魔物狩り 午後

 野生のワーラビットを捕獲し、次の目標を探し草原をぶらぶらとさまよい歩くのやめ、通常の道に戻る『魔物狩り』のアレン。
 (ん・・・やれやれあれは)
 草原からすぐに通常の道に戻ると、道端の上に大勢のスライム達がひなたぼっこにいそしんでいた。道がスライムだらけでよけて進む気にアレンは全くならない。
 (どうしたものか)
 一応スライムも捕獲することは可能であるが、だが普通の捕獲用のロープでは無理である。なぜならスライムは半液状型生物であるため、ロープで縛ろうとしてもすぐにすり抜けて逃げてしまうためである。もっともそういったものに対して専用の捕獲用の道具もあるにはある、しかしアレンはたまたま今持ち合わせていない。
 「別の道へ行くか・・・」

 別の道にて昼間であるにも関わらず、薄暗い森林地帯を通ることになってしまい、ほとほと困っているアレン。
 (あまりここを通りたくなかったのだが・・・)
 それもそのはず、なぜならば森林地帯は草原地帯と違い、非常に生息する魔物娘の数が桁違いに多いからだ。いくら『魔物狩り』とはいえど、数には勝てない。それだけでなく森林地帯の魔物娘達は、かなり凶暴かつ好色なものも多く何も知らずに森林地帯に入ったら最期、もう二度と元の生活には戻れなくなり家にも帰れなくなってしまう。そんなことをする人間は、よほど魔物娘が好きか非常に愚かな者である。
 そのため『魔物狩り』には、豊富な魔物娘の知識が必要とされている。後武術の心得なども必要とされている。
 「なっ・・・!!」
 「あー!!人間のおにーちゃんだぁ!!」
 森林地帯に入りまださほど時間が経っていないにも関わらず、この異常なほどの魔物娘達に遭遇してしまう多さである。
 アレンの目の前には、複数のフェアリーの群れがいる。
 フェアリーとは元妖精種のサキュバス化した魔物娘で、基本的に自身が子供の容姿そのままの性格で、無邪気かつ人間に対しても友好的な種族である。単体ならばさほど危険性はなく、彼女に快楽を与えれば追い払うことができるし、そのまま捕獲することも可能である。
 勿論アレンはそのことは分かっているのだが、アレンが恐れているのは違うところである。
 「よく見たらおにーちゃん、かっこいいね」
 「かっこいいおにーちゃん、一緒に私達と遊んで、遊んで〜」
 複数のフェアリー達が集まると「フェアリー・サークル」という現象が発生する。フェアリー・サークルという輪に入ったら最期、妖精の国へと連れて行かれ二度と現実世界に帰れなくなり、一生彼女達といやらしい遊びを続けることになるという恐ろしいことになってしまうと言われている。
 「炎よ・・・すべてを貫け、炎の槍!!」
 アレンが呪文のようなものを叫ぶと、アレンの目の前にいきなり燃え盛る炎で出来た槍が現れ、その槍が勝手に独りで動き目標のフェアリー達に向かって全速力で貫こうとする。
 「!?」
 わけが分からず立ち往生している先頭のフェアリーは、アレンの不思議な行動に首をかしげると同時に、体が火だるまに包まれていくことに気づかない。
 「・・・あっ、なんで、なんで?かっ、体が・・・体が熱いよぉああああああああ・・・」
 先頭のフェアリーは、何があったのかやっと気づいたが、時はすでに遅く全身が炎に包まれていて、もはや手遅れであることを示している。
 「あっ・・・あっ・・・みん・・・な・・・たす・・・け・・」
 その言葉を最期に、ぽとりと火だるまのまま地面へと落ちる。炎はそれでもメラメラとフェアリーを燃やしつくし、すぐに煙へと姿を変える。煙が立つ頃には、息がなくだいたいの原型を留めたフェアリーの惨めな焼死した遺体が残る。口を大きく開き、助けを求める動作そのままにである。
 「・・・」
 やがてその場は静寂が訪れ、周囲の木々から子供の泣き声のような悲鳴が木霊して聞こえてくる、それは今惨めに豚の丸焼きのように身を焦がし、死んでいった先頭のフェアリーの声とよく似ていた。
 「あっ・・・あっ・・・」
 わけが分からずいきなり死んだ先頭のフェアリー同様に、わけが分からずその一部始終を後ろから凝視していた、フェアリーの一匹が静寂を破ろうとしていた。それにつられ、放心状態だった他のフェアリー達も正気に戻り始めている。
 「なにこれ・・・なにが・・・?」
 「エイラちゃん・・・?ああ!!」
 フェアリーの一匹が、黒焦げになって死んでいる先頭のフェアリーを指差す。
 「いやああああああああ・・・」
 フェアリーの悲痛な悲鳴と同時に、フェアリー達は散らばるようにその場から逃げ始めた。
 「いやぁぁ助けてー」
 「殺されちゃうよー」
 (フン・・・逃げられると思うなよぉ?)
 アレンはほくそ笑むことをやめ、すぐに真っ白なお面顔に戻るとすぐさま捕獲用ロープ
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