旦那様の朝は…モーニングティーから始まる……
のだけど…
「ひゃわわわわ!!ふきこぼれぇ!え〜とぉえ〜とぉ、あっつつつつつ!!」
私はここでメイドをやっている、セリアと申します。
現在、旦那様のモーニングティーのためにこの火魔法搭載ポットでお湯を沸かしているのですが…いかんせん古いもので扱いが難しく…
「あつい!!あついですぅ!!」
ガコンッ!
そんな風に動き回ってきたからポットを倒しちゃって…
倒れた私に沸かしたばかりのお湯が…お湯…が…
「ひぎゃああああああああああああああああああああ!!?」
またやってしまいました……
いつもこうなんです。お湯を沸かそうとすれば毎日のように零して、掃除をしようとすれば窓ガラスを割ってしまったり旦那様が大切にしている植物園を荒らしてしまったり…
コカトリスですから、腕が羽なので不器用なのも仕方ないのですが…
で、でも…おなじ腕が羽でも器用な娘もいたし……
「…一体何の騒ぎ?…ってありゃりゃ…またやったのかい…セリア…」
「だ、旦那様……うう、はい……」
旦那様が起きてしまいました。まだ二十代半ばという好青年ぐらいですが気品…それ以上に優しさを漂わせています…
また間に合わなかった…旦那様の起床時間は午前7時…
この時間のために私は5時に起きて準備をしていたのに……
茶葉ををばら撒いてしまい…転んでティーカップを割り、火魔法搭載のポットが誤作動を起こして爆発して、淹れ直そうとしたらまた茶葉を……そんな感じで二時間…
「旦那さまぁ…ごめんなさい……またモーニングティーを淹れることができませんでしたぁ…」
情けない…それよりも、旦那様の前でまた失態をして…恥ずかしい…
「いいよいいよ…それより、火傷とかないかい?僕としては、そんなお茶よりも君が怪我をしていないかの方が重要なんだけど…」
それにここまで心配させて…もう…涙が……
「怪我なんてありませーーーーん!!うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」
私はそのまま逃げてしまいました……
「うう…ひっく…」
恥ずかしい…情けない……私が旦那様に御仕えして何年が経つでしょうか…?
この屋敷には私の他には旦那様と度々ここに来られては一時期滞在したりするバフォメット様しかおりません…なので私がこの屋敷(といっても結構小さめだったり…)の掃除を全て任せられているというのに…
「旦那様の迷惑に……」
「なんじゃオヌシ?なにを泣いておる?」
「はわぁ!!?」
裏庭の倉庫の中で泣いていた私を見つけたのは、魔王軍の将軍クラスの地位を持ちながらも遊んでばかりいて、なぜかこの屋敷に泊まるバフォメットのクラリス様…実年齢七百十n
「12歳じゃが…オヌシ…なにか余計なこと考えておるのかの…」
「な、なにも思ってません!!!!」
心を文章化して読むのが特技らしいです…
「まあよい……どうせオヌシのことじゃから、またあやつの前で失態を犯してここで泣いておるのじゃろう?」
「あう…はい……そうです…」
な〜んじゃ…と溜息をつかれました…
いいですよ…どうせ私なんて……蔑まれてもいい存在なんですから…
どうせ…私……なんて…
「おわっ!?な、泣くでない!!それではワシが悪者みたいではないか!」
「えぐ…だってぇ……私…ひぐ…旦那様の迷惑ばかりかけて……それに…」
昔の旦那様の言葉を思い出す…
人も魔物も関係ないよ…僕達はこの世界に生きるヒトだよ…
とても良い言葉です。魔物さんとしての誇りを持っている方にはすみませんが…
そして、旦那様はその言葉通り…
「うむうむ…わかるぞ…妾も4〜5才の頃…つまり士官学校時代にはあやつと同期じゃったからのう…
4〜5歳…つまり7〜8年前……ということは七百n
「オヌシ………どうやら死にたいようじゃの……」
「い、いえいえいえいえいえ!!別に幼なすぎるからやっぱりすっごい長生きなんだぁとかそんなこと思ってないです!」
「……………」
「あ、あの〜…その鎌は一体…?」
あ、そ…それよりも旦那様とクラリス様が士官学校って…?そうだ!話題を変えれb
「問答無用!!!」
「キャーーーーーーーーーーーーーー!!!」
また私は逃げています………
「ク……心を読んでも追いつかん…なんたる足の速さ…そして身のこなし…」
奇跡的に、私はクラリス様の鎌を避けています…恐いです!恐いです!
「ひぃぃぃぃん!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
「謝りながら避けるでない!……ドラゴンでもかわせずに受け止めようとする一撃を……!」
そ、そんなこといわれてもぉ!!
「………フフフ♪このまま鬼ごっこと洒落込もうではな
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