『MOON』
狂わせたのは、月の魔力
狂わされた、己の運命
叫ぶ声は草木を震わせ
弱き者共に恐怖を植え付ける
鋭き爪は衣服を裂き
未熟な刃を容易に手折る
駆ける脚は風と同化し
幾尺の距離を瞬き縮める
強者は驕り、弱者は恐れる
故に、真意を知るものはなし
叫ぶ声に
憂いを秘めていることを
振るう爪より
受ける手を欲していたこと
駆ける脚でも
帰れぬ場所があることを
誰も、誰も知らない
狂わせたのは、月の魔力
狂わされた、己の運命
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