その日の午後、俺は入学式へと参加した。
…参加したのは良いのだが、
「…ちょい待ち、これって…。」
俺は入学式に参加すべく、体育館へと向かった。
そこで待っていたのは……体育館を埋め尽くす女子、女子、女子である。
それはもう、ホントに…周りを見渡す限り女子ばっかりだ。
「…えっと、他に男子は…いるのか?」
そんな事を言った瞬間、恐らくその場の全員の女子が振り向いた。それも、人間とは何処か違う部分を持った少女、即ち魔物娘ばかりである。
例えば、何故か壺らしき物から頭と手足を出している少女。その他にも、黒耳にモフモフの手足の少女、異様なまでに周りに殺気を放っている少女に如何にも甘え上手なのに下半身サソリの少女だとか、とにかく多種多様なのである。
「…アレ?俺、何か間違えたこと言ったか?」
とりあえず再度周りを確認してみたが、やっぱり男子の姿が1人もいない。しかも殆どの女子から無駄にハートマークがでているオーラが出ている。
後は何かって?それはな、俺を奴隷として見るヤツに、『お前なんかいらない』ってオーラ出してるヤツだ。
「…うん、俺、入る高校間違えたかも。」
今更ながらにそんな後悔を感じてしまった。いや、あのさ、後悔さん、とりあえず先に旅だってみようか?
…ん、そんな事面倒だって?いやいや、そう言わずに、ね?
「これより第1回、エルフェンリート学園入学式を始める。
まず初めに、学校長の挨拶……。」
司会進行の…あれは、デュラハンの先生(?)が、プログラムを進める。
壇上に出てきたのは、お馴染み校長ことバフォ様である。
「ほいほい皆の衆。儂じゃ、皆のアイドルバフォ様じゃ!!
今日は儂のライブに「かあいい物は、おっ持ち帰りぃーーー!!」ぬおぉーーー!!何するのじゃーーーー!!」
校長が暴走したところで、嵐の如く壇上の端から現れた小さい女の子がそのまま校長を攫っていった。
「おいおいおいおい、何だったんだ今の。」
体育館内がざわつき始めたところだが、プログラムがどんどん進んで行く………。
入学式が終わった後、俺は教室割り当てがあると思ったがそんな事は無かった。
無かったと言うよりも、そもそもクラスが無いといった方が近いだろうか。教室自体はあるものの、生徒全員がそれぞれ気に入ったクラスに入っているのだ。
「さて、俺は何処のクラスに入ろうか…。」
そう悩んでいるものの、俺の後ろには他の魔物の女子達がぞろぞろと付いてきているがまぁ気にしない事にする。
「う〜ん、これ以上選ぶのもダルいし、あそこのクラスでいいか。」
とりあえず俺は、1年F組の教室に入った。
「うわ、あっぶね〜。ギリギリ後1つ席が残ってんじゃん。」
俺は残り1つの席につきながら、俺の後ろに付いてきた女子達に心の中で頭を下げながら前を見た瞬間、激しく後悔することになった。
「うわ、ヤバ。何でこの教室にあいつ等がいんだよ。」
あいつ等とは、俺が体育館に入ってきたときに他とは違うオーラを出していた2人である。
1人は黒い耳に黒い尻尾、更に両手足に獣特有のモフモフが付いているが、若干胸が小さめである。それでも美少女と呼べるぐらいの女子だ。
もう1人は紫の髪に透き通るような白い肌だが、部分的に鱗があって羽や尻尾、頭には角と全体的にドラゴンを思わせる上にこちらは何と巨乳である。
全体的に正反対の2人であるが、同じ所があるとするならどちらともクールな所であるといった所だろうか。
「…フム。どちらとも苦手なタイプって訳じゃないけど、2人とも多分好意を持ってないんだろうな…。」
ちょっと鬱になりかけながら思案していると、これからクラスメイトになるであろう1人の女子が声を掛けてきた。
「あやややや、貴方、この学園で唯一の男子様じゃないですか。
…あぁ、私は清く正しい射命丸 文(しゃめいまる あや)と申します。以後お見知りおきを。」
とまぁ、気さくに自己紹介を始めた。
「あ、貴方!!抜け駆けは、卑怯なのではなくて!!
…まぁ、いいですわ。私は「はいはーい!!私の名前はガネーシャだよー!!よろしくね、お兄ちゃん!!」何で私の自己紹介の名前の邪魔しますの!?」
エート…まぁ、この2人の他にも、オークの4姉妹、ロリっ娘8人衆など全員から自己紹介を受けた。
…8人目からあんまり覚えてないけど。
そんなこんなで時間が過ぎ、担任らしき先生が入ってきた。
「は〜い、みんな〜。『学園の園』への入学おめでと〜♪
一応知っているとは思うけど、この学校には男子が1人しか居ませ〜ん♪
だから、その1人の男の子は私、6尾狐の美鈴(めいりん)先生が貰っちゃうので、みんな残念だったね〜♪」
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