ここはとある魔界にある港町「アクアフォース」という賑やかなところだ。
俺こと修十・アッシフォードまたはシューという人間だ。
俺はこの町にあるギルドで働いている者でもある。
「シューよちょっと来ておくれッ!!」
「おや、どうかしたの?」
今はギルドの窓を雑巾で磨いていると突然ギルドの長であるバフォメットのリザリア・レンベールという名前のバフォメットが手招きをしながら掲示板の方を指さしていた。
俺は首を傾げてリザリアさんの元へと向かった。
「この依頼を受けてはくれぬかの?」
「んッ、どれどれ?」
リザリアさんが掲示板のクエストを一枚手に取ってから俺に差し出してきた。
その依頼内容を見てから俺は苦笑いを浮かべる。
「……何で俺がこれを?」
「お主だけではないぞ?ヴァンとセツにも頼もうと思ってな」
「分かったよ。ちょっと聞いてみる」
俺はギルドにある階段を上って二階へと足を運んだ。
二階では確かヴァンがセツと一緒に武器の整備をしていたはずだ。
俺は二階にある道場を覗いた。
「……んッ?」
「……わふッ?」
「……あッ」
道場に顔をのぞかせた瞬間に目の前にはヴァンとセツが居た。
しかし、ここで問題が発生したのだ。
彼女たちは道場で生着替えをしていました。
しかもTシャツをたくし上げている。
「……シューのスケベ」
「くぅ〜んッ、シューのエッチ」
「いや待って、これは不可抗力だ……うぎゃあああああッ!!」
俺は飛んでくるナイフや斬撃を交わしながら急いで一階へと逃げ出した。
何だか彼女らは道場ではこういった羞恥心を持つようになったのだという。
これを夜の時にも持っていてほしいものである。
「……相変わらず騒がしいの?」
「えぇ、本当ですね?」
俺が道場の中でヴァンとセツから逃げ回っている最中、リザリアさんとシリアさんはテーブルの上にティーセットを置いて紅茶を楽しんでいたのだという。
そんな騒動の中を何者かがギルドの扉を開けて中に入ってきた。
「すみません、ここがアクアフォースのギルドですか?」
「そうじゃがお主らは何者じゃ?」
「あぁ、申しくれました……俺の名前はベルン・トリニティと言います」
「……ふむッ、と言うことはお主がリクラトスとやらの学校の生徒かの?」
「はい、シュートさんはいませんか?」
そう言ってリザリアさんは俺たちが争っている二階の方へと指さした。
それと同時に俺が階段を転げ落ちると言う何とも無残な姿でベルンと会うことになったのだ。
「いててッ、まったくまさか魔法弾を撃ち込んでくるやつがある……か……」
「あのぉ……大丈夫ですか?」
「気にしないでくれ……いつものことだからさ?」
俺はそのまま何もなかったのように立ち上がる。
そして、俺は目の前の青年の顔を見てみた。
「俺の顔に何かついているんですか?」
「あぁ……目つきが怖いな?」
「……気にしないでください」
目の前の青年が何だか肩をぐったりさせながら俺に言った。
俺は何か悪いことをしたのだろうか?
「お、オホンッ!!……それじゃあ、依頼内容を確認したいから移動しよう」
「はい、わかりました。では俺の仲間が近くの喫茶店に居ますので行きましょう」
「あぁ、わかった。おっとッ、自己紹介が遅れたね……シュート・アッシフォードだ」
「ベルン・トリニティです」
そう言って自己紹介をした後に俺とベルンは微笑みつつ握手をした。
この青年むっちゃ良い子やないかい…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そして喫茶店に向かった俺とベルンは向かった。
喫茶店のテラスには数人の青年たちが一つのテーブルを囲むかのように座っていた。
「遅いぜベルン、待ちくたびれたぜ?」
「あぁ、わるいなロック……講師を連れてきたぞ?」
「……そこの男の人?」
何だかベルゼブブの嬢ちゃんが俺を指さしながら言ってきた。
俺はテーブルに手をついてから微笑む。
「俺の名前はシュート・アッシフォードって名前だ。気軽にシューさんとでも呼んでくれ」
『は、はぁ……』
まぁ、そう言う反応をしますよね?
俺は目の前の青年たちを見まわした。
ベルゼブブは良いとしよう、そのベルゼブブの隣に座っているメドゥーサの女子はどこかで見たことのある目つきをしていた。
「何処かで見たことのある目つきをしているメドゥーサだな」
「そ、そうですか?」
「あぁ、確か……冒険者のお嫁さんだったかな?」
俺の一言により周囲の空気が硬直した。
首を傾げてながら聞いてみることにした。
「何か俺変なことを言ったかな?」
「い、いや……続きを聞いても良いですか?」
「あぁ、その冒険者は確か本を出版してたりする有名な人でな?そのお嫁さんがヴァンとセツを見るに
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