ep.3「彼女の心に残りし存在」

とある森の中を一台のバギーが走る。
バギーのエンジン音で周囲の生物は驚いたり珍しがったりなどしながらバギーを見つめる。
そして、その中にはバギーを運転するシュウと助手席にはマンティスの『ユキノ』が乗っておりその後部座席にはフォーリアが乗っていた。
三人は今、マームから走らせて三十分のところにある村に向かっている。

「フォーリアはどうしてる?」
「…熟睡してる」
「まったく…魔界蟲の被害報告があったものだから領主に頼まれた仕事なのにな?」
「…でも、良いんじゃない?」

そうして、バックミラーに映るフォーリアの寝顔を見てからシュウは微笑む。
それからアクセルを深く踏み込んでからバギーの速度を上げる。
暫くしてから魔界蟲の被害があった村に到着する。
因みに魔界虫と魔界蟲は違うものである。
前回でフォーリアが倒したローラーは魔界虫の類に入る。
そして今回の倒す相手は魔界蟲という魔界虫より厄介な存在である。

「…これは酷い」
「あぁ、反魔領だったようだな?魔界蟲は人肉を主食にするからもってこいだろう」
「…ふぁ〜…その魔界蟲は何ですか?」
「あぁ、『パラサイト』だ」
「…寄生型魔界蟲ね?」
「パラサイト…良くわかりませんが頑張ります」
「あぁ、期待しているよ」
「はいッ!!」

大声で返事をしつつ敬礼をシュウに向けて行うフォーリアをユキノが見つめる。
ユキノはシュウと同じくスノー・ヘルの副長でもある。
二人は元々現代人でもあるがそこは後に話そう。

「…うぅ…助けてくれ…」
「ッ!?シュウさん人ですよッ!!」
「…あぁ」
「…。」

フォーリアが近くの壊れた民家の瓦礫の下敷きになっている男性の元に近づこうとしているところシュウは黒いグローブを手に付けて、ユキノが両手首にある鎌を構える。
それからフォーリアが男性に近づいてから様子を見る。

「大丈夫ですか?」
「…魔物…何しにきた…」
「今は静かにしてください」
「リック…逃げろ…」
「…リック?」

それを聞こうとフォーリアが尋ねる前に男は口から血を吐いてから息を引き取る。
それからフォーリアは何処からくる殺気を感じてからリボルバーをホルスターから引き抜いてから周囲を見渡す。

「お出ましのようだな?」
「…大丈夫?」
「大丈夫だ、俺にはお前とフォーリアが居る」
「来ますッ!!」

瓦礫の中から多くの人が現れるが両手が何かの触手のようになっており背中からはパラサイトの顔らしきものがでている。
それを察した三人はバラバラになってから三十は居るだろうパラサイトを片づけようとする。

「…邪魔」

一瞬で相手の足元まで向かってからパラサイトを亡き者にしていく。
それと同時に赤い雨が雪のに降り注ぐ。
彼女の別名は『赤き蟷螂』などと教団に呼ばれたりしているらしい。
それからシュウはパラサイトの顔面を掴み上げてから砕く。
それから周囲のパラサイトを袖の中から出ているワイヤーに繋がれたナイフを振り回してパラサイトの首をはねていく。
シュウの足元には真っ赤に染まった地面がある。
彼も『血塗らし』と教団に呼ばれているが彼はそれを好まないらしい。

「…すごい、でも…負けてられないッ!!」

目の前のパラサイトの胴に向けて回転蹴りをしてから後ろにいたパラサイトに弾丸を撃ち込み二体の首を木端微塵に吹き飛ばす。
それを冷たい目線で見るフォーリアはジャンプして回転しつつ弾丸の雨をパラサイトに打ち込んでいき、着地と同時に一瞬にして弾丸を補充する。
するとパラサイトたちが膨らんでゆき破裂する。
その血肉が地面に落ち、フォーリアの顔を血で染めてゆく。
それを見ていたシュウとユキノはそんなフォーリアの姿を見てから何か考え事をする。

―――――――――
暫くお待ちください
―――――――――
それからマームに帰りついてからシュウはフォードに報告書を出しに向かったに向かったのでやることが無くなったフォーリアとユキノはシャワー室に向かった。
二人はシャワールームに向かってから着ていた衣服を縫いでいきフォーリアはユキノの胸を見てからため息を漏らす。

「xそこは種族でそうなっているのだから仕方ないんじゃない?」
「うぐッ、痛いところを付きますね?」

それから個室にあるシャワールームでフォーリアは自分についた血を洗い流している最中である。

「…血なまぐさい…はぁ、仕方ないのかな…」
「それは仕方ない…だってそう言う仕事なんだから」
「ユキノさん…?」

隣のシャワー室にはユキノさんがシャワーを浴びている。
ユキノは自分の鎌を何処からか取り出した砥石で自分の鎌を磨いてゆく。
周囲にはシャワーの音と砥石で何かを研ぐ音が響き渡る。

「ここにはもう慣れた?」
「いいえ、まだ慣れないです…」
「…そう言えば…貴女はどうして変
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