僕は、仕事で数人の商人と荷物を載せて街道を走っていた。旅は順調そのもので、予定よりも早く着きそうだったんだ。
木陰と水辺のある場所で最後の休憩を終え、さぁ出発しよう、というところでサキュバスの群れと出くわしてしまってさ。言うまでもなく、僕たちは彼女達に犯されたよ。豊満な胸で揉みくちゃにされたり、ねっとり濃厚なフェラもされた。もちろん本番までしっかりとされ、僕の童貞は彼女の騎乗位によって奪われてしまったんだ。
初めては想いを遂げ会った相手に捧げたい。という僕の想いは、少し乙女チックだったのだろうか?
行為を終えると、彼女たちは商人を連れ、この場を後にした。残るは僕と馬と荷物だけだった。
「なんで僕だけは連れて行かれなかったんだろう?」
男としての敗北感と疑問をひしひしと感じながら頭を掻いたら、コツッと硬質なものに手が触れたんだ。両手を使ってまさぐってみたら、頭に二つの硬いものがあるとわかったんだ。
その正体を探ろうと、水辺に行き、水面を覗き込んだ瞬間驚いたよ。頭に二本の角が生えていたんだ。水面が揺れていて細かく見ることが出来なかったけど、顔の雰囲気も少し違ったように感じたよ。
体の変化に驚いて、仕事ほっぽらかして帰ろうと思ったら、魔物の魔力に当てられたのか、僕が連れてきた二頭の馬が交尾しててさ。
「んで、二日かけて家に戻って来たのか」
「う、うん」
「ばっかだな〜、馬の交尾終わるまで待てばその日のうちに帰って来れたろうに」
「あ、あの時は気が動転しててそこまで頭が回らなかったんだよ」
僕はことのあらましを、幼馴染みでルームメイトのユージンに伝えた。こいつはお調子者で悪ふざけがすぎるけど、僕が困っているといつも助けてくれるいいやつなんだ。
「でも、その顔隠すフードと二日分の食料は荷物の中から掻っ払って来たんだろ? やっぱり馬鹿だよレイは」
「もーそんなに馬鹿馬鹿言わないでよ。本当に困ってんだからさ」
「わりぃわりぃ。でもよレイ。いい加減そのフード取ってくれよ。症状見ないと分かるもんも分かんねーよ」
「で、でも……」
あーもうじれってぇ! というとユージンは僕のフードを無理矢理引きはがしてしまった。今まで隠してた二本の角が露見する。ユージンは僕の角……ていうか顔を見て驚いている。
「ちょっと、そんな顔しないでよ! 不安になるじゃないか」
「あーいやーそのー、うん、自分で見た方が早いな」
そういうとわざわざ手鏡を持って来てくれた。鏡を覗き込むと美少女がそこにいた。それが自分の顔だと理解するのに結構時間がかかった。しかしよく見ると、前の顔の面影も少し残っている。
「何このかわいい娘」
「確かにかわいい。ぶっちゃけ超好み。だけど自分でいうのはどうかと思うぞ」
「いやだってかわいいんだもん。つか、好みだからって襲うなよ? ホモとかシャレにならないからね」
僕だって男だ。そりゃかわいい娘には目がないさ。ヤバい、自分の顔に恋しそう。
「うーん、男、女顔、角……」ブツブツ
ユージンが小声でつぶやいてる。何か思い当たることでもあるんだろうか? こいつ、無駄に博識だから何か知っているのかも知れない。
「なんかわかった?」
「今話かけないd……あっ! あー、ぁー、そういう」
「な、何? 何かわかったの?」
「あー、うん。聞きたい?」
「聞きたい聞きたい」
「じゃあ今から俺が一つ質問するから素直に答えてくれ。お前の性別は?」
「今更何言ってんだよ。男に決まってんじゃん。またに大衆浴場行くけど一緒に入ってるじゃんか」
「そうか、じゃあ俺、後ろ向いててやるからちょっと全裸になってみ」
「別に今更ユージンになら裸見られても恥ずかしくないけど」
「お前がよくても俺がダメなんだよ。心の準備はしとけよ」
何か様子がおかしい。いつもはむしろユージンの方からズボンを脱がせて僕に恥をかかせたりするような奴なのに、今回は顔を赤くして僕に背まで向けた。とりあえず言われた通りに服を脱ぎ、最後にパンツを脱ぐ。その瞬間凍り付く。股間に男ならあって当然なものがない。
「な、ななな、ななっ、なななな、なぁぁぁぁぁい!」
「やっぱりな。そりゃアルプで確定かな」
アルプ――通常、男性がサキュバスに襲われた場合、魔物の魔力を注がれるとインキュバスへとなる。しかし、ある条件を満たすとアルプになるらしい。そしてその条件が
「心の奥底で女性になることを望むこと……か」
話を聞いた後、ショックで自分の部屋に篭ってしまった。何度かユージンが心配して声をかけてくれたけど、無視してしまった。後で謝っておかないと。それにしても……
「女の子なんだよなぁ」
体全体が映る大きな鏡に映る全裸の女性、つまり自分を見ながら呟く。確かに、
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