「は…ハハハハハッ!!まさか…まさかこんな所で会えるとはなぁ、センパイィッ!!」
「は…俺はお前なんて知らないぞ……ッ!!」
相手の少年がいきなり消えた。
そう思った瞬間、いきなり目の前に現れて殴りかかってきた。
「うわッ……グッ!!」
俺は持ち前の身体能力で何とか避けた。が、あまりにも咄嗟に避けた為背中から木にぶつかってしまった。
「ホラホラ…センパァイ、そんな無様な避け方じゃあ戦意が削がれてしまうじゃないか……よッ!!」
再び少年が瞬間的に間合いを詰め俺に殴りかかってくる。
「クソ…っが!!」
再び俺は避けると、瓦礫の山に走った。そして、瓦礫の山に到達すると俺と同じ大きさぐらいの瓦礫を少年に向かって投げつけた。
「おいおいセンパイ、そんなんじゃあ俺に怪我を負わせることは出来ないぜぇ?」
少年は避けもせずその拳を瓦礫にぶつけた。すると、それがさも当然だったかのように瓦礫は粉々になった。
「そんな事ぐらい分かっているさ。
だけどな、弾幕さえ張ってしまえば!!」
そう言って次々と絶え間なく大小様々な瓦礫を投げつける。
そうすれば何時かは気絶ぐらいはさせられる筈だった。
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「う〜ん…」
「電話の前で行ったり来たりしてどうしたの、フューネちゃん?
もしかして、祐介君って子の事かしら?」
「うん…そうなんだけど……」
今日の放課後の別れるとき、何だか祐介クンの雰囲気が暗かったから気になってこうして電話の前でウロウロしている、という訳である。
「ふぅん…そっか。
もう7時だし、祐介クンの家に電話でもかけてみなさい。
…祐介君が居ればそれで良いし、居なければそのまま捜しに行けば良いしんじゃないかしら?」
「…うん、そうして見る」
「それで見つけた後、そのまま襲っちゃいなさいよ」
「ちょっと姉さん!?
私と祐介クンはまだそんな関係じゃないよ!?」
そうして、私は受話器を取って電話をかけた。
「…あ、もしもし、おば様……」
『もしもし…わたしはセナですけど……』
「あ…ごめんねセナちゃん。
私、フューネよ。分かる?」
『フューネお姉さま…ですか?
一体どうのようなごようけんですか?』
「うん…そのね?祐介クン今お家にいる?」
『兄さまですか?おうちにはかえってきてませんが…。
あ、そういえば、きょうはおそくなるって言ってました』
「そう、ありがとう、セナちゃん
じゃあ祐介クンがお家に帰ってきたら、私に連絡してって言ってくれるかな?」
『はい、分かりました。兄さまにはそう言っておきます』
「ありがとう、セナちゃん。
じゃあ、またね」
その言葉を最後に私は電話を切り、そして祐介クンを捜しに外へ出かけた。
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「センパイ、腕、1本貰いますね?」
油断していた。
弾幕を張り続けてさえいれば、相手が全く近づいて来れないと昂を括ったのが裏目に出た。
ミチミチと肉の裂ける音が身体全身に響いた後、左肩に強烈な痛みが走る。
「…は?何が…?」
左肩を見ると、そこに当然の様にあった腕は無くなり代わりに血溜まりが出来ていた。
「そんな…俺の……腕が」
「センパイ…まだ、終わりじゃ無いぜ?
ホラ…始まった」
それから俺は異常な物を見た。
傷口だった肩からブクブクと肉が膨れあがったと思うと、自分の右腕程の長さまでになった。
そして、徐々に形を成してきたと思ったらそれは自分の失った筈の左腕へと、最初から当然の如く当たり前の様に変化していた。
「え…何で……。
俺、腕が千切れた筈…なのに」
「おぅおぅおぅ、分かってないなぁ。ま、そんな顔を眺めるのも俺としては楽しいけど」
少年はケラケラと笑いながら説明した。
「なぁ、センパイ。もしかして自分は再生能力が異常なまでに高い…なんて思ってたりする訳?
…まぁ、その顔見てりゃあそうだとは簡単に予想がつくけど。
でだ、それは『再生』なんてヌルいモンじゃあ無い。
それはな、『創造』だよ『創造』。何にも無いところに何か造る能力ってこと。」
「『創造』…だと?
それじゃあ俺は…一体……」
「一体って…そりゃあ俺と同じさ。
何百年も前、魔物に対抗する為の生物実験…『人類神格化計画』における最初の成功体『T-035』。
それがセンパイのナンバーなんだぜ?
…さて、そろそろお喋りはお終いだ。
そろ
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