「ヒャッハー、汚物は消毒だぜー!」
「風を送って火力120%でお送りしておりまーす」
「ちょっとあんた達やりすぎ!。いつも消化することになる私の身にもなってよね。あんたも土塁作りしっかりね」
「うん、ばっちりだよ〜。これでいいよねー、マスター」
「うんうん、オッケーオッケー、バッチリよ。えらいえらい」
「おい、マスター、俺も褒めてくれよ!」
「僕も、僕も〜」
「わっ、私だって褒められてあげてもいいんだからね」
「はいはい、みんなお利口お利口」
火を吹くイグニスに、その火に風を送って強化するシルフ。
彼女たちをハラハラしながら見つめるウンディーネに、のんびりと土塁を維持するノーム。
マスターであるダークマターがそれをにこやかに見つめていた。
いつも本ばっかり書いていたら体が鈍っちゃうものね。それにこうすればお金も稼げるし、男の人だって見つけられるかもしれない。
ダークマターは自分の目論見ににやけてしまう。
「お、あのマスターのダークマターさん美人だな〜」
「俺も使役されて〜。掃除洗濯、夜のお供も何なりとお申し付けくださいませ」
「でも、あの人と付き合うことになったら、あのちびっ子達も付いてくるんだよな。一気に5人も養うとか俺、無理だな」
「というか、あの人の子供だったりして」
「マジかー、4人も子持ちとか萎えるわ〜」
好き勝手に話す男どもの声がダークマターの耳に届く。
私はまだ処女ですっ!。それに男だったら、今は厳しくとも全員養ってやるという甲斐性くらい持ちなさい!
ダークマターはおもむろに指先をその男性たちに向けて、イグニスに目配せする。
イグニスはその視線を受けて獰猛に笑う。
そして、その炎が男性たちに向かう。
「あっつぅぅぅぅ!?」
「何すんだー!」
男性たちの悲鳴が上がった。
◆
「「あ」」
ばったり出くわしてしまった妖狐と刑部狸。
「やなやつに会うてしもたわ」
踵を返す刑部狸とその尾を掴む妖狐。
「捕まえたぜ。ルゥ〜パァ〜ン」
「とっつぁ〜ん。って、誰がルパンかい!」
刑部狸は妖狐の手を振りほどく。
「ふざけんのも大概にしいや。あんさん、うちを捕まえるゆうても理由もなんもあらへんやろ」
「そうね。こんなにふさふさふわふわの尻尾は目の前にあると言うのに、つづみちゃんってばそっちの尻尾は出してくれないのだもの」
「やめい」
わきわきと手を動かす妖狐から刑部狸は尻尾を隠す。
「ねえ、次は何を企んでるの?」
「企んどるとは人聞きの悪い。いくらあんさんがICPOやからって、むやみにウチのことを疑うのはやめてんか?」
「ふーん」
刑部狸をじろじろと見る妖狐。
「ま、いいわ。今日はお祭りだし。賭博会場は潰せたしね」
意味ありげな視線で妖狐が刑部狸を見る。
「ほうか。悪いやつもおるもんやなぁ」
刑部狸は妖狐にバレないようにほぞを噛む。
「お前なんかと一緒におったら、景気が悪うなってまうわ。ほな、さいなら」
刑部狸は妖狐から離れようとするが、妖狐はその背中に声を投げかける。
「あ、そうそう。なーんか海の向こうのフェアリー・ファミリーの一つが近々来日するみたいなんだけど、何か知らない?、隠神組の親分さん」
刑部狸は妖狐の言葉に足を止める。
「知らん。それにそないなことこんなカタギの場で言うない。ウチはもう足洗たんや」
やから、余計な詮索はすなや。顔を傾け妖狐を見る刑部狸の目は細く狭められ、眼鏡の奥からは鋭い眼光が光っていた。
妖狐は刑部狸の後ろ姿をおとなしく見送った。
「あれは、絶対何かあるわね。隠神つづみちゃん。今度こそ尻尾をつかんでシコシコしてやるんだから。でも。うぅ〜、トイレトイレ。あの目を見てたら夏でも肝が冷えちゃったわ」
妖狐はいそいそとトイレに向かうのだった。
◆
「一枚が二枚、二枚が四枚、四枚が八枚、…」
袴姿のリザードマンが見事な刀さばきで紙を細かくしていく。
「この刀の切れ味ならば、こう!」
刀の切れなくした部分で腕を切って血糊が飛ぶ。
観客からは悲鳴が飛んだ。
「でも大丈夫、このサンドウォームの粘液なら」
リザードマンの言葉に隣の地面からサンドウォームが現れてその口が、くぱぁと開く。そこから口からは溢れ出した粘液がリザードマンの頭から被せられる。
「ちょっと、多っ。わぁぁぁ!」
粘液でぬとぬとになったリザードマンの服が溶け出した。
「うおおおおおおおお!」
衣装が溶けてさらしとふんどし姿になるリザードマンを見て観客からは興奮した声が上がる。
「きゃあああああああ!」
リザードマンはさらしもふんどしも溶かし始めた粘液に、体を隠しながら小屋に逃げ込んでいってしまった。
「俺は買うぜ。いくらだ?」
「私もちょうだい。プレイの幅が広がりそう」
「ありがとうございます〜。それでは順番に並んで
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