「う〜ん……」
目が覚めた私は時計を見た。すると
「ん?」
『9:32』と時計は時間を示していた。私はしばらく、呆然とした。そして
「あああああああああああああああああああああああ!?」
私はそれを見てパニックに陥った。そして
「マズイ!!マズすぎる!!」
慌てて携帯電話を探し始めた
「携帯……携帯……」
と携帯電話を探すために周囲を見渡した
「あった!!」
携帯電話を手に取りすぐにアドレス帳から職場に電話をかけた
―――prpr―――
―――ドクンドクン―――
携帯の呼び出し音と共に私の心臓の鼓動も早まったと思う。と言うよりは上司が電話に出るまでかなりの緊張が走った
どうしよう……きっと、怒っているよね……
―――ガチャ―――
―――ビクッ!!―――
『瀬川さん、どうしたんだ?こんな時間に電話をかけて?』
相手が電話に出たことに私は一瞬、動揺したけど、すぐに呼吸を整えて
「すいません、課長!!無断遅刻なんてしてしまい……」
『は?』
謝罪を行った。そして、続けて私は
「大変申し訳ございません!!今からそちらに向かいます!!」
とすぐに職場に向かうことを告げると
『ちょ、ちょっと待て!!』
課長は声を荒げてきた
なんだろう……?
「はい、なんですか?」
と私が聞くと
『君は今日から三日間休暇だろう!!』
「え?」
課長はそう言った。私は一瞬呆気に取られたが
「あ」
と昨日のことを思い出した。確かに昨日、課長は私に『休暇』を促していたような気がした
『まったく、仕事熱心なのはいいが、休む時には休め……』
と課長は呆れながら言ってきた
「すいません……」
と私が言うと
『いや、別に謝らくてもいい……とりあえず、しっかりと休むこと……それが今の君にとっての『仕事』だ……まあ、君にはいつも助けてもらっているから今もうちの課は君の分まで働いてる』
―――ズキン―――
「そうですか……」
『うん、ゆっくりと休んでくれ……重ねて言うが、君はうちの課にとって大切な人材だ。絶対に無理をしないように……わかったか?』
課長は私を気遣いながら休暇のことを強調してきた
「わかりました……」
『じゃ、いい休暇を過ごすように』
「はい、ありがとうございます……」
―――ガチャ―――
私は電話を切った後に課長の
『今もうちの課は君の分まで働いてる』
と言う言葉を思い出し、胸を締め付けられた。私はその言葉が怖い。まるで自分の『存在価値』がなくなるようで
『私は妹が嫌いだ。妹の存在が私を傷つける。』
姉の日記のとある文章が私の頭の中で再生されていく。これは姉の勝手な『悪意』だ。だけど、私にとって自慢の存在であり、愛していた肉親である姉からの『存在の否定』は私を『無価値』以下の存在に思わせる
嫌だ……二度と誰にも否定なんかされたくない……誰にも拒絶なんてされたくない……誰にも必要にされなくなるなんて嫌だ……
私は自分の醜い『願望』を自覚していた。だけど、それが醜悪だと理解しながら私はそれを捨てることなんてできない
「ごめんなさい……」
再び、私はもう会うこともできない姉に謝罪した。大好きな姉に
「おはよう、マリちゃん」
「おはようございます、明(あきら)さん」
僕は自分の妻であるマリちゃんに挨拶をした。僕とマリちゃんは1か月前に偶然(?)再会し結ばれ、その後入籍したばかりだ。いわゆる世間で言う『新婚夫婦』と言ったものだ。まあ、僕とマリちゃんは世間一般の『新婚』さんとは少し違うけど、僕は非常に幸せだ
あの日から、1か月か……今、思えば僕は本当に馬鹿だったのに彼女は僕を救ってくれた……本当に僕は幸せだ……
「あの〜、明さん?」
「ん、何?」
マリちゃんは僕に恥ずかしそうに質問してきた
「今日の約束……覚えていますよね?」
と嬉しそうに質問してきた。僕はその嬉しそうな顔につられて笑いながら
「もちろんだよ、今日のデートのことだよね?」
と答えた。すると、彼女は満面の笑みで
「はい!!じゃあ、急いで準備してきます!!」
「うん、僕も朝の紅茶を淹れておくから、後で一緒に飲もうね」
彼女は嬉しそうに二階の自室へと向かって行った。僕は自分のお気に入りの紅茶である『アールグレイ』を取り出してそれを2人分予め温めていたポットに入れて、お湯を注いだ
あぁ……この待ち時間もいいな……やはり、茉莉がいるだけで―――
「はあ〜……本当、バカップルの称号がお似合いですね……あなた方は」
「!?」
僕は聞き覚えのある声が聞こえたので振り向くとそこには……黒い翼を生や
し、肌が薄
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