ワタシノトリコ

暗いよここは毒の森」


森と言っても湿ってて、毒ガスが出る沼もある。この森は常に薄暗く、不気味な雰囲気醸し出す。


こんな場所は私たち、バブルスライムが住むのには、とってもとってもいい所。


悪条件にも関わらず、木々はすくすく成長し、良い木材に、なるんだと。


その木材を得るために、たまに樵がやって来る。私は彼に恋をした。やることはいつも一つよね? 一途に一途に愛してアゲル。


今日も彼がやって来た。今日は想いを伝える日。私は彼についてった。


斧を振るうその姿、汗を拭うその表情。彼の全てが愛おしい。早く想いを伝えたい。


彼が休憩したときに、思いきって現れた。彼は驚きたじろいで、私はニコッと笑ってた。


「好きです。あなたのことが好きで好きで堪りません。どうか私をお傍に置いて」


胸に秘めたこの想い、やっと彼に打ち明けた。私の心は火照ってて、なんだかとっても心地いい。


彼はしばらく沈黙し、複雑そうな顔をする。ゆっくり開いた口からは、信じられない返答が。


「バ、バブルスライムはちょっと……」



















どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテ



私はとっても彼のこと、とってもとっても愛してる。とってもとっても愛してる。どうして答えてくれないの?


こうなったら、しょうがない。実力行使、するしかない。私の味を身体にね、たっぷりたっぷり教えてアゲル。


身体を伸ばし、のしかかる。彼のことを、押し倒す。文句を垂れるその口に、私の口で蓋をする。


口の中に舌を入れ、ぐちゅぐちゅぐちゅと弄ぶ。ついでに私のこの身体、たくさん彼に流し込む。


ちゅるちゅるちゅる、じゅぱじゅぱじゅぱ。えっちな音が、辺りに響く。私と彼の長いキス。私の大事なファーストキス。


口を離したその先に、薄い緑の橋架かる。彼の顔は朱に染まり、物欲しそうな顔をする。


もちろん私の媚薬のせいだ。バッチリ効果はテキメンね。そろそろ作戦実行よ。


私は身体を動かして、ゆっくり彼から離れてく。彼は私の行動に、ビクンと身体を震わせる。

私はその後ゆっくりと、彼のことをあとにする。彼は私に呼び掛ける。


「どうした、どこに行くんだ」


「バブルスライムはちょっと、なんでしょ? だからここでサヨウナラ」


私はそのまま立ち去るの、私を求めるその日まで。彼は既に侵された、あとはじっくり待つだけよ。


私の身体は魔法の身体、飲めば飲むほどほしくなる。私のことがほしくなる。私の存在無くしては、彼はもう、生きられない。


これで彼は、私のモノ。私だけの、旦那様。その日が来るの、楽しみね。


彼は何にも知らないで、そのまま森を立ち去った。身体は徐々に蝕まれ、私のことで一杯になる。あなたはもう、逃げられない。用意を済ませ、待ってます。


あの日の彼がやって来た。待ちに待った時が来た。私はとっても嬉しくて、思わずイジワルしたくなる。


「どうしたんですか、その荷物。まるでここに移り住むみたいじゃないですか。バブルスライムはちょっと……じゃなかったんですか?」


「お、俺が悪かった、許してくれ! 今はお前のことがほしくてほしくて堪らないんだ。嫁にでも何でもしてやる、いや、俺の嫁になってくれ! 頼む!」


正直な人は大好きよ、私は彼を抱きしめる。そのまま魔法のキスをする。彼の心は満たされて、私の心も満たされる。これから毎日毎朝毎晩、私とあなたは繋がるの。


私に旦那が出来ました。私の身体は魅惑の身体。私なしでは生きられない、あなたなしでは生きられない。互いが互いに依存する。たくさんたくさん愛すから、たくさんたくさん愛してネ。
13/02/21 22:41更新 / ターニャ
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