一つに特化した男

俺は世間では考古学者、と呼ばれている
だが、俺はそんなもの名乗った覚えは無い

遺跡があれば西へ東へ
財宝なんかは興味が無いのでその辺の団体なんかにくれてやる
そういう生活をしていたら「高名な考古学者」と呼ばれるようになった

だがはっきり言おう
俺は財宝に興味は無いが、遺跡にも興味は無い
遺跡についての知識はアレだ
本来の目的にいくらか知識が必要だったから覚えただけだ
こんなことを言ったら本物の考古学者に怒られるんだろうなあ

ならば、本来の目的は何か、だと?
ふ、俺の目的は至高にして崇高だ
何故他の者達はこの目的を理解できないのか・・・理解に苦しむ

だが、貴様は俺の同士かもしれない・・・・・
俺の目的を聞いて納得してくれる仲間かもしれない・・・・・今度こそ

だからこそ、話そう

この俺の目的、それは・・・・・・・・・





















マジ可愛いアヌビスたんとちゅっちゅすることだ

俺は褐色肌フェチなのだ






確かにマミーやスフィンクスもいいものだ
だが、アヌビスたんの愛くるしさは抜きん出ている



あの美しいサラサラとした黒髪!

そこからピョンッと突き出した可愛い耳!!

ふさふさの尻尾!!!

思わずぷにぷにしたくなる肉球ううううう!!!!

そして全身に身に着けた金細工が
アヌビスたんの愛くるしさを引・き・立・て・るううううううう!!!!!








うっ










ふう・・・・・・少し興奮してしまったようだ
まあ、そういうわけだ

だが、いくつもの遺跡を巡ってもアヌビスたんの守護する遺跡に出会うことはなかった
まさか、天が俺とアヌビスたんの出会いを妨害しているのか?

おのれ神
今度呪ってくれるわ
牛の刻参りとかいうのでもしよう

そして、今度こそという思いで新たな遺跡に向かった



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



この遺跡の仕掛けもたいしたことは無かった
俺以外の調査隊の面々は遺跡の序盤でリタイアしたが
軟弱にも程がある

今、俺の前には宝物庫の扉がある
ここまでで約二時間くらいだろうか?
罠がびっしり張ってあったことを考えると相当価値のある遺跡のようだ
財宝もさぞかし大量にあるのだろう
どこぞの孤児院にでも生活費を除いた財宝全額くれてやるか

お、古代文字だ
だいぶ難解に書かれているが、この程度なら母国語と同じくらいスラスラ読めるな

・・・・・この遺跡を荒らすものには天罰が下るだろう?
は、くだらない
今まで何十もの遺跡を踏破してきたがそんなものお目にかかったことは無い

自分の住んでる村が火事でほとんど焼けたり
なかなか治らない病気が流行ったり
マミーの大群が襲ってきたりがせいぜいだ

さて、最後の仕掛けをさっさと解いて財宝を適当に持っていった後
次の遺跡に向かうとするか

そう思ったそのとき、綺麗な声が響いた


「待て!! それ以上遺跡を荒らすことは許されぬ!!」



後ろを振り向くと



「ほう、一人でここまで来たのか? 相当な実力者だな」



そこには



「しかもここは数ある遺跡の中でも最高難度を誇る遺跡・・・並みの盗掘者ではないな」



夢にまで見た



「ん? 盗掘者呼ばわりが気にさわったか? だが、私には盗掘者だろうが考古学者だろうが関係無い」



彼女が



「ただ排除するのみ・・・・だ 運が悪かったな まさか守護者たるこの私がいるとは思わなかったろう?」



黒髪をたなびかせて




「・・・・・? 何を呆然としている? アヌビスを見るのは初めてか?」



















「うおおおおおおおお!!! ア・ヌ・ビ・ス・たああああああああん!!!!!」




ビクッ!!

「ふえっ!?」


だきっ!!


「うわあああああいアヌビスたんのにほいだああああああ!!
くんかくんかスーハースーハーうおおおおおお良い匂いいいィマジ可愛いよアヌビスたん最高だよ会いたかったよおおおおおお!!!!!!!」

「わああああ!? な、なんなんだお前はああああああ!?」

「アヌビスたんマジ天使!!アヌビスたんマジ天使!!!アヌビスたんマジ天使いいいい!!」

「お、お前遺跡とか財宝目当てではないのか!?」

「そんなもん心の底からどーでもいいわ!! 
俺は!!
アヌビスたんに!!!
出会うために!!!
いくつもの遺跡を踏破してきたんだよぉおおおお!!!!!」


「え、ええーーーーーー!?」


「と、いうわけでアヌビスたん」

「な、なんだ?(たん付けはやめろ・・・・・・)」




















「や・ら・な・い・か? あ、答えは聞いてないから
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