魔王軍、修練場
デュラハンと少年が剣を打ち合っていたーーー
「はあああああっ!!!」
ギィィィィィィィィン!!
「せええええええいっ!!!」
ガキィィィィィィン!!
「「まだまだああああああああっ!!!!!」」
「おー、流石うちのナンバー1とナンバー2
普段はアレでもやるときはやるなあー・・・・」
パリッ
煎餅を齧りながらDエンジェルはつぶやく
と、そこへバフォメットが現われた
「お、精進しとるようじゃのう? 感心感心」
「あれ? バフォ様、どうしてここに?」
「いやなに、ただの抜き打ちの視察じゃよ
うちの軍はのんびり屋が多いからの、たまには引き締めんといかん」
「ああ〜成程、ご苦労様です」
そう二人が話していると剣の音が止んだ
休憩に入ったらしい
「あ、バフォメット様、視察ですか?」
流石に大隊長には話が通っているようだ
「お久しぶりですバフォ様」
少年が汗をぬぐいながら挨拶をする
「おお、直接顔を合わせるのは久しぶりじゃの、二人とも
ちゃんと鍛錬しておるようじゃの」
バフォメットは機嫌良く笑う
「それにしても、デュラハンは昔ワシと戦った頃より随分腕を上げたと見えるな」
「いえ、まだまだです」
デュラハンは苦笑いしながら答える
あの時の惨敗っぷりは未だに彼女のトラウマなのだ
「どうじゃ? またワシとやってみんか?」
「え」
デュラハンが一瞬固まる
その後、全力で首を横に振った
「むう・・・・なら、お主はどうじゃ?」
「ぼ、僕ですか? 僕もちょっと遠慮させてもらいたいです・・・・」
少年も苦笑いしながら答える
以前、少年はデュラハンに目の前の少女の戦闘力について
怖いくらい教えられたのだ(誇張も多分に含むだろうが)
「む〜・・・・なんじゃ、つまらんのう・・・・」
眉を八の字にまげて残念がる
この少女は見た目こそ愛らしいが、魔界屈指の実力者なのだ
「じゃ、私とやりますか?」
Dエンジェルが立候補する
3人とも驚いた顔でDエンジェルを見つめた
「お主が? 確かに天界仕込の技術は凄いが、魔力はワシとは天と地じゃろう?」
「お、おいおい危ないぞDエンジェル」
「そうですよ、怪我じゃ済みませんよ?」
「まあまあ、大丈夫大丈夫
それじゃあバフォ様行きますよ?」
「う、うむ」
「じゃんけん」
「へ?」
「ぽいっ♪」(グー)
「あ、ぽ、ぽいっ」(とっさにチョキ)
「あいあむ うぃなー♪」(両手を挙げてガッツポーズ)
「え、ええーーーー!?」(ショックを受けるバフォ)
「ちょ、ちょっと待てぃ!! 今のは無効じゃ!!」
「え〜? ちゃんと私は勝ちましたし〜♪
魔術で勝負、なんて言ってないですよ〜♪」
「そ、そんなのへりくつじゃ〜!! もっかいやるのじゃ〜!!」(鼻声)
「ダメで〜す♪ じゃ、私はこの辺で♪
あ〜あ、バフォ様に勝っちゃった〜♪」
スタスタスタ・・・・・・
「ま、まてぇ〜!! ずっこいのじゃ〜!!」(半べそ)
テコテコテコ・・・・・・
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「せこいな・・・・・・」
「なんか、かないませんね・・・・・・」
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