『輝き』と歪み

「ふあ〜……あ、すいません。じゃ、お願いします……え、ちょ!!なに言ってるんですか!?」

 マリちゃんは起きてから、あるところに電話をしている。だけど、途中であくびをかいてしまい相手に色々な意味でからかわれているらしい

 ……昨日、何時に寝たっけ?

 ちなみに今の時間は10時を余裕で切っていた。普通、平日でこんなに寝過ごしたら社会人としては『失格』だろう。だけど、僕の実家は基本裕福であり、僕の職業は小説家のために基本的になんとか大丈夫だ。ただし、自分で言うのもどうかと思うけど基本真面目な性格の僕にとっては心苦しい。しかし、マリちゃんの笑顔には負ける。いわゆる『惚れた弱み』だ。そして、マリちゃんは何かを言おうとしている

「もう!!ステラと言い、あなたと言いどうして、あなたたちは私をからかうんですか!!だから、あなた方は―――」
「て、ちょっとマリちゃんストップ!!」

 僕はなぜかいつの間にか彼女から受話器を奪った。いや、奪わざるをえなかった。だって、この光景を僕はどこかで見た気がしたから。そう、それは

『うわあああああああああああああああああああああん!!』

 昨日のステラさんのことを思い出したからだ。

 二度とあのような『悲劇』は起こさせない……

「あ、明さん?」

 マリちゃんは僕が突然を奪ったことに驚いたようだが、僕は相手に聞こえないようにマリちゃんを電話相手から離そうと適当に、

「ま、マリちゃん、後は僕が話すから、その、とりあえずマリちゃん……服を着よう?もし、ここでステラさんが来たら、さらに面倒なことになるよ?それに僕はその姿のマリちゃんも好きだけど、服を着ているマリちゃんも好きだから」

 と言った。だけど、はっきりと言おう。後半は本音だ……今、僕と彼女は
『全裸』だ。まあ、夫婦の営みを終えてからずっと体をお互いに抱きしめて寝ていたんだからそうなるよね。ちなみに決して、僕らは『露出狂』ではないし、普段の生活においてもそう言った『アブノーマル』な『趣味』や『習慣』はない。『変態』かと言うとそれは怪しいかな?と言うか、『人間の常識』と『魔物の常識』は違うし、少し夜の生活が激しくお互いに激しく求め合い、それを『幸福』に思うのは人間でも魔物でも愛し合う男女としては『普通』だと思う。これって僕が間違っているのかな?。まあ、僕としてはそこに『愛』があればの話だとは理解している。そして、

「あ、はい……そうですね。じゃ、服を着てきますね」

 彼女は素直に僕の言ったことを聞いて二階に向かって行った。

 しかし、僕は見逃していない……彼女の尻尾が嬉しそうに揺れていることを……

 僕は彼女が気着替えにいったことを確認してから

「ふぅ……て、アミさん!?少しは自重してくださいよ!」

 僕は電話の相手に対して、注意した

『ごめん、ごめん♪つい、茉莉てからかいたくなっちゃうのよ♪あの娘、魔物娘なのに、未だに恥ずかしがり屋だし♪そこが可愛いのよ〜、私があの娘を魔
物娘にしていたら確実に『ナイトメア』になってたわよ?』

「!?」

 僕は少し、その言葉にドキッとしてしまった

 ……ナイトメアのマリちゃん……なんというか、すごくそそられる……マリちゃんには……何と言うか……守りたくなる『オーラ』がある……だから、昨日は普段は冷静な僕でもあんなことをしてしまった……つまりはもし、マリちゃんがナイトメアになったら……ダメだ……!!普段の上目使いだけで僕は……毎度、陥落寸前なのに僕は……僕は……!!

『あらあら、マリもおもしろいけどあなたも十分、おもしろいわよ?残念ね?ふふふ……』

 どうやら、彼女は僕の状態をお見通しのようで『悪魔』のように僕をからかおうとする。だが僕は

「ふふふ……アミさん、あなたは勘違いしていますよ?」

『うん?』

 僕は不適に笑いながら反撃に出た

「茉莉はダークプリーストになったことで……『清楚』さを完全にものにしたんですよ」

『……は?』

 魔物娘の生態的に『清楚』と言う言葉が似合うかなんては分からない。しかし、魔物娘の中には『ワイト』、『龍』、『白蛇』、『ぬれおなご』、『シー・ビショップ』、『マーメイド』、『稲荷』、『ゆきおんな』などと言った『淑女』のような性格をした魔物娘がいるのも事実だ。ちなみにここに誇り高い『ヴァンパイア』と『ドラゴン』などがいないのはちょっと、彼女たちは性格が高圧的なところがあるためでありベクトルが違う気がするからだ。だが、『魔物娘』はマリちゃんを見て理解できるように『種族』で性格が決定するわけではない。『人間』だって、良い人もいれば悪い人もいる。つまりは基本的に全てをそれで決定するのは傲慢だ。性格が『好色』とされているダークプリーストなのにマリちゃ
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