現在俺たちは森の近くにある大きな街に来ている。
この街の名前は「スカイフォード」という新魔領だ。
名産物はやっぱり何と言ってもドワーフとサイクロプスが営む鍛冶屋が評判がいいのだ。
「わふぅ〜ッ♪」
「おいおいヴァン、あんまりはしゃぎすぎるなよ?」
「分かってるよぉ〜」
俺は目の前で尻尾を千切れんばかりに振って燥いでいるヴァンに苦笑い交じりに言った。
彼女は本当に分かっているのだろうか?
「……まるで子供」
「まぁ、そう言うセツだってワクワクしてるようで何よりです」
「……〜ッ///」
俺が言った言葉にセツはそっぽを向いてしまった。
いやだって、何だか彼女の頭の上にある触覚がピクピクしていたんだよ。
「わふぅ〜ッ、イタッ!!」
『……。』
何てセツと話しているとヴァンが何故か転んでいた。
それも、ダイレクトに石に躓いていた。
「……グスンッ……」
「あぁ〜ッ、大丈夫かヴァン?」
「……う、うん」
「何処か痛いところは無いか?」
俺は彼女に手を差し伸べた、ヴァンは俺の手を掴んでから立ち上がり俺の胸元に顔を埋めた。
時々小刻みに震えているヴァンのあたまを撫でてから微笑んだ。
「ちょっとッ、近くの喫茶店で休憩しようか」
「……それが良い」
「……うん、グスンッ」
そうと決まれば真っ先に歩いて三分ぐらいある喫茶店に向かった。
俺の右腕を小さな力で抱き着いているヴァンが何だか可愛いんです。
喫茶店に到着した俺たちはテラスにあるテーブルを囲うように座ってから参院にっ所に『ふぅ〜ッ』と一息漏らした。
「何を食べたい?」
『シューのナニを食べたい』
「……ブッタギルゾ?」
『ごめんなさい』
俺が聞いたことを軽く間違えているおのアホどもに俺の殺気を浴びせた。
彼女らは、俺が怒ると怖いことを知っているので即座に謝ってきた。
俺は殺気を押さえてからメニュー表を開いて何を頼もうか選び始める。
「何が食べたいものは無いかな?」
「シューに任せるよ」
「……抹茶アイス善哉」
「ういうい、りょーかいッ♪」
そう言って俺はテーブルにあるベルを二度鳴らしてから店員を呼んだ。
店の奥からアリスが出てきてこっちに向かってきた。
「いらっしゃいませ、何を注文するの?」
「アイスコーヒーを二つに抹茶アイス善哉を一つね?」
「はい、えぇ〜とッ……アイスコーヒーを二つ、抹茶アイス善哉を一つだよね?」
「うん、それでお願いね?」
「はぁ〜いッ♪」
アリスの店員は微笑みながら店の奥へと消えた。
俺もあんな子供が欲しいものだね?
「しゅぅ〜……?」
「……ロリコン」
「一遍地獄を見せてやろうかお前ら?」
『……謹んでお断りします』
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
暫くして喫茶店からでた俺たちは女性専門の衣服売場へと向かった。
この街は様々な店が並んでいて、何より種類が豊富だ。
俺たちは衣服売場の中に入ってから彼女らに衣服を探させた。
「うぅ〜んッ、これ何てどう?」
「……悪くは無い」
「うん、でもさぁ〜……僕の服とかって基本的にタンクトップが主なんだよね?」
「……大丈夫だ、問題ない」
うん、こういう風景はなんとも微笑ましい光景だね。
まるで姉妹かのように話し合っている彼女たち。
森でも「姉妹みたいだね?」と言われることが多々ある。
「暫くは選んでおいてくれ。俺はちょっと先に欲しいもの見てくるからさ?」
「わふぅ〜ッ、わかったよぉ〜」
「……いってらっしゃい」
俺は彼女らに背を向けて歩き出そうとしたら両頬に何かひんやりとした感触がした。
間違いなく彼女らが俺の両頬にキスをしたのだろうと思ってから二人の方を見た。
「えへへ〜ッ♪」
「……ふふッ♪」
うん、俺は本当に幸せなんだと思えた。
近くに居た者たちがこっちの方を見てニヤニヤしていたのは無視しておこう。
それから暫くして俺は雑貨店に向かった。
「ミサキさん居るかい?」
「ちょっと待っておくれシュー」
俺は雑貨店の前で声をかけると店の中からだらしなく出てきたものが居た。
この雑貨店の店長であるドワーフのミサキさんだ。
「御久しぶりですね?」
「あぁ、暫く見ないうちに立派になったね」
「いえいえ、ミサキさんの方がご立派です」
「おだてても何も出んぞ?」
などと日常的な会話をした後、俺は彼女の耳元でこう言った。
「例のあれは無いですか?」
「あぁ、あるよ?それが欲しいのか」
「えぇ、後はバーベキューセットもおひとつ」
「あいよ、ちょっと待っておくれ」
そう言ってミサキさんは店の奥へと引っ込んでいった。
暫くして待っているとミサキさんが小さな紙袋を持って俺の元まで戻ってきた。
「ほいッ、ビーチボール。バーベキューセットは三日後
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