〜あらすじ〜
前回、あまあま小豆抹茶スパを協力者ミマーと共に完食した私。
だがそのダメージは思いの外大きかったのだった……!
〜あらすじ終了〜
「……うう……」
仕方なく一時帰宅した家のベッドでゴロゴロと転がる私。別にただだらけているわけじゃない。なにせ、今まで生きてきて何度かあった、体調不良――初めてホビロンを目にし、口にした翌日のようなそれが、今、まさに今到来している……!
「……うう、食欲湧かない……」
原因は分かっている。あまあま小豆抹茶スパだ。あの強烈すぎて色々な意味で何も言えないインパクトに物理的に負けたのだ。寧ろあれは勝たなくていいものか。ともあれそれを食べる際に肉体と精神に負荷を掛けすぎた所為か、一日経っても何も食べたく無い状態が続いている。
「……こりゃ不味いわよ」
私達の三大欲求の内で二番目に大事な食欲が減衰してたら、人生ならぬリリム生の二割強くらい損するじゃない。因みに五割はマグワイ、ですが何か。
まだ見ぬお姉様や顔も知らぬ妹から見舞いの手紙が届くのは御免よ。だって二言目には『お店や ら な い か ?』って来るもん絶対来るもん!
とっととこの体調不良治さねば!と言うかカムバックマイグラトニー!
っとそんな悩ましき昼下がり、ふと鞄の中に入れていたビラが目に入った。あぁ、前にマリィベルがジパングに呼ばれたとか言っていて、貰ったっけ……。
ちょっと手にとって眺めてみるとするか。
「ふむふむ……何々……?『狐路』?で、五穀米の稲荷……場所は……宵ノ宮か……」
宵ノ宮って確か……あぁ、そういえばオブギョウさんが黒稲荷だとか料理長さんが言っていたかしら。ふむ……。
「……いっちょ行ってみっか」
もしかしたら食べることで体調が良くなるかもしれないし。寧ろ栄養がなければ体調不良は治らないし。
……取り敢えず、まずはジパングの座標を聞きに行きますか……ハンスの所に。そういつもの調子で転移ゲートを開いた――瞬間。
「……あ……」
忘れてた。この時間はまず間違いなくハンスはスタンバってるんだった……。
開いた瞬間、その境界すら一気にこじ開けるかのように大量のふかふかふあふあした尻尾が溢れ出し、一時的に家に帰っていた私の全身を、さながらスキュラのだいしゅきホールドの如く、或いは高い魔力を持ったピクシーが行う全身マラプレイ時の陰唇の如く私を一気に包み込み、抵抗も出来ないまま有無を言わさず中へと引きずり込み――!
「ぬかったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
――彼女達のMGWIの間、魔法少女マジカル☆ばふぉめっとの変身シーンをお楽しみ下さい――
「出たわねっ、ミーシーゴ!貴女達にお兄ちゃんは渡さないんだからっ!」
見得を切りつつ彼女は胸に着けた五芒星のペンダントを手に取り、頭上に掲げた。銀色のペンダントが光を纏い、徐々に輝きを強めていく。ペンダントを構成していた銀色の光が、溢れ出しているかのよう……!
「――変身っ!」
ペンダントが手を離れ宙に浮くのと同時に、少女は叫ぶ。するとペンダントの光は瞳を灼くほどに強くなり、同時に少女を囲うほど巨大化する!
足下にも同一の五芒星が現れ、頭上のそれと逆方向に回転していく。そのまま五つの線が光で満ち、周囲の円枠が光に縁取られた次の瞬間、彼女の姿を隠すように上下の五芒星が光を上下に放つ!
光の中、地面から数十センチ浮かび上がった少女の足下から五芒星がせり上がっていく。中心に出来た星形の空間に少女の体が通るに従い、彼女の体が光に包まれ、輪郭が別の物に変化していく。そして頭上の五芒星と重なると――彼女を覆う光が一気に弾けた!
清楚な赤い靴を履いていた足は美しさと強さを兼ね備えた、蹄を持つ山羊の足に変化し、ハイソックスの足はふさふさとした茶色の毛で覆われている。
学校指定のブレザーはそのまま背ではためくマントに変化し、肩口から背をふわりと隠す。その背からは流線型の特殊な紋様が描かれ、肩胛骨に二瘤が接するハートマークが描かれる。
そのハートマークから新たな光のリボンが現れ、胸元と腰回り、そこから胴体部分や二の腕までを一気に覆っていく。光が弾けると、その場所にはマントの色とコントラストを為す、どこか生地が薄めなイブニングドレスを身に纏っていた。
腕もまた脚と同じような柔らかな毛が生え、手は指の数はそのままに何処か猫科を思わせるそれに変わる。肉球が、弾力を感じさせるようにばん、と現れる。
どこかいとけなさを感じる顔。その甘みに程良く混じる渋み――アイシャドウを付けられた二重瞼を開くと、そこには全てを受容する黒目の中に、山羊を思わせる横長の瞳が見えた。そのまま彼女は頭上の魔法陣に向けて魔法陣の中に手を突っ込むと、頭上と尾てい骨から光が放出され、捻れてはいるが純粋
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