ここは、とある大通りのとある何でも屋である。店は、特別大きいと言う訳では無いが、要所要所に金の装飾が施されており、全体的に見ると今は古き木造建築の雰囲気を残した道具屋である。
「お〜いアンタ〜、そこの棚が品薄になってきてるから、補充しといて〜。あ、あとそれ終わったら、今度はレジ頼むね〜。」
ここの店は夫婦で営んでいるが、アルバイトなんかは一切雇わない。何故なら店主曰く、『素人には、ここの品を頼むわけにはいかない。』だそうだ。と言っても、此処の店主は夫の方ではない。どちらかと言えば、妻の方が店主なのである。妻と言っても人間では無く、まもっ娘なのだが。
「…はぁ〜、ようやく仕分け終わった〜。…ここ最近は、客が多くて困ったね〜。まぁ、閑古鳥が鳴くよりかは良いけどさ。」
妻の名前は、松野 狢(まつの むじな)外見は少女であるが、これでも結婚してから、5年目である。さらに狢自身、着痩せするタイプでこれでもバストは98pだったりする。外見は狸の耳に尻尾と、まぁ要するに刑部狸というまもっ娘なのである。ただ、今が夏だからなのか、袖の部分を外しており、ノースリーブの状態だから、横から大きな胸が見えてしまうのである。その度に、『エッチ』だの『見るな』だの言っているが狢自身もまんざらではない様子である。
「さぁ〜て、午前中の作業が済んだらお昼にでもしますかね。アンタ〜、あと少しで昼だから、頑張ってね〜!!ちなみに今日のお昼は『ウチの特製、狸うどん』だから!!」
午前中の仕事が終わって、昼が来た。今は狢がお手製うどんを料理している所である。…であるのだが、キッチンと部屋が一体となっている為、下手をすれば着物の中が見えてしまうのである。幸いにも、尻尾で隠れている。…まぁ、時たま揺れてちょっとだけ見えてしまうのは仕方のない事だが。
「はぁい、『ウチの特製、狸うどん』できたよ〜。って、何で私の服見てるの?っは、まさか、ウ、ウチのパンツ見たね!?見たんでしょ!?…う〜、迂闊だった〜。夜に一緒に寝るとき『昨日新しいパンツ買ったんだけどさ、こういうの、どうかな?』何て、言おうと思ったのに〜。あぅ〜、最悪ぅ〜。…え、私に似合ってるし、可愛いだって?エヘヘ、アンタにそう言って貰えると嬉しいな…ありがと
hearts;」
ちなみに、狢が見せようと思っていたのは、黄緑色で横を結んで落ちない様にするタイプ…即ち『紐パン』と呼ばれるパンツであった。勿論狢は、今日初めてこの『紐パン』を履いたのである。しかし、上は何も着けてはいない。狢曰く『この暑い中そんな締め付けられのは蒸れてイヤ!!』だそうだ。
狢は、自分のパンツが似合ってると言われて、さっきまで少々下がり気味だったテンションが上がってきたのか、いつもの調子に戻っていた。
「さ、冷めない内に早く食べよ?…どう、美味しい?…美味しいって?うわぁ、良かった〜。これで美味しく無かったら、どうしようかと思ったよ〜。エヘヘ、冗談冗談。…早くこれ食べて、午後からの仕事ガンバろ?午後からは魔物のお客がよく来るから。」
狢夫婦が経営している店『珍道屋』は、午前と午後で品が丸っきり違ってくる。午前中は、主に人間を客とした『表の商売』。午後からは、まもっ娘を相手とする『裏の商売』である。最も、狢にとって表も裏も関係無いのだが。
午後になって、店の品が一気に変えられてから店が開いた。午後からは、『ホルスタウロスの牛乳』、『バフォメット特製媚薬』、珍しい物で『人魚の血』など、まもっ娘と人間の夫婦の為の品が置かれている。
「はい、いらっしゃい!!ご希望の品はどんな物で?…『アルラウネの蜜』ですか?コレなんか、どうでしょう。今朝アルラウネ夫妻の農場から採れたばっかりの物なんですよ!!…へい、まいど!!だけど、1度に大量に使わないで下さいね?…何故って、歯止めが効かなくなるから。…ありがとう御座いました!!今後とも、『珍道屋』をご贔屓に〜!!
いらっしゃい!!…え、彼氏が早漏だから何とか出来ないかって?そんな人の為にこれ、『ホルスタウロスの牛乳』を使ってみて!!どんな早漏でも30分は確実に持つよ!!…使い方はそのまま飲むだけ!!…ありがとう御座います!!今後ともご贔屓に〜!!
はい!!ご注文は……。」
と、午前中よりも多い上に人間の夏バテ防止の薬を買うために客が殺到したため、凄く忙しかった。
その夜、就寝前に狢が部屋に入ってきていきなり服を脱ぎだしたかと思うと、そのまま布団に入ってきた。
というのも、そもそもこの家には布団は1つしか無い。加えて、夫婦であるから狢は裸を見られたとしても、全く気にならないのである。
「アンタ、今日もお疲れ様。…いやぁ、今日も店は大繁盛だったね〜。今日も儲かった儲かった。これも、アンタのおかげ
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