食休み〜2〜

「でね!でね!フランたらもう、すっごいのよ!私の足を掴んでぇ、乱暴に何度も何度も、はぁ〜
#9829;」
「そ、そうなんだぁ。は、はは…、はぁ。」
「………。」<カチャカチャ
 どんよりとした厚い紫の雲に覆われた魔界の昼前。
 人間にとってはこれ以上ないほど気を滅入らせる不吉な天気だが、魔物にとってはこれ以上ないほどのお茶会日和である。
 シャルロットとロゼ、それと遊びに来ていたマンドラゴラのアリシアは、身体に染み渡る魔力の空気と柔らかく包み込むような太陽の魔光を楽しむため、庭の一角にテーブルを出し、ハーブティーとケーキを楽しんでいた。
 あの社根会の夜から約2週間。今日はゴルドも執事長も公務で出払って居ない。メイド達と奥方であるシャルロット、友達のアリシアしか居ない完全な女子会モードである。
「そうなのよ!でね!でね!量もすごいのよ!見て、私のお腹!はぅ〜
#9829;この染み込む感じがたまらないのよ〜
#9829;」
 見れば、確かにアリシアの腹は大きく膨れ、臨月の妊婦の様になっていた。
「あはは、す、すごいねぇ〜。」
 言葉では驚いてみせたが、シャルロットにとってはこれくらいはほぼ毎日の出来事なので、内心ではあまり驚いてはいなかった。
 むしろ、その膨れた子宮をゴルドのあの馬の様なちんぽでさらにかき混ぜられ、腹の上から子宮の形が分かる程にボコボコにされたことがあるシャルロットにとって、「それで満足できるのかしら?」と逆に心配してしまう程度のものでしかなかった。
 そんな不満そうな雰囲気が態度に混じったのだろう。大した驚きも見せないシャルロットにアリシアは敏感に反応した。
 もちろん、こう言う態度で返されることは予測済みである。
 アリシアは含み笑いを見せるとシャルロットの耳に顔を近づけ、一言つぶやいた。
「実はね…、できちゃったの
#9829;」
「えっ!うそッ!?」
 思わず身体を引いてしまったシャルロットは、改めてアリシアのお腹を見直す。
 幼い10代の身体に不釣合なほど膨れた腹、その下で肥大の原因になっている子宮。その中に命が宿っているかと思うと宝石の様な輝きと神々しさを感じられた。
「ほぇぇぇ〜、あかちゃん、ここに…。」
「お医者さんが言うにはねぇ、種で産まれてくるんだって。それでね、すっごく気持ちいいんだって!!」
 マンドラゴラにとって親子関係と言うものは実感のあるものではない。産まれた種は少しの間、母親に抱かれて放浪した後、成長に適した土壌に埋められ、それ以来、顔を合わすこともない。
 つまり、大地が乳母なのだ。
 もちろん、アリシアもシャルロットも実の母を知らない。
 しかし、二人はそのことに悲観したことはない。
 産み落とされるまでにお腹の中で感じた母の愛と大地から受けた溢れる栄養と魔力のおかげで寂しさも飢えもなかったからだ。
 二人は本能で知っているのだ。自分達には母が二人も居たことを。
 まじまじと見つめていると、アリシアの腹が急にぶるぶると震え始めた。
 驚いたシャルロットは再び身を引いてしまっていた。
「う、動いた!?」
「あ
#9829;ん///種でも動くんだって、でも、ンアッ
#9829;この子、動きすぎで、いうっ!」
<ゴロ、ゴロゴロゴロ
「お、おぉ〜…。」
「フフ、元気なお嬢様ですこと。」<カチャ
 顔のニヤケが止まらないアリシアと驚きっぱなしのシャルロットの前にハーブティーが置かれた。
 独特の真緑色をした液体からは、爽やかで上品な香りに混じる少しの苦味が感じられ、二人の興味を惹き付けるには十分な効果を発揮した。
「ありがとう、えと、ロゼ…さん。」
「フフ、まだ慣れませんか?奥様はコンデ家の奥様なのですから召使風情、呼び捨てにして頂いても構いませんのに。」
 奥様と呼ばれたのが余程恥ずかしいのか、それとも居心地か悪いのか。シャルロットは出されたティーカップを両手に持つと顔を隠す様に口を付けた。
「そんな///奥様だなんて///えへへ///」
「いいわよねぇ〜、若奥様って響き〜。って何これ苦ッ!これがハーブティー!?」
「抹茶と言うジパングのハーブティーで御座います、アリシア様。ケーキなどの甘いものを食べた後に飲むとバランスが取れていいですよ。」
「へぇ〜、もぐもぐ、コクコク、あ、確かにいいかも〜♪」
「健康にもいいですし、オススメですよ♪」
「でも、あの、ロゼさんも忙しいのに付合わせちゃって、そのごめんなさい。」
「あら?なぜそう思われるのですか?心外ですわ。私はメイドの身分なのにお茶の席に招待されて楽しんでいるというのに。」
「だって、その、ロゼさんも子供が出来たばかりだって言うし。」
「ああ、そのことですか?フフ、奥様、あちらをご覧下さい。」
「ふぇ?」
 言われるがままにロゼの触
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