ある部屋の一室。
「ダーリン…そろそろ…」
私とダーリンは一緒のベッドで夜を過ごしてる。もう…限界。
「添い寝したばかりなのに…ヤレヤレ、君は早いな」
優しく言って、ダーリンは私の上を覆い被さる様に移動して私の服のボタンを外す。
私もお返しに、彼の服を脱がす。
素肌を露わにした私達はお互いの肌を密着させて擦り合わせる。
「ふぁ…ダメ。焦らさないでぇ…」
甘い快感に我慢できなくなって私は彼のを求めて…。
そして……
「わぁーーーーーー!!?」
そこで現実に戻された。超イイトコまでいってたのにぃ。
「あのね!!君が僕に取り憑いているのは許してるよ。だけど寝てるのにここまで君の妄想が頭に流れ込んでたら寝れないよ!」
ダーリンは怒って私に文句を言う。
だけど元々が優しい顔だからそんな事言われてもちっとも怖くない。
「そんなこと言わないでぇダーリィ〜ン。私、アナタがいないと生きていけないの〜」
私はダーリンに抱きついた。でも私はゴースト…実体化できない私の体は貫通するだけ。このまま暖かい感覚を感じたいのにそれができない…。
「わかってるよ。君は好きでそんな風になってる訳じゃあないんだろ?でも、流石にこんな風に妄想を流すのはよしてよ」
ダーリンは優しい…こんな私でも許してくれる。
そして…このまま触れ合ってお互いを感じ合ってレッツ!!ベッド IN!
「あー!?もうやめて!!それ以上君の妄想には付き合えないよ」
もう…私の妄想ってそんなにエロイのかなぁ?
私は美那御 麗(ミナミ レイ)…どういう訳かわからないけどいつの間にゴーストになってた可憐な女の子。
この人はマイスウィートダーリンの高上 明(タカガミ アキラ)…顔はカワイイ系で声も男にしては高い。器量よし、勉強もできて家事もこなせる万能彼氏。
私達が住んでるところは少し高級なマンション。ダーリンの両親は結構仕事が成功しててお金持ち。両親から離れて自分で生活してみたいからここで暮らしてるみたい…でもそれは私と二人きりになるためだって分かってるんだから。
「変な妄想してないで…もう朝か。学校は休みだしもうちょっと寝たいけど…」
そして娘さんを僕にくださいでダメだったら愛の逃避行になるの。君がいれば何もいらないって言って寒い冬の中で暖め合ってetc etc
「これじゃあ寝れないよ…それに今は夏だし…」
ため息をしてダーリンはベッドから出る。もう出ちゃうの?これからだったのにぃ。
ダーリンは今、キッチンでホットケーキを作ってる…エプロン姿がカワイイ♪
「まず、牛乳を入れてかき混ぜて…」
料理を作ってるときに調理法を呟くのが彼の癖。
「かき混ぜるの!?私のおm」
「間違っても君のじゃないから安心してよ」
期待が混じった私の言葉をいつも遮ってくる。どうしてそんなことするんだろう?
私みたいなゴーストは強制的に意思疎通ができるみたいだけどそんな事したくない。ヤッパリ相手の気持ちってのはその人だけの物だし…それを想像するのも楽しいし♪
「とか言ってる割には君の気持ちとか妄想が僕の方に流れてくるんだけどね」
「だって、私の気持ちも何もかもアナタのものだもん」
でも、普段はそんな事してないんだよってアイコンタクトをしながら伝える。やれやれ…とため息をついて焼きあがったホットケーキを皿に移して机に乗せる。
机の上には半分で切り分けられたホットケーキがある…向かい合ってるダーリンと私の方に半分ずつ。
「もう一ヶ月ぐらい続いてるけど……別にそこまでしなくていいのに」
お供え物みたいにご飯の時は半分を私にくれる…その後結局は自分で食べるのに意味は無いと思う。
「いいのいいの…いくら霊でも一緒に住んでる人なんだから何かしたいよ」
精が欲しいんだけどなぁって小声で言ってみたけどヤッパリ聞こえてない。
私はフォークを動かす…と言っても物理的にじゃなくて魔法で。一ヶ月も一緒にいたおかげで魔法が使えるようになったの。ポルターガイストって言うのかな?
「ハイ、ダ〜リン。アーーン♪」
私は蜜が付けられたホットケーキをフォークで刺して彼の口に持っていく。
「私の蜜がたっぷりかけられたホットケーキ。よく味わってねぇ」
「蜂蜜でしょ?」
バッサリと切り捨てられる…すっごく悲しい。しかも何か変な事言ったかな?って顔してる…ソッチの知識はあるのにこういう時に限って伝わらない。
無理矢理ダーリンの口にホットケーキを突っ込ませて冷蔵庫にある牛乳瓶をポルターガイストで取り出して、思いっきりそれも口の中にぶち込んだ。
乙女心を踏みにじった罰よ…。
「ブッハ!?何でこんなことするんだよ!?」
勢い良く押し込みすぎたからバランスを崩して倒れながら牛乳を噴き出した
あ、牛乳を口からぶちまけて丁度いい感じに服に付着してる…マンガのカラーページに
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