「う〜といれといれ…」
今、トイレを求めて全力疾走している妾はサバトに通うごく一般的なバフォメット。
強いて違う所をあげれば魔法少女をしてるって事かナー。
名前はエルザ。
―そんなわけで帰り道にある公園のトイレにやって来たのじゃ。
ふと見ると公園のベンチに一人の若い男が座っていた。
―ウホッ!良い男じゃぁ…♪
そう思っていると突然、その男は妾の前でツナギのホックを外しはじめたのだ…!!
「や ら な い か 」
「っ!!」
その言葉と同時に良い男の身体がゾワリと膨れ上がる。まるで蛹が蝶へと変態するようにぱっくりとその背が割れていく。そして中から現れたのはテラテラと怪しい光を放つ幾本もの触手。小さな子供の手首くらいの大きさを持つそれらはウネウネと蠢きながら、こちらへと近づいてくる。
「ロリコン獣じゃと…っ!!」
それは妾にとっては見慣れた光景であった。何せそれは妾が魔法少女として戦う最もオーソドックスな敵――ロリコン獣であったのだから。敵の主力であり、最も量産されている彼らを妾は何十人と倒してきた。
―でも…まさかこんな所で出会うだなんて…っ!!
昼下がりの公園にはチラホラと人がいるのが見える。その中には勿論、ロリコン獣の大好物である小さな女の子も数多くいるのだ。幸い、皆はこちらに意識を向けてはおらず、平和な公園に突如として現れたロリコン獣にも気付いていない。だが、それはパニックにならなっていないのと同時に、被害が拡大する恐れがあるという事だ。
―くっ…!どうするべきじゃ…っ!?
変身さえしていればこんなロリコン獣など幾らでも倒すことが出来る。しかし、この公園にはまだ数多くの人々が残っているのだ。下手に背を向ければ、身体能力で優れるロリコン獣に捕まってしまうかもしれない。そうなっては一巻の終わりだ。これまで妾が見てきたように小さなアソコも小振りなお尻も膨らみかけた胸までもロリコン獣の精液塗れにされてしまうだろう。
―それは…それは嫌じゃ…っ!
ロリコン獣によって身も心も蕩けさせられ、元の精神に戻らなくなってしまった犠牲者たち。それを今まで間近で見てきてしまっているが故に妾の足はその場で止まってしまう。
―じゃが、それが決定的な隙となってしまった。
妾が判断を迷わせている間に、男の変態はさらに進んでいく。膨れ上がった背中からだけではなく、その腕や足までも触手の塊へと変貌しているのだ。今のロリコン獣はかつての良い男の面影はなく、触手で出来た人型の化け物と化している。見慣れたロリコン獣の姿は既に臨戦態勢へと移行していた。何時でも妾を襲う準備が出来ている。そんなロリコン獣の姿に妾の小さな身体は竦んで動くことが出来なかった。
「きゃああああああああああっ!!」
瞬間、平和な昼下がりの公園に絹を裂いたような鋭い悲鳴が響き渡る。それを知覚した瞬間、竦んでいた妾の足が一気に軽くなった。もう手の届くほどにまで近づいていた触手の群れから距離を取り、大きく深呼吸する。
―そうじゃ…!妾がやらないで誰がやるというのじゃ…!!
ロリコン獣に対抗できるのは魔法少女のみ。警察や軍隊がどれだけ集まろうとも魔法的な力で護られているロリコン獣には傷一つつけられない。そして、この公園には幸いな事に魔法少女が一人いるのだ。その幸運を活かせずして魔法少女を名乗る資格はないだろう。
「皆、逃げるのじゃっ!!」
距離をとって叫んだ妾の言葉を皮切りに蜘蛛の子を散らすように人々が逃げていく。それを視界の端で捉えながら、妾はミニスカートのポケットから小さなコンパクトを取り出す。同時に横のボタンを押せば、ぱかりとそれが開いた。きらりと光を受けて光った鏡を自分の顔へと向けながら、妾は魔法少女へと変身する為の呪文を唱える。
「ロリータ・ロリコン・ぺドフィリアーっ!!」
高らかに宣言された呪文に応えて、コンパクトから一気に虹色の光が溢れ出す。何処か暖かなその光は一瞬で妾の姿を包みこんでいった。瞬間、ふわりと浮き上がる感覚と共に妾の身体から衣服が消え去っていく。後に残るのは虹色のリボンのような光だけ。野外で衣服の感覚が消えるという何処か背徳的な感覚を感じた瞬間、妾を包み込んでいた虹色の光が魔法少女の衣装へと変わっていく。
身体中を包み込んでいた虹色の光は胴体の部分へと集まり、身体にフィットした薄紅色の服へと変わる。少女らしいなだらかな身体のラインを強調するそれは「すくーる水着」と言うものが近いかもしれない。だが、決定的に違うのは腰の部分から白色のフリルがぱっと広がり、まるでスカートのように広がっている事だ。フリルであるので半ば透
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