彼女との休日の過ごし方

冬も終わりを告げようとしている三月初めのお昼時。
俺は家で一人、テレビを見ながらソファで寛いでいた。
何もすることもない休日だ。
暇を潰そうにも何をしようか悩んでいると日が暮れそうだった。

「そろそろ、帰ってくるかな?」

俺はリビングの壁に設置されている掛け時計を見ながら微笑んだ。
誰が帰ってくるのかはもうそろそろわかるだろう。
暫くすると玄関の扉が開く音がした。

「ただいま〜ッ!!」

リビングの戸を勢いよくあけて笑顔で俺の求めとジャンプしてきた。
彼女の名前は地子(ちこ)と言う名前のジャイアントアントだ。
地子は俺と会うまでは一人で古びたアパートで暮らしていた。
彼女は俺と暮らす前は土木をしながら生活をしていた。
俺はそんな頑張り屋の彼女に一目ぼれをしてからお互いに良い職に就いた。
俺は不動産会社に勤めていて彼女は引越し屋に努めている。

「ねぇ〜ッ、疲れたからマッサージしてよぉ〜」
「疲れているようには見えないけどな」
「良いじゃんか……あッ、そっか〜♪」

彼女は俺を見ながらにやりと何かを思いついたようだ。

「やっぱりッ、気になっているんだねぇ〜」
「な、何がだよ?」
「私のこ・れ・♪」

地子は俺の眼の前で自分の両乳房を持ち上げてから上下に揺さぶった。
俺は彼女の突拍子の行動を目の前にして顔を真っ赤にした。
地子は微笑みながら円を描くかのように乳房を回す。

「あははッ、やっぱりエッチだねぇ〜♪」
「う、五月蝿いな。俺はそういった行為には弱いのを地子も知ってるだろ?」
「うん、だからやってる」

此処に確信犯が居た。
地子は俺に覆いかぶさるかのように跨ってきた。
彼女のアリのような下半身の拘束により行動は限られてしまった。
俺は彼女の顔を見ながら目を左右に動かす。

「お前、俺に何を求めているんだよ」
「良いじゃん、何だって……どうせ私の香りとか貴方には通用しないんだしさ?」

彼女は俺を見ながらつまんなさそうに唇を尖らせた。
それもその筈だ。
何せ、俺にはジャイアントアント特有の誘惑フェロモンが何故か効かないのだ。
俺はつまんなさそうにしている彼女を見つつ苦笑いを浮かべた。

「あ、あぁ、そうだが……それとこれは別だ」
「うんうん、貴方ならそう言うと思ったよ」

何度か頷いた彼女は、突如俺に抱きついてきた。
地子は地子で俺の胸板に頬を擦っていた。
俺は彼女の背中に腕をまわして静かに抱きしめる。

「あぁ〜ッ、貴方の腕の中で眠るのも良いかもぉ〜♪」
「勘弁してくれ。これでも疲れているんだからさ?」
「それじゃあ、マッサージをしようか?でも、最初は私からだからねぇ?」
「あぁ、わかったよ」
「ふふふッ、有難うね♪」

彼女は俺の頬にキスをしてから離れたので立ち上がる。
俺が立ち上がった後に彼女はソファにうつ伏せの状態で寝そべった。
アリのような下半身はぺたんとなっていた。

「それじゃあ、始めるぞ?」
「うぅ〜んッ、お願いします」

彼女はソファに置かれている虜の果実を模したクッションに顎を乗せてからそれを抱きしめた。
俺は彼女の着ている灰色のタンクトップの上に両手の親指を乗せる。
その後に親指に力を入れてから強く彼女の背中を押してゆく。

「……んッ
#9829;」
「おぉ、だいぶ凝ってるな?」
「うぅ〜んッ……いつも荷物をトラックに積めたりしてるからねぇ」
「そう言えばそうだったな?」

彼女の仕事内容は仕事先の専用の大型トラックに段ボールに詰められた搬送先の荷物を摘むのを朝の九時から夕方の五時まで続けるのだ。
その為彼女はこうやってからいつもマッサージを強請(ねだ)ってくるのだ。
俺がマッサージが上手いことを知っているのもあるのだろう。

「しかしさッ、こんなに凝りができる位の仕事をいつもやるのは大変だろ?」
「そんなことないよぉ〜?……貴方と一緒に暮らすためのお金を稼ぐと思えばねぇ〜?」

彼女は少し頬を染めながら横目でこちらを見てきた。
俺は彼女の言葉に嬉しさと恥ずかしさを抱いた。

「あ、ありがとう……俺も頑張るよ」
「うん、頑張ってねぇ〜♪」

地子は嬉しそうにしながらクッションに顔を埋めながら言ってきた。
俺は彼女の肩に両手を添えてから優しく揉んでいく。

「おぉ、ここも随分と凝ってますよ?」
「う、うんッ、頑張ってる証拠だよ」
「そうですな……それじゃあ、此処とかは?」
「あッ、そこ……気持ちいぃ〜♪」

俺は彼女の腰部分を両手の親指で揉んでゆく。
彼女は幸せそうな顔で微笑んでいた。

「もう良いよ、次は私がしてやるから寝て?」
「あぁ、お願いするよ」
「うん、任せてね♪」

彼女がソファから離れたので俺はソファに横になった。
地子は微笑みながらガッツポーズをとってから俺の腰に手を伸ばした。

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