不思議の国クエストー寄り道ホワイトミストー

 草原に一本走る道をゆく途中、奇妙なものが見えた。

 遠目に見たところ草むらから生える白い饅頭のような何か…妙に興味を惹かれ、近づいてみる。
 おそらく巨大な茸か何かだろうとは思う。この世界に来てすぐ、身の丈を超えるような巨大なそれを見つけたことを思い出した。確か元の世界で見た茸図鑑に、白いボールのような形をした珍しい種類のものがあったはずだ。


………、


……、


…。




「えぇぇ………」

「おやこれはいいところに。そこな方、少しばかり助けてはくれまいか?」

 果たしてそこには、一人の少女が仰向けに倒れていた。




 ……身の丈以上に膨張した、自身の乳房に押し潰されながら。



――――――――――――――。







「一体何があったんですか…」
「いやー、少し前にとある勝負に敗れてしまってね。これはそのペナルティみたいなものかな。あはは。」
 僅かに桃色がかった白く艶やかな髪…それに覆われた頭から、大きく丸い耳を生やす少女。この世界に来てから聞いた知識によればドーマウスという種族だったように思う。まるで身動きの出来ない状態であるにも関わらず、さも大したことではないかのように彼女は宣った。

「まぁ、ここじゃあ稀によくある事だからね。それにこれでなかなか寝心地がいいんだよこの身体。」
「さ、さいですか……」

 ドーマウスとはよく寝る種族だそうだ。しかし自分の身体の一部を掛布団にしてでも寝るというのは中々に気合が入っている。



「それで私に何をしろと?言っときますけど貴女をどこかへ運べと言われても無理ですからね?」

 今の彼女の体重はその体積から推定するに数百キロに達しているだろう。現代日本で力仕事とは無縁の生活をしてきた自分にとっては、明らかに荷が勝ちすぎていた。

「いやいや、流石にそんな無茶を頼む気は無いよ。もっと簡単な事なのだよ。」

 そう言うと彼女は一度身体に力を入れ、起き上がろうとするような動作をする。しかしのしかかる柔肉はまるで持ち上がらず、その身をぶるりと震わせるのみであった。

「見ての通りぼくの手はこの肉塊の下だ。」
「はい。」
「で、ぼくの身体をこんなんにした攻撃の副作用か追加効果か何か知らないけど、妙に胸の先が疼くんだ。」
「はぁ。」
「でも手が届かないので…」
「ので。」
「代わりに揉んで欲しい。」
「ふええ!?」

 思わず変な声が出た。

「先ほどはああ言ったが、最近はこの疼きのせいで14時間くらいしか寝ていられないんだよ。これを鎮めない事にはそのうち満足に眠ることも出来なくなってしまうだろう。ああなんと恐ろしい、これは種族的アイデンティティの危機だ。…という訳なので頼むよ、先っちょだけでいいから。どうかぼくの上質な睡眠の為に!」

 そう懇願する少女の眼は真剣だった。
 睡眠に対する意識が高すぎる。…というか寝過ぎだろ。起きた後頭痛くなるわ。

「…いいじゃないか。減るものでもなし。」
「私の理性と正気度が減りそうなんですが……わかりましたやりますよ。」
「わーい。」

 意を決してそびえる双丘の前に立つ。
 改めて非現実的な光景だった。それの高さは自分の腰よりも少し高いくらい。手を伸ばしその先端に触れようとすれば膝が柔肉にややめり込む。

「うっ……」

 その感触に意識を取られ手が止まった。

「早く早くー。あ、届かなかったら抱きついてもいいよ?」
「いやそれは…」

 やめておきたかった。
 一応膝を少し埋めれば手は届く。しかしその膝に感じる感触が問題だ。大きさからして割と固そうに見えるそれは、しかし悪魔的な柔らかさで触れた個所を包み込む。触れた個所から力を吸い取られるかのような脱力感が拡がり、気を抜けば膝から崩れ落ちそうになる。もしこれに抱きつき埋もれてしまえば、二度と起き上がれなくなるような気がした。

 膝に力を入れ直し、再び手を伸ばす。真っ白な服に包まれたそれは、しっかりと形で位置を主張していた。本体に合わせてミカン程の大きさまで肥大したそこに掌を合わせ、握り込む。

「ひゃっ…!?」

 ドーマウスが声を上げたため、反射的に手を離した。

「ああ…ごめん。続けて続けて?」
「あ、ああ…うん。」

 再度手を伸ばし、恐る恐る握り…

「ふぅっ…!!そう、そのまましばらく揉み続けて…」

 意を決し、強くその突起を揉みしだいた。

「あ
#733;ぁ
#733;〜〜」

 可憐でありつつもどこか知的な雰囲気を漂わせていた彼女の表情が、崩れる。
 思わず手を止めそうになるが、しばらくそのまま続けろと言われたのを思い出し指を動かし続けた。独特の硬さと柔らかさを併せ持つその突起がぐにぐにと形を変える。

「ほああぁぁぁ〜!きもちいい〜〜」

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