親魔物と反魔物の思想の中立であるスルネイ派の拠点で
魔物と人が生き住まう商業都市 ゴールドラッシュにて各思想派の司祭が集結している。
金髪でふくよかな体つきをした中年男性の 親魔物のトローテ派のスクルド司祭
白髪で細身の体をした老人 反魔物のグルヌワ派のメルドア司祭
武術家で老人とは思えないほどの引き締まった肉体を持つ男性
反魔物・殲滅のハドゥー派のグワンド司祭がテーブルに向かって座っている。
静寂とした空間の中 ドアの開く音と共に
今回の会議を仕切る事になった この地ゴールドラッシュの教会のスルネイ派
黒髪で中性的な顔と体つきのした男性 ネマーが入室する。
「少し資料の準備で時間をかけてしまいまして
長らくお待たせしてしまいました。」と謝罪と共に頭を下げる。
メルドア司祭は「たった1分遅れただけであろう 誰も気にしてはいない。」
と頭を下げるネマーに頭を上げさせるように促す。
「やはり商業都市なだけあって 時間にはうるさいのですか?」
とスクルド司祭は尋ねる。 ネマー司祭はその質問に答える。
「まあその・・・ 1分を商売にする人もいますので
仲介や治療などで迅速な対応が求められますね。」
この答えを横から聞いたグワンド司祭は険しい顔で呟く。
「神聖なる教会を金儲けに使うとはネマー司祭も落ちぶれた物ですな。」
この呟きにネマー司祭は反論をしようとすると 顔を横に伏せてスクルド司祭が呟く。
「じゃあその金を稼がざえるを得ないほどのお金を食い潰しているのは
どちら様でしょうな?」と皮肉めいて。当然その呟きに立ちあがり
「何を言うか!その言葉はメルドア司祭に返えさせて貰いますぞ!
聞く所によれば悪の象徴ともいえるバフォメットやヴァンパイアにドラゴン!
そんな上位魔物と怪しげな実験を行っていると言うがまさか
人類を裏切ろうとしているのでは――――。」と喋る途中で「話は後にしなされ!」と
メルドア司祭は熱くなろうとしていた場の空気を断ち切らせる。
「確かに言いたい事は山ほどあるだろうが まずは今回の話し合いを終えてからの方が
お金も時間も無駄に浪費をしないと思うぞ。」冷静に場を落ち着かせる。
「・・・・コホン。 では 今回の各支部の報告を――――。」
1時間の報告と数時間程度の会議の末 今回の集まりは終わる。
それぞれの司祭たちは陰険な顔をして場を後にする、ネマー司祭以外を除いて。
異なる思想を持つ彼らの胸の内に秘める思いとは―――。
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