・・・ ゴロン ゴロン ゴロン
うんしょ、うんしょ。
ゴロ ゴロ ゴロ ゴロ
うん、しょ。 こら、しょ。
ゴ ロ ・・・
どっ、こい、しょっ!
ド ス ン !
ぷはー、つっかれた!
ひとやすみすんべ!
「今日も精が出るね、レト」
やんだあ、王子様。
ずーっと見てただかぁ? 恥んずかしい。
・・・だんめだよう! だから、王子さまぁ。
おらあ、汚ったねえだよ。 いま寄っちゃだんめだあ!
「汚くないよ。 大地を創る神聖な仕事だ」
あいかわらずおおげさだんな、王子さまは。
おらあ、土やら枯草やらウンチやらいじくってるだけだあ。
「君が自分で言ってたんじゃないか。 生きた土を作っているんだって」
― うんだ、ここにいっぱい積み重ねておくだよ。
ごろごろ転がして持ってきて、乾いたのと湿ったのと、段々になあ。
― そうすっとよ、虫がいっぱい湧いてくるだよ。
うんだ、おらあの仲間だ。 はたらきもんの、めんこいやつらだあ。
― そんでなあ、そいつらがここに積んだもん、一生懸命ぱくぱく食べてなあ。
こんなかでおしっこやウンチしてなあ、それにカビがはえたりしてな。
そんなこんなをなんべんもなんべんもやっとると、これが土がなるっとよ。
― ほらあ、嗅いでみ? もう臭くなかんべ?
ええ匂い? そんだべ。 これ、山の匂いだあ。
こっからいろとりどりの草花が生えてくるんさあ。
「― そして、いつかこの砂漠を、緑でいっぱいにしたい。
君は余の前で、そう言っていた」
あんれえ、こっぱずかしい! そんなこと言っちゃ、いやだようっ!
か、かわいい?! だからやめてけろ! 王子さまのいじわるっ!
んもう! こんどそっただこといったらば、ウンチぶつけちゃる!
・・・ほら、いつものイモムシだあ。 釣りさするんだべ?
王子さまってのも意外にヒマなんだなや。
ほら、オマケの果物だあ。 暗くならんうちに帰るだよう!
はあ、きょうも一日おわっただあ。
もう、からだじゅうべっとべと。 きんもちわるぅ・・・
カチャ カチャ カパ
シュル シュル
・・・うんわ、ぐっしょぐしょだあ。 やんなっちゃうだなあ。
こんなあせみずくで王子さまの前に出て、こっぱずかしいだよ・・・
チ ャ プ 。
・・・ パ シ ャ パ シ ャ
・・・あー 、きんもちええ。 とっととべとべと落としちまうべえ。
もたもたしとったら、日が沈んじまうだあよ。
うー、ここも。 ここも。 こっちも。
あっちこっちべっとべっとだあ・・
・・・ ・・・ ・・・
・・・こんな、とこも。
べっとべと、だあ。
・・・ ・・・ ・・・
おら、すけべえだなあ。 やんなっちまう。
・・・きれいに、せねば、なあ。
・・・ チ ュ ク 。
・・・ ん っ
チ ュ ク チ ュ ク
ん ・・・ ・・・
― 精が出るね、レト。
・・・王子さま。
― 土を作る、神聖な仕事だ。
いまごろ、どっかで、釣りしてんだろな。
この川の、どっかで・・・
チ ュ チ ュ チ ュ チ ュ ッ ・・・
― ははは、レトは、ほんっとうに、かわいいなあ。
・・・かわいい? おらあがか?
こんなくっさいくっさい、おらあがか。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
王子さまは、ほんっとに、いじわるだ。
悪いおとこだあ・・・
・・・ コ リ ッ 。
ん 、あ っ 。 あ ・・・
・・・ ガ サ ッ 。
―――――――――
「レト、今日も頑張ってるね」
あんれ、王子さま。 また来ただかあ。
ここんとこよく来るだなあ、おヒマかねえ?
あっはっはっは、王子さまはヒマくらいがちょうどええだあ。
おらあみたいなんは動いてないと、どうかなっちまうだあよ。
そーれ、えっちら、おっちら。 えっちら、おっちら。
「僕も、やってみていいかな」
・・・はあ???
な、なにいってるだね王子さま!
・ ・
ぼくとか、やってみるとか・・・
い、いえいえいえいえ!
で、でも、汚いし重いし・・・
あっ!
「わあ、結構重いや」
あ、あんれまあ。 ふたついっぺんに・・・
やっぱ細っこくても男は力持ちだなや。
あ、でも、無理しちゃあ・・・
・・・ほんら、もう。 こけちまったでねか。
べべ汚れちまうだよ、王子さまったら。
「あ
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4]
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想