現時刻は午後の八時ごろ。
俺は現在倉庫である作業をしている
できる範囲のバイクのメンテナンスをしているのだ。
だけれども驚いたことがあった。
バイクの全パーツが全てサイクロプスが作り上げた代物だったのだ。
「エンジンもタイヤも……どれもサイクロプス製じゃないか……」
タイヤはサイクロプス製の万能タイヤで安価で手に入るのだが入手するのには難しいものだった。
他のパーツもどれも入手困難な代物でもあった。
脩也さんの友人のサイクロプスには感謝しないといけないな。
そんな中、俺がバイクのメンテナンスをしていると後ろから声をかけられた。
「雄介さん?」
「あれ、メイスどうかした?」
「いえ、外は寒いのでココアを持ってきました」
その声の主はメイスだった。
彼女の手の中には湯気が立っているカップを二つ持っている。
「はい、ホットココアです」
「ありがとうメイス。頂くよ」
「はい、どうぞ召し上がってください」
メイスがくれたホットココアが入ったカップを俺に一つ差し出す。
俺はそれを受け取り一口ずつ飲んでいく。
「隣に座っても良いですか?」
「あぁ、良いぞ?」
俺が倉庫入り口で座っているとメイスが隣に座ってきた。
近くで見る彼女の顔はまだ幼さが残る。
しかしだ、青い瞳に金色のショートの髪が彼女を美しく見せていた。
ココアが入ったカップを握っている手は細くスラッとした綺麗な指。
そして、白いワンピースも似合っている。
「……んッ?どうかしましたか?」
「いやいや、何でも無い」
彼女は俺の視線に気づいたのだろう俺の方に微笑みながら首を傾げてみてきた。
俺は、そっぽを向いてからココアを飲む。
「本当ですか?」
「あぁ、本当だから……顔が近いぞ?」
「あッ、すみません」
メイスは俺から少し離れてからココアを飲む。
しかし、俺は彼女の唇を見てみることにした。
彼女の唇は、とても綺麗で彼女らしい唇だった。
「あぁ、そう言えば……」
「んぅ、何?」
「今晩は大事な話があるって脩也さんが言ってましたよね?」
「あぁ、言ってたね?」
「何なんでしょうか?」
「さぁ、俺にもさっぱり分からないな?おまけに小雪さんも居ないみたいだ」
バイクのメンテナンスを終えた俺はメイスと一緒に家の中に入ってゆく。
その後で、手洗いとうがいを済ませてからリビングにあるソファに寛ぐ。
後で手洗いとうがいを済ませたメイスがリビングにやって来てから炬燵に足を入れる。
「あぁ〜ッ、……暖かい……」
「天界には炬燵ってのはあるのか?」
「いいえ、このようなものは天界にはありませんでした」
「そうなのか?」
「はい、天界は太陽に近いので暖かいんです」
天界のことを話す彼女の笑顔は可愛かった。
俺の鼓動が激しさを増していた。
すると、玄関の方から「ただいまー」と声が聞こえた。
玄関に向かうと、脩也さんと小雪さんが靴を脱いでいた。
「二人ともお帰りなさい」
「はい、ただいま」
「お帰りなさいませ」
「うん、ただいま雄介君」
脩也さんと小雪さんが玄関にあがる。
そして、脩也さんが俺とメイスを交互に見て微笑む。
「今から話があるからリビングに来てくれ」
「はい、わかりました」
脩也さんに言われて俺はリビングへと向かう。
そして、リビングにいたメイスを含めて四人で炬燵を囲む。
それから、脩也さんが頬杖をついてから言った。
「メイスちゃんが我が家に来て三日立ったよね?」
「はい、そうですね?」
脩也さんは微笑みながら話す。
そんなメイスは首を傾げながら脩也さんを見ている。
「明日はメイスちゃんの歓迎パーティーをするから開けといてくれ」
「……えッ??そんな、悪いですよ?」
「いやいや、新しい家族を迎えるのにはこれが一番と思って小雪と話していたんだ」
「そうですよメイスちゃん?貴女は私と脩也さんの新しい家族になるのだから遠慮はしないでね?」
脩也さんと小雪さんが微笑みながらメイスに言う。
そんなメイスは両手を前に出してから遠慮している。
「そうだぞメイス?脩也さんは一度決めたことは必ず実行するんだ。だから諦めたが良いぞ」
「そうですか。でしたら……お言葉に甘えさせてもらいますね?」
「良し決まりだね。それじゃあ、明日は朝の九時に出かけるから早く寝なさい」
脩也さんに言われて俺とメイスはそれぞれの寝室に向かった。
〜暫く待ち下さい・・・〜
午前七時ごろに俺は目を覚ましベットから降りて寝間着から私服に着替える。
部屋を出てから階段を降りるとダイニングから声が聞こえた。
俺はダイニングを覗くとそこにはワンピースの上にエプロンを着けたメイスと黒いへそだしルックの黒い長袖のシャツに青い短パンの小雪さんが朝ご飯を作っていた。
「ここをこうですか?」
「そうそう、
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