「・・・・・・ぅぅぅ。」
オレは意識も取り戻したようだ。
(そ、そうだ!オレはあの蛇の化け物に首を噛まれて、こんな状態にさせられたんだ。)
どれくらいの時間が経っただろう。あまりの快眠に1日中寝ていたように感じた。
どうやら何かふさふさした物の上で仰向けの姿勢をしている。
外傷らしき痛みはなにも感じない。
思い切って目をあけることにした。
目に映ったものは・・・
(うん?岩肌か?・・・どうやら洞窟の奥にいるようだ。)
天井、頭、右手、足の方は岩壁で覆われている。
よく目を凝らしてみると、小さな穴がポツポツと岩壁に空いているのが気になる。
(うぅ、明かりか?)
オレの左手の方からは外からの光が差し込んでいるようだ。
あかね色の明かりからして、今は夕方のようだ。
(もっと眠りに落ちてた気がするが・・・)
そう思いながらこうして生きている自分にちょっとした安心感を覚える。
しかし、その安心感もつかの間、オレから20歩ほど離れたところに、明かりの一部をさえぎるかのよう、あの下半身が蛇の化け物の女の後ろ影が見える。
(うっ!やはり捕まってしまっていたのか。どうやら夢なんかじゃないみたいだな・・・)
女はこちらに背中を向けながら、目の前に焚いているのだろう、焚火に手を加えていた。
オレはこのまま寝ているわけにもいかず、体を起こそうとした。
が、体に力を入れたのが災いに、足で敷かれている木の葉でカサカサと音を立ててしまった。
(し、しまった!!)
と思った瞬間にオレは女の方をみた。
女は体をピクッとさせ、ゆっくりとこちらにふりかえってきた。
そして、オレの方に近寄りながら
「あら?うふふ、目が覚めたようですね。」
(く、くそっ!いずれ気付かれるわけだが、よりにもよってこんなにも早くとは・・・)
だんだん近づいていてきてるっていうのに、オレはポカーンと口を開けたまま、顔も体もこわばるだけでいた。
「ふふっ、怖がらないで大丈夫ですよ。私はあなたを守りたいだけですもの。」
あっという間に女はオレの傍に身を寄せていた。
今は着物を着ているが、それでもこの女の豊満な胸はオレを魅了してくる。
オレは裸の胸を魅せられた時と同じように固唾をのんだ。
「私のこと、まだ怖がっているようですね。ですが、いくら大丈夫ですっと言っても、この姿を突然見せつけられたら誰だって怖がりますよね。」
オレはおそるおそる頷くだけだった。
「しかし、本当に私はあなたを襲ったりはしません。命を助けて下さったご恩を返したいだけなのです。」
「あ、ああ・・・。」
オレはやっとのことで口を開いた。
「た、助けたって言ってるが、オレはお前みたいな女など身に覚えがない!」
「化け物ではなく女と言ってくれましたね。ありがとうございます。
そうですねぇ、この姿で会うのは初めてですしね。でしたら・・・」
そう言うと、彼女は突然身につけている着物を脱ぎ始めた。
オレはとっさに目を閉じたが、なにかミシミシと音がして目を開けてみると、
彼女の上半身の女体は長い髪の毛はそのままに、口元は割けながら前へ突き出て、目は鋭く黄色くなり、豊満な乳房があった胴体は完全な蛇の姿へとかわってしまっていた。
下半身も含めると、髪の毛の生えた白い大蛇そのものだ。
胸まで蛇になってしまった残念さがあったが、それよりも、彼女の細く鋭い黄色い目に睨まれているおぞましさがオレの心をおそった。
「お、おま…えは?」
「15年前、あの道端であなたに命を助けてもらった。白蛇です。」
「・・・・・・。」
「覚えて…ませんか?」
「い、いや、たしかにオレはそん時くらいに死にそうな白い蛇を助けたが・・・ で、でもその蛇はお前みたいに髪も生えていなかったし、そしてなにより、そこらへんのウミヘビとおなじくらいに細く小さかったはずだ。」
「うふふ、私もあなたたちみたいに大きくなりますのよ?しかし、ここまで大きく、人間の女性の体に姿をかえれるのは選ばれた者だけですが。」
助けた時期、白い蛇といった共通点にすこし納得を覚えたが、やはり相手は蛇だ。襲いかかってくる可能性があるのだ。
「そうか・・・・・・だが、オレにはただ話をうまいこと合わせて、オレを油断させてるように思えるんだが。」
「そうですかぁ。たしかに信じがたいとおもいますが、これをお見せすれば、信じてもらえますでしょうか?」
そう言うと蛇女は、脱いだ着物にごそごそと頭を入れ、再び頭をだすとその口にはなにか咥えているのがわかった。
それをオレの目の前に置くと
「これは!!」
オレは見覚えのある、目の前の物をみて驚愕した!!
「あの時の器です。ずっと御守り代わりに携えさせてもらってました。」
(オレはあの時に器の代わりに
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