「近くにある中立の町に神父が来た、と?」
デュラハンは書類の置いてあるデスクから顔を上げ、聞き返した
「そう、一人だけだから戦いに来たんじゃなさそうだけど」
結構話題になっている、とDエンジェルはソファーに寝そべりながら付け加える
「ふむ・・・・どういう用事で来たんだ?」
「うん、それがね、布教だって」
「布教など珍しくも無いだろう? ましてや中立の町なんだから」
「いや、違うの、主張が面白いのよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〜中立の町〜
「で、興味半分で来てしまった訳なんだが」
「なんか面白いらしいですね、僕の所にも噂が届いてます」
そんな訳でデュラハンと副長は仲良く中立の町に来ていた
「どうせ教会の言うことなんて"魔物は敵だ"、"神の教えに従え"くらいだろうに」
「まあ・・・・僕も昔はそれくらいしか言われてませんでしたしね」
デュラハンの言葉に元勇者はそう語った
そして、そんな彼らに話しかけてくる神父がいた
「オウ、あなた方は姉弟デスカー?」
なんだか妙な訛りがある話し方の、白髪が目立つ神父だった
「(この人かな?)」
「(はい、多分) いいえ、僕たちは夫婦なんです、こっちはデュラハンで僕は人間です」
「オーゥ、そうですか・・・・・ソレデハー、あなた方に神の教えを説きまショウ」
「「はあ」」
「その昔・・・・神はこう言いマシター・・・・・」
「リア充は死ねと!!!!」
「「・・・・・・・・・・・・は?」」
二人の声は綺麗にハモった
「リア充はこの世を腐らせる悪の根源なのデース!!」
「「えー・・・・・」」
「ソシテ、魔物とはまさにリア充を生み出す悪魔なのデース!!」
「「ええー・・・・・」」
「ナノデ、この世から魔物を一掃シナケレバー・・・・」
「あなた、もしかして童貞ですか?」
デュラハンが突っ込んだ
「ンナッ・・・・!? ドドド童貞ちゃうわ!!」
「「ふーん」」
副長は通信機を手にとって連絡した
「あ、もしもし・・・・はい、○○の○○丁目に・・・・はい」
「ド、ドコニ連絡シテいるノー・・・・?」
神父がそう聞いてきたので、副長は笑顔で
「はい、"目の前に童貞がいるよ"って僕の部下に連絡を」
さわやかに死刑宣言をした
「・・・・・変な人だったな」
「変人でしたね・・・・面白かったけど」
あのあと、神父は大勢の魔物娘に胴上げされた状態で連れて行かれた
「イヤダーー!! リア充なんてナリタクナイーーーー!!」
そう叫びながら
「リア充になりたくないって叫ぶ人初めて見たぞ」
「なんか恨みでも・・・・・ってあの人童貞だったからかな?」
「まあ、今頃ヤリまくってリア充になってるだろ」
二人は笑いながら帰路についた
数日後、妙に大勢の魔物娘を連れて
親魔物説を説く神父が、現れたとか現れなかったとか
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