そうとせずとも胃に落ちていく。矢継ぎ早に吐き出され、容赦なく降りかかる白濁液が、重量感となってレンの臓腑を襲った。
 その時だった。重量感に誘発されたか、彼女の子宮が、大きな脈を打つ。
「ふ、ふはれふっ……!」
 しかし、そんなことにはお構いなく、青年はレンの頭を使って剛直をしごいている。息苦しくなったレンが翼をはためかせて羽根を飛ばす。レンの行動の意図を読み取れない青年は、口から逸物を出そうとせず、そのまま腰を打ち付け続ける。
「はひへ、はひへ……ふへっ……」
 息も絶え絶えのレン。目は白目を剥き、視線は焦点を失っている。彼女の懇願により、ようやく青年の剛直から解放され、呼吸を取り戻した。
「ひぃ、ひぃ、ふぅー……。ひぃ、ひぃ、ふぅー……」
「ごめん、レン……少し調子に乗りすぎた」
 レンの息遣いを聴いて、ようやく状況を理解した青年が謝罪する。しかし、いきなり快楽から解放された剛直は、「頑張れ」と言わんばかりに白濁をレンの顔にぶちまけ、彼女の顔を白く染め上げた。
「節操が……ないねぇ……。産まれるぅぅぅ!」
 それに呼応されたのか、レンの秘所から愛液がしたたり落ちていく。卵を産み落とす。卵は子宮の中に残っていた羊水に濡れ、
「はぁ、あはぁ……」
 先ほどまで膨らんでいたお腹が、産卵により急速に収縮していく。子宮からの快楽に耐えきれず、彼女はそのまま岩の床に突っ伏してしまう。
 レンが産卵していた間、手持無沙汰になった青年が、彼女に剛直を向けてしごいている。お疲れ様、と言わんばかりに、再び精を顔面に浴びせようとしていた。
「かけてぇ……、卵にぃ、あんたの精を……かけてぇ!」
 疲れ切ったレンは精一杯声を張り上げ、青年に懇願する。精がほしいのは私じゃない、卵である、と。
「うおっ! また出るっ!」
 レンの懇願通り、生まれ落ちたばかりの卵に向かって精を放つ青年。純白の卵たちは黄ばんだ精で染め上げられていった。
「この子たちも……うれしそうだよ。あんがと……」
 母親はまどろみながらも卵を抱きしめ、幸せそうな顔をして、眠りに落ちていった。それをいたわるかのように、夫はレンを抱きしめ、彼もまた眠りに落ちていく。

 翌朝――
「おはよ……あれ?」
 眠い目をこすり、両親の許へと向かうシエル。ぼやけた視界が徐々に鮮明になっていく。その先には――白濁に塗れた母親と、同じ
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