「……同調率85%超えました」
「脳との接続…成功」
「実験体T-035、精神状態安定…これより第2シークエンスに移行」
その部屋は明かりは付いておらず、唯一の光源であるオペレーターが動かしているコンソールともう1つ、人間らしき生物が入っているカプセルがこの部屋をかろうじて明るくしているだけだった。
「脳波パターン解析…主任、何時でも行けます」
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『……コ、コハ…?』
「ふむ、調子は……良さそうだな?」
目を開けて最初に移ったのは薄暗い部屋に、何かの壁越しに移っている老人らしき姿だった。
『オレ……ハ…イッタイ……?』
「ん、君の名か?
…君は個体ナンバーT-035、この実験の成果であり、モルモットだ」
『ジッケン…?モル……モット…?』
「ああ。良いから良いから。
お前はそこでじっとしていれば良いんだ。」
ソイツは訳の分からない言葉を発した後、こう言った。
「さぁ、とうとう此処まで来た!!
私達は神をも超えて、人間を超越した人間を完成させた!!
…だから、次は、コレが何処まで人間の存在を超えたか実験しないとね……さぁ、最初は電撃に対する耐久実験だ。さ、始めてくれ。」
「はい、それでは第2シークエンス、電撃の対する耐久力の実験を行います。
まずは、100万ボルトから開始します。」
「甘い…甘いよ君、コレは実験体第1号…言ってしまえばオリジナルだ。この個体を元に後から幾らでも同じ物が作れる。
けれども、コレは人間を超越してるんだよ?
…だから最初は1億ボルトから始めないとね?」
「しかし……了解、それでは予定変更して1億ボルトから実験を開始します」
『ナンダ……ナニガ…グ…グガガガガアァァァッ!!』
何が起こったのは分からないが、その後の痛みによって理解した。
「1億ボルト、耐えました。
続いて、10億ボルトへと移行します。」
「よしよし、なかなか良い結果じゃないか?
…それでこそ、私が長年研究してきた甲斐があったってもんだ」
「続いて、10億ボルト…開始」
『グガァァァアアアァァ……ガアアアアァァァァァッ!!』
痛い、全身がもの凄く痛い。
痛い、痛い痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイイタイイタイイタイイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ…………コロスコロスコロスコロスコロスコロス!!
『コロスコロスコロス……オマエラゼンイン…コロス!!』
「主任、異常事態発生!!
実験体T-035の周りにエネルギー反応発生増加!!今も増加中です!!」
「今までとは違うパターンの脳波が発生!!
主任、そこにいては危険です!!」
「被害予測…出ました!!
このままだと、この施設全体が壊滅します!!」
「ふむ…仕方が無い……か。
全員、この施設を廃棄する!!直ちに脱出の準備を!!」
「「「了解しました!!」」」
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そして数分後、その研究所は謎の爆発によって壊滅した。
しかし、後から来た研究関係者の資料によると、暴走状態にあった実験体T-035の遺体は愚か、肉片さえも残っていなかったらしい……
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