太陽が大地を照らすお昼時、俺は、軽トラックに乗せてある弁当を取りに行こうとした時のことだ。
あぁ。自己紹介がまだだった、俺の名前は「畑家 修(はたけ おさむ)」。
そして、俺にできた出来事を話すと…―
「何か、足にものすごいごっつい何かがくっつい取るッ!?」
俺は、足にくっついている物凄くごつごつして、土の感触、大きな手に掴まれているのだ。
それも、某ゲームのゴーレムみたいな腕をしている。
最近の現代ではこういった現象は日常茶飯事で魔物娘と言う存在が世間に知れ渡った。
そんなことがあったことを今更ながら思い出してみた。
「この手の持ち主は何処にいるのかな?」
俺は、周囲を見渡しながらこの手から逃れる策を考える。
しかし、それは突然やってきた。
「……。」
「……。」
俺の視界に入ってきたもの、黒いおかっぱ、大きな豆のような髪留めか分からないもの、自然を彩ったような緑の瞳、小麦色の健康そうな肌をした顔が俺の畑の中心から出ていた。
それを見た俺の一言はこうである。
「何か首が俺の畑から生えてるッ!?」
「……。」
俺が居る場所から大体二十メートルのところにその首がある。
それが何なのかは俺はけっこう調べたからわかる。
あの顔の持ち主はおそらくノームだ。
精霊種の一種で、農家の人にとっては有難い存在として拝められて親しまわれている魔物だ。
彼女が居れば、魔界産の野菜や果物は簡単に作れたり、不作に悩まされることが無くなることもある。
平たく言って、彼女らは神に等しい存在だと思われている。
しかし、今の俺にはそんなことはどうだっていいのだ。
空腹と言うものが襲ってきているので俺は、彼女に交渉を図った。
「あのぉ〜、この手を外してはくれませんかね?」
「……やだ」
おうふ、まさかの即答での返答が「嫌だ」ということだった。
俺は頬をつたる汗を首に巻いているタオルで拭い彼女と睨めっこは続く。
しかし、それは突然中断されることとなった。
『ぐぅ〜…』
俺の腹が空腹を伝える音を発したのだ。
それを聞いた彼女が首を傾ける。その脳内には恐らく「?」が思い浮かんでいるに違いない。
「お腹空いたの?」
「うん、そのためにお昼にしようと考えていたのだけど?」
「そう、それは失礼」
…あれ、何かノームのイメージが違うぞ?
彼女らは無口で無表情という特徴があるのにも関わらずに彼女は申し訳なさそうに顔(性格には食いだけなのだが…)を俯かせているのだ。
「わかってくれたのから手を離してくれますか?」
「うん、良いよ?」
彼女は、その大きな手を離してくれた。
長らく掴まれていた足が解放されたとともに俺はその場に尻もちをついた。
足元が土手で本当に良かったと思う。この炎天以下でアスファルトの上に座るのは断固として嫌だからだ。
「あぁ〜ッ、何か疲れた」
「大丈夫?何か食べたら元気になるよ」
「いや、あんたが言うなよッ!?」
「……。」
こうして俺は三十分遅れでお昼ご飯を取ることにした。
軽トラックの助手席に置いてある弁当箱を取り出して土手に座る。
弁当箱の中身は、ご飯に昨日作り残していた鳥の空揚げに自作した野菜の煮物を摘めた弁当箱を開けて箸を伸ばす。
俺は、野菜の煮物を箸でつまんで口に入れた。
ほんのりとした甘さが口の中を漂い始める。
うむ、やはり良い水で作った野菜は一味違うものだ。
「それ、美味しいの?」
「あぁ、ここの水は天然水でつくってあるからな」
「そう、それはちょっと嬉しい」
彼女は何とも言えない笑みを浮かべながら俺の隣に座る。
俺は彼女の全体を見て思わず口に含んだ水を吹き出した。
彼女は布一枚着てはいない。小麦色の肌に無駄に大きな胸が俺の視界に入った。
「どうかしたの?」
「いやいや、まずは自分の姿を見てからその言葉を言ってくれ」
彼女は自分の姿を見て、胸を持ち上げたり、綺麗な足を触ったりしながら確認する。
そして、その後、俺のこう告げたのだ。
「君は意外にエッチなんだね?」
「よしッ、一発ぶん殴る」
俺は彼女の頭に友達から教わった空手チョップで思い切って殴った。
彼女はそれを防ごうとせずに攻撃を受けたのだ。
「酷い、乙女に暴力を振るうなんて……」
「五月蝿い、まずは自分の姿をどうにかしてくれ」
「えぇ〜ッ、仕方が無いね?」
彼女はしぶしぶ、服を着ようとした。
土に手を突っ込んでから取り出したものは黒いワンピースを取り出した。
「ちょっと待って」
「……何?」
「いや、何じゃなくてだな?」
「あぁ、どうして土から黒いワンピースが出てきたかってことでしょ?」
「あぁ、そうだ是非とも教えて貰おうか?」
彼女は黒いワンピースを着ながら教えてくれたのだ。
どうやらノームたちは土を使って魔法、つまりは魔力を活用し
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