「具合はどう?」
「うん、今日は平気よ」
コンコン、とノックの音に続いて部屋に入る
部屋には少女が一人ベッドに伏していた
彼女は今、原因不明の病に冒されている
身体のいたるところにできる紫の斑紋、発作のように現れる高熱、倦怠感、痙攣
町の医者に診せても原因は解らず、もちろん薬もない
病にかかってから一週間、昨日は呪い士にまで見てもらったがついにその病状が快復に向かうことはなかった
「ユウくん、私このまま死んじゃうのかな……」
「バカなこと言うなよ!絶対に良くなるさ!」
弱気になるサヤを励ます
「それに僕もついてる」
「……うん、ありがとう」
それじゃあまた来る、と部屋を出ていくユウの表情には、彼女には見せられない焦りと不安が入り交じっていた
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「やはり、原因はわかりませんな
これ以上私に出来ることはありません
一日目より病状も悪化しているし、このまま、という ことも考えておいてください」
「……そうですか、ありがとうございます」
「私の方でも引き続き調査を行います
なにか解れば連絡をさしあげますので」
医者はそう言い金を受けとると、
「心配なのはわかりますがお兄さんがそのような顔をされると妹さんも不安になります
病は気からとも言いますしあまり思い詰めないように」
と付け加え家を出ていった
「ユウくん、やっぱり私は……」
ふと背後から声が聞こえた
「サヤ、聞いてたのか?」
「ごめんなさい、でも私……」
そう言ったサヤの手が震えている事に気付いてユウはしっかりと彼女を抱き締めた
「あったかい……」
「サヤ、大丈夫だからな、サヤ……」
しかしサヤを抱き締めたユウは気付いてしまった
(これは……血……いや膿か……?)
彼女の身体にできた斑紋が崩れていることに
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その日の夜更け、病状は急変する
サヤが叫ぶ声で目を覚ました僕は祈りながら彼女の部屋へと急いだ
そして僕が見たのは、これまで以上に激しい熱に襲われ、ベッドの上で身体を跳ねさせながら苦しそうに呻いていたサヤの姿だった
「お兄ちゃん、お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん……」
うわごとのように呟くサヤの手を握ろうとして
そのまま突き抜けてしまった
「あ…………え…………?」
しばし呆然としてしまう
「お、兄ちゃ、ん……?」
と、声をかけられ
「!あ、っああ!ここに、そばにいるぞ!」
すぐにサヤへと呼び掛けた
「お兄ちゃん、私ね、わかっちゃったんだ
このからだはもう長くないって、だからね……」
「サヤ、諦めちゃだめだ!」
「お願い、聞いてほしいの
もし、明日になって私が変わってしまっても……」
そこまでいうとサヤは再び苦しそうに呻きつつも
僕の頬に紫に染まってしまった手を添えて
「おにいちゃんのいもうとで、そしてかのじょでいさせてください」
そのまま彼女は眠りについた
「……サヤ?サヤ?サヤ!」
慌てて彼女に呼び掛けるが、サヤは目を覚まさなかった
しかし、幾分穏やかな寝息を立てていることに気付き
「……一先ず落ちついた、ってことか」
僕もまた安堵からかそのままベッド脇で眠りに落ちた
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次の日僕が目を覚ますと、ベッドにサヤの姿はなく、紫のゼリーがあるのみだった
慌てて僕は身を起こすと
「んんぅ、ユゥくぅん……」
突然ゼリーから腕が伸びて来た
何が起きているのかは分からなかったが、聞こえたのは確かにサヤの声であった
「さ、サヤ!もう朝だぞ!」
と若干どもりながらも呼びかけると
なんとゼリーがもぞもぞと動き始め
「おはよー、ユウくん
たくさん心配かけちゃってごめんね」
サヤの姿となった
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それからユウは、元気な紫色になったサヤと共にしばらくの時を過ごした
服などはどうやら自分で作れるらしく、そのあたりを気にする必要はないらしい
今までより強く甘えてくるようになったサヤに少しだけ戸惑いながらも、またサヤと暮らせることを嬉しく感じていた
しかし一月ほど経ったある日の朝、サヤの様子がおかしい
まるであのときの病気の様に息を荒げながら細かく震えている
心配して彼女の手を握ると
ビクンッ!!
と大きく背中を反らせながら痙攣して再び倒れこんでしまった
「サヤ!?」
僕は慌てて肩を抱いて揺すると、それに合わせてビクンビクンとサヤが身体を跳ねさせる
「ゆ、く、だめ、らよぉ」
息を絶え絶えにさせながら制止してきて
「もう、朝から激しいんだから……」
と、頬を赤
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