やぁ、皆!俺の名前はクロエ。何、女みたいな名前だって?失礼な、俺は男だ!!これでも商人で、町でもそれなりに名の通った放浪の商人なんだぞ!!
「ご主人様〜、早く次の町へ行きましょうよ〜。私もう、お腹がペコペコで仕方がありませんよ〜ぅ。」
おっと、すっかり忘れてた。こいつは俺の嫁で名前はルゥと言うんだ。ちなみに、種族はオークなんだが、訳あってこいつのいた部族から離れさせてもらったのさ。
「ああ、分かった。夕暮れも近いし、次の町まで急ぐか。」
「やった〜!じゃあ、ご飯を食べた後は、私とS・E・Xしてくださいね〜、ウフフ。」
…皆も聞いての通りこいつはもの凄くSEXが好きなんだよね。あれやこれやと言って自分からSEXをおねだりしてきたりする。時には店出してる時にもヤろうとしてくるんだぞ!店を潰す気かっちゅうの!!
「分かった分かった。どうせヤダと言っても聞かないんだろ。」
しかし皆、不思議に思わないか?どうしてこいつが部族から離れたのか気にならいか?元々オークは山岳地帯に集団ですごす魔物だ、それが何故一介の商人である俺と居るのか。その答えは、俺とこいつが出会う前、即ち………エート……そうそう3年前の町への移動中の出来事だったんだっけか?
これから話す物語は俺とこいつの物語なんだからな、耳かっぽじってよーく聞けよ!!いいな!!
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あれは3年前、町から町への移動の時だった。
「フ〜ンフ〜ンフフ〜ン。やっぱり1人での移動はいいもんだなぁ〜。大人数で移動するとなると、何かと大変だからなぁ。」
何で大人数で移動するのかって?それはな、魔物に襲われないようにするためさ。逆に言うと、1人だと魔物に襲われやすくなるって訳。
しかし、何であの時1人で行こうと思ったのかね?自分でも分からんわ。
「しかし、大丈夫なのか。この渓谷、昔からオークの住処がそこらじゅうにあるからなぁ。危険そうな洞窟はあらかた避けてきたけど、いつオークの集団に襲われても可笑しくはないからなぁ。」
この時、俺はまだ気づいていなかったんだ。もうすでにオークの集団に狙われていることに…。
……ガサッ、ガサガサッ………
「ん?何だ、今近くの草むらで音がしたけど…。う〜ん、まぁいいかどうせこの辺りにに住んでる動物だろ。」
…ガササッ、ガサガサ……ガサッ…
「しかし、だいぶ賑やかだなぁ、オイ。森の動物達が俺の周りでダンスでも踊ってるのかね。」
…ここはあえてスルーすべき所だがあえて言おう。そう!俺は妄そ…もとい想像力がちょっとばかし大きかったのだ!ハハハハ、ハァ。
「おい、そこのお前!」
と、後ろから声を掛けられた。声からして女性。しかも年は俺と同じ20前後だろう。
「お?ようやく出てきたか森の動物たちその1!」
この時俺は気づくべきだった。ここはオークがたんまり住む渓谷、従って動物や人間はいないということに!
「…森の動物たちその1かどうかは分からないが、その馬車に乗っている荷物…いや、お前自身を置いてけ!!」
「いやいや、俺自身置いていったらこの荷物の意味無いだろ?しかもあんた、山賊か?今時1人の山賊なんていないぞ?仲間は何処なんだ?」
「ん?仲間ならいるじゃないか、お前の周りに。」
そう言われて俺は辺りを見回した。確かに周りには、彼女の仲間と思わしき女性が15人程いた。
しかし、格好が妙だった。全員が、革のベルト巻き付けただけだよね、という感じの鎧を身に纏っているし、何故か斧を持っていた。よくよく見ると、ブタと思われる耳と尻尾がついている。
「ねぇ、あの男ダサくない?私、好みじゃないわ。」
「え〜っ!?私は結構すきだよ。特にあのバカっぽい顔に合わず、実は切れ者だったりして?」
「ハァハァ、早く人間とヤりたい…ハァハァ。」
誰だッ、今俺をバカにしたのは誰だッ!!あと、最後の何、ヤりたいって!!
殺りたいんですか!?それともこっちの…
「もしかして、お前達この渓谷に住むオークか?」
俺は恐る恐る聞いた。
「ああ、そうだ。だからどうした?」
「そうか、お前達オークだったか。ってえ〜〜〜ッ!!!」
あの時は今までで最大の音量だったと思うよ。だって、渓谷にいた鳥多分全部飛んで行ったから。
「という訳で、私達と一緒に来い!!」
「ああ、分かった。って、ゆうわけあるかーーー!!」
またも俺は、大声で叫んだ。
「ついて行く訳ないだろ!!大体は商人なんだから、ここでダラダラ過ごす訳にはいかないんだよ!!」
「そうか、ならば強制的に連れて行くしかないな。お前ら、コイツをロープで縛れ!!住処に持って帰るぞ!!」
半ば強引に言った筈なのに、コイツら全然聞いてやしねぇ。いやいや、それよりもロープで
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