『Vampire』

空の棺に、汚れ無き砂を
せめての存在の証として

朽ちた紙に色づけられた
赤黒い丸はそのままに

愛しい思いのままに
舌を這わせることで
意識を保ち続けるけれど

恋慕は尽きない
銀の傷の如く痛み
杭打ちの如く熱い

また呪われた朝が来る
それとも
呪われたのは私か

吸血鬼は水を嫌う
それは己の涙とて、例外ではない

嫌うのにどうして
外にでてしまうのだろう
10/05/22 11:24更新 / 初ヶ瀬マキナ
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