『ヴァルハラ杯』

「第9321回、『ヴァルハラ杯』、はっじまっるよ〜♪」
「「キャ〜〜〜〜〜〜〜♪♪」」

「……ヴぁるはら?」

地面の扉の下は、また別の海となっていた。それも、涙ではなく正真正銘の海。潮風がほんのりと心地よい、媚薬効果が一切混ざっていない海である。
彼女を乗せた貝は、どんぶらこどんぶらこと海の上を漂い……何処か妙な離島に辿り着いて、片側を開いた。
さながら人魚姫とでも比喩すべき貝の演出を、しかし誰も見ては居なかった。アリスは当時夢の中だったし、島に居た存在は全て、島の中心部の高台にいる――九本の尻尾を生やした妖狐に目がいっていたからだ。
「……んんう……?」
目をこしこしと擦りながら、倒れていた状態から乙女座りになるアリスの見た景色は……何というか、先程と違いすぎて何も言えない状況だった。
追求すべきは島の形。中央の高台を除いて、辺りは全て柔らかそうな砂場だった。しかも満潮になったら恐らく沈むことは間違いないだろう平地。それがそれなりに広範囲に続いていた。
いや、それよりも居る存在自体が異常だった。
「あれは……つみぶくろさん?」
片方、この島の人口の50%を誇るのは、ネクタイと靴下と、頭を覆う『罪』と書かれた袋以外は何も身につけていない、猥褻物陳列罪も良いところの男性だった。彼らは間に入れた女性と手を繋いで、中央の高台にいる妖狐を眺めている。
そしてもう片方、『つみぶくろさん』とアリスが認識した変態の隣にいるのは……アリスの記憶が正しければ、デルフィニウムの従業員の人たちだった。ただし……メインの彼女達の姿はない。無論アリスの姿もない。
サキュバスを中心に、ピクシー、アルラウネ、ダークエルフ、河童、ギルタブリル、アマゾネス、レッドスライム……様々な種族の魔物が、『つみぶくろさん』と手を繋ぎ、同じように高台を眺めている。
そして高台に、胸に顔を埋めて露骨に息を吸う『つみぶくろさん』と一緒にいた、衆目を集める妖狐は――。

「はろ〜えぶりわぁぁん♪」

「……ハンスさん……の、そっくりさん」
どう見てもヤる気満々のオーナーです本当に有り難う御座いました。
これから何が起こるのか、実は何も分かっていないアリスをよそに、ハンスのそっくりさんは早々に『つみぶくろさん』を押し倒しつつ、『ヴァルハラ杯』と呼ばれる何かのルールを説明し始めた。
「みんな知ってるとは思うけど一応言うわね♪このヴァルハラ杯で競うもの……それは貴女達がどれだけ罪袋さん達を気持ちよくしてぇ……んぁっ……自分も気持ちよくなれるかを、楽しくも甘い一時の中で……んぁああっ♪……競うの♪
終了は……わ・た・し、ターブマンがぁ……みんなイき終わったって確認してからね♪」
ルール解説しながら、ハンスのそっくりさん――ターブマンが『つみぶくろさん』――罪袋に対して腰を打ち付けつつ捻りを加えている。彼女の動きに合わせて――いや、その刺激を増加させるように、罪袋も自らの腕でターブマンの体を引き寄せ、その汗だくの腹をたぎる想いと共にぶつけ、己の剛直で体を抉るように貫いていた。
その発言がスタートの合図になったのか、周りの魔物娘や罪袋達は思い思いの行動でまぐわいを始めていた。
「ふぁあっ!お、おっき……♪」
「俺の股間がトランザム!これはまだホンの序章だ!」
「らぁ、らめぇぇっ♪はっ激しすぎりゅよぉぉっ♪」
口ではそう叫びつつ、白井ほわほわした毛と翼が特徴的なレッサーサキュバスは、ターブマンとは真逆の姿勢で、罪袋による強烈な求愛の挿入を受け入れていた。変化の過渡期である彼女の膣は、貪欲に精を取り込むように蠕動し、みっちりと柔らかい肉の厚みによって密着しながらも、より奥に招かせるようにうねり、蠢いている。
本能的に弱点を刺激する彼女の膣肉に、罪袋が剛直はさらにその太さと硬さ、大きさを増し、やわやわと包み込んでいたはずの彼女の膣を子宮を、内側から押し広げていく。
「俺のマイサンは第百八形態まであるぞ!」
そんなに変化してどうする。
そんなナレーションのツッコミは兎も角、さらに大きくなった罪袋のペニスによる引き裂かれるような刺激が、彼女の何かのスイッチを入れてしまったらしい。
「――ひぃああっ♪あぁああ♪あぁ♪あぁあああああ♪」
最早言語もままならないままに、狂ったように腰を打ち付ける彼女。自らの体の事を度外視しているようなその動きだが、そこまで大事に至っていないのは恐らく魔物の体と本能と、罪袋による軌道調整だろう。
ぱつんっ!ぱつんっ!盛大に皮膚と皮膚、肌と肌、肉体と肉体が打ち合う音が奏でられる。その中で彼女の尻は『の』の字を幾度も描き、挿入の瞬間に膣肉を締め付け、幾千の襞に罪袋の逸物を絡め、子宮までもを用いて彼を受け入れていた。
「うぉおおおおおおおおおおおっ!」
一方の罪袋も、まるで強
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