願えば何時も突然に

「ねぇねぇ、何してるの?」

 小さい頃、俺は公園で1人で棒を振り回している男の子に声を掛けた。

「え…何をって剣の練習だよ?」

 男の子は俺にそう言って、再び棒を振り回し始めた。

「…何で、剣の練習なんかするの?」

「僕は大人になってから、悪い人を成敗するんだ!!」

 それから男の子の話は、暫く続いた。

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「修く〜ん、お家に帰るよ〜!!」

 遠くから、母さんの声が聞こえる。

「あっ……そろそろ帰らないと…。」

「うん…じゃあね。」

 男の子は少しだけ寂しそうな顔をしたけど、それでも手を振ってくれた。

「…あ、そうだ。俺は、神也 修司(かみや しゅうじ)。
 君の名前は?」

「僕は…僕は、     って言うんだ。」

「へぇ…    って言うんだ。
 じゃあ、   だね!!」

 その記憶は、もう何もかもが忘れ去られていた。

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 今は昼休であり、俺の前には男子が2人の彼女と昼食を摂っていた。

「なぁ…何で佐枝森はそんなにモテるんだ?」

「お前なぁ……モテるって言っても、2人だぞ?」

「俺的には、2人でもモテるって言うけどな…。」

 佐枝森は中学からの同級生で、俺は佐枝森と、佐枝森は神ヤンと呼んでいる仲だ。

「そもそもお前今、モテ期に絶対入ってるだろ?
 ああ、俺のモテ期は何処行った!?」

 何故に佐枝森は、今この青春時代にモテ期なんかに入ったんだ!?

「つか神ヤンだって、周りに可愛い娘ばっか何だから何時かは振り向いて貰えると思うぞ?」

「本当か!?それは何時なんだ!?」

「んな事、俺が知るか。」

 くそぅ、此処で裏切ったか。
 そのショックで俺は教室(佐枝森)から逃走した。

「くっそぉーーーー!!
 佐枝森の……馬鹿野郎ぉーーーー!!」

 俺が教室のドアから出て曲がろうとした時、目の前に…俺より頭1つ分小さい男子が……ッ!!

「おわああぁーーーー!?」

「うわあぁぁーーーー!!」

 俺は、衝突してしまった。

「いっつつ……ん?」

 何だか右手に、柔らかい物が……?

「や、やめ……ッ!!」

 どうやら俺は、衝突してしまった男子を下敷きにしてしまった。
 そして、この右腕を目でたどってみると……男子の胸に……?

「う…うわぁ!!ゴメン!!
 …じゃなくて、俺にはそんな趣味は無いって言うかその……。」

 俺は、何とか言葉を絞りだそうとしたが、その前に逃げられてしまった。

「おいおい…ホ○か、ホ○なのか…?」
「あれじゃあ、彼女出来なくて当然よねww」

 この日、俺はホ○のレッテルを貼られてしまった。

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 次の日、俺は憂鬱な気分で学校へと登校していた。
 その途中、彼女2人とイチャイチャしながら登校している、佐枝森と出会った。

「おーっす……。」

「おう……って、俺の親友で彼女無しで、更にホ○の神ヤンじゃないか!!」

「ああ、そうだな…。」

 親友にまでこんな言われようじゃ、俺もう人生終わったな。

「まぁまぁ、そんな落ち込むなって。」

「そう言われても、人生の汚点は拭いきれるものじゃ無いんだよ…。」

 そう言って、学校の門を通り抜けようとしたときだった。

「あ、あの…!!」

 そう言って俺に声を掛けるのは、昨日の男子。どうやら門の側で俺を待っていたようだ。

「ちょっと…体育館裏まで来てくれないかな?」

 と言われて、服の袖を引っ張られる俺。

「え、うわ…ちょ……待てって!!」

「あ〜、じゃ、先行ってるぞ〜。」

 唯一の救いである、佐枝森がどんどん離れていく……うぅ。

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 体育館裏まで来たら、いきなり俺を引っ張っていた男子が此方を向いた。

「き…昨日のことなんだけど……!!」

 いきなりの事だったから、吃驚した。
 よくよく見ると、髪はブロンドで後ろで1つに纏めていて目は赤く耳は少しだけ尖っていて、その顔は、中性を思わせる顔でなかなかの美少年だった。

「あ、ああ
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