「…それじゃあ、行って来ます!!」
「あ…待って優、もしかして今日はアルバイトなの?」
「そうだよ母さん。
あ、でも今日は冷蔵庫に麻婆豆腐が入ってるから今日はそれ暖めて食べて!!
後、セナとルナ用にとびきり甘くしたヤツも作ってあるから間違えないでね?」
「分かったわ。
優、行ってらっしゃい。」
「うん、行って来ます!!」
こうして、朝に元気よく家を出るのは母さんに心配させない為だ。
正直、体中はバイトと妹の世話でガタガタだし、ここ最近はあの夢を毎晩見ているせいかあまり寝れていないのだ。
「優には、あまり無茶をして欲しくないのだけれど……」
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……暗い…これはまた…あの夢……なのか?
それにしては、やけに身体の自由が効くような……?
「何やってんだよ…」
「何って……え?」
突然声が聞こえた方に向いてみると、其処にはもう1人の俺がいた。
「え?って…そういやお前は俺のことを知らないんだっけか?」
「そりゃまぁ、知らないけど……って、お前誰だよ?」
「ん?俺か?
俺は、『もう1人のお前』だ」
「もう1人の…俺?」
「ああ、もう1人のお前だ。
まぁ、違うところがあるとするなら、お前の持っていない記憶があるって所か?」
「俺の知らない記憶って……記憶って何だよ!!
なぁ、もし知ってるなら教えてくれ!!」
「おっと…おしゃべりは此処までのようだぜ?」
「此処まで…ってオイ!!
何だよ、俺の知らない記憶って!!教えてくれ、一体何なんだ!!」
「ああ、これだけは言っとく。
山の中、壊滅した研究所に行けば何か思い出すかも知れないぜ?」
「なんだよそれ!!全く答えになって……!!」
その時急に辺りが白く染まり始めて………。
「祐介クン起きて、もう昼だよ?ねぇ、起きてってば!!」
「ふぁ…?
何だ、夢か……」
「何だ、夢かじゃないよ!?
ほら、今日もお弁当持って来たから早く食べよ?」
「あ…あぁ、そうだな」
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「フューネゴメン!!
俺今日これから急ぎでバイト行かないと行けないから今日は先帰るわ!!じゃあな!!」
「う…うん、じゃあね…」
その後、祐介クンは急いで教室を飛び出していった。
それと入れ違いになるように、ある人物が入ってきた。
「は〜い!!愛しの我が妹は〜っと…あ、いたいた。お〜い!!」
「あ、姉さん。今日の生徒会はもう終わったの?」
「ん〜終わった、というか無かったという方が正しいかもしれないわね?
で、どうしたの?そんな浮かれない顔して」
「うん、ちょっとね…。
ここじゃあちょっと話しづらいから、車の中で話すね?」
そうして私達姉妹は校門を出た後、直ぐ近くで待機していたリムジンに乗って家へと帰った。
その途中、私は祐介クンの夢の話について姉さんに聞くことにした。
「ふぅん、カプセルねぇ…確かそんな実験があったような無かったような……あ、もしかしてアレかしら?」
「え?姉さん、アレって?」
「うん、これから話すのは、少しだけその子の事を見づらくなるけど良いのかしら?」
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「はぁ〜…今日も終わった終わった。」
「あ、センパイお疲れ様です」
「おぅ、お疲れ」
コイツは俺のバイト先の後輩でもあり同じ高校の後輩でもあるアヌビスのルーアだ。
「それにしても今日は凄い速かったですねセンパイ。
もしかして、センパイって…」
「俺はちゃんとした人間だ。
まぁでも今日はギリギリだったからね。ホントに遅れそうでヤバかったんだよ。」
「ふぅん……それでも、自転車であんなにスイスイと車なんて追い越せるものなんですか?」
「ウッ…それを言われるとキツイんだが……」
実は俺は、人間ながらにして人間では到底出せないような身体能力を持っている。
今の会話でも分かるように、自動車は簡単に追い越せる(今日はあれでもかなり力を抜いた方)。だから、体育を本気でやってしまうとその尋常じゃない力で皆に怪我を負わせる危険がある。
ついでに、異常な程の再生能力もあるが、今はまだ説明はいらないだろう。
「まぁ、良いです。
フューネ様と夜の営みをされているのならまだわかりますし……ワゥン
#9829;」
「お〜い、
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