イーサン
「イーリン裏戦記」
エリン
「今夜はNO! ボーダー!」
OP:『エリンの季節』
ああ繁殖(はらみ)の
季節がはじまる
盛りの炎が消えたこの世の
最後の精子(たね)から生まれ落ち孤児院に育った子らよ
純潔の膜 生命(いのち)の泉 その底に潜む
卵巣は卵(らん)の道 本能の声が呼ぶ
槍をかまえて
faire l'amour
卵(たまご)生み出す手解きを
膣(なか)に食い込む男の槍
魔物の母の子守唄
子宮中を熱く巡り ひかれ合う精と卵(らん)
もっと強く啜らせてほしい
ソコに湧く享楽の美酒を
魔物の永遠よ!
エリン
「さあ、本日も始まりました『イーリン裏戦記 今夜はNO! ボーダー!』! 孤児院の主人のエリンです。この番組は、現在休止中の連載小説『イーリン戦記』をベースにした特別外伝。パーソナリティはわたくし、エリンが務めます」
イーサン
「みなさんこんばんは、アシスタントのイーサンです」
エリン
「それにしても、緑の。OP変えたわね」
イーサン
「この曲、エリン姉のイメージに合ってるっていう理由で、緑のが替え歌を作ってしまったからなぁ……」
エリン
「さて、本日はクリスマス特別版!」
イーサン
「なんと、孤児院メンバーが全員登場するんだ! みんなのことを知らない人もいるだろうし、一言ずつでいいから自己紹介してくれ」
ミリア
「こんばんは、ハーピーのミリアでーす!」
ノッコ
「リザードマンの、ノッコだ。こういう場はあまり得意じゃないが……」
ナーシャ
「ワタシはケンタウロスのナーシャ。よろしく頼む」
メイセ
「スキュラのメイセ。よろしくね」
スゥ
「ジャイアントアントのスゥだよ! よろしくね!」
緑のカンペ:
ナーシャ・メイセ・スゥの三人はこちらが実質的な発情……もとい、初登場です。
イーサン
「随分ひどい間違い方してるカンペだな。それはさておき、ありがとう、みんな。それじゃあ、自己紹介も終わったところで……」
イーサン・エリン
「イーリン裏戦記 今夜はNO! ボーダー!」
ミリア・ノッコ・ナーシャ・メイセ・スゥ(以下、五人の総称は娘達)
「はじまるよ!」
この番組は
の提供でお送りいたします。
―――――――――――――――――――――
ナレーション:緑の姫君(以下緑の)
「ここは、とある街にある孤児院。この孤児院に一人の少年が拾われました。
少年は戦災孤児で、周囲と打ち解けることができず、ずーっと一人で過ごしていました」
イーサン
「はぁ……今日もやることがないなぁ……。外は雪か。綺麗だな……。それなのに、俺は一人、か……」
???
「おーっほっほっほっほ!」
イーサン
「その声は……」
???
「あら、お忘れですの?」
イーサン
「忘れもしないさ、エミリア! 何しに来たんだ!?」
エミリア
「余程暇人のようですね、イーサン。私はもう忙しくて忙しくて」
イーサン
「忙しいのに、どうしてここに来られるんだ?」
エミリア
「よくぞ聞いてくれましたわ! 私はこれから、彼とパーティーをするのですわ! おーっほっほっほっほっほ!」
イーサン
「こいつうぜぇ……」
エミリア
「……あら、誰が誘ってあげると言いましたの? 薄汚いみなしごが、我が家のパーティーに参加できるとでも思いまして?」
イーサン
「誰も言ってねえし……。つうかただ自慢しに来ただけかよ! どこまでも性悪だな!」
エミリア
「まあ、せいぜい独りで寂しいクリスマスを過ごすがいいですわ! おーっほっほっほっほっほ!」
イーサン
「くそっ、悔しいけど言い返せない……。それにしても、エリン姉やみんなはどこに行ったんだろうな……」
緑の
「その頃、イーサンと同じ孤児院で暮らしている娘たちは……キッチンにいる者と、買い物をしている者とに分かれていました」
ミリア
「ん〜、けっこうむずかしいね……」
???
「大丈夫よ、そんなに難しく考えなくても……」
緑の
「赤くて尖った帽子をかぶっているハーピーのミリア。彼女の目の前には、うず高く積まれたケーキの生地がそびえ立っていました」
ミリア
「う〜ん、ちゃんときれいにつくれるかなぁ……」
???
「大丈夫、ミリアなら、きれいなのを作れるわ。あとは、あなたが持っていくだけよ」
ミリア
「はーい!」
メイセ
「お〜い、アタシの方も見てもらってもいい?」
緑の
「こちらは壺の代わりにバンダナを巻いて、たこ焼きを焼くスキュラのメイセ。タコヤキを焼くスキュラ……うぷぷ」
メイセ
「誰よ、今アタシのこと笑ったの? まぁ、いいか」
???
「はいはーい、ちょっと待ってね」
メイセ
「こんなもんなのかな?」
???
「ん〜、いい焼き加減ね。な
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