「.....ユウは、すべすべ。...寝顔も、可愛い」
そう言いながら、エストレアは優樹の頭を撫でる。そして。
「.....カズトと私の子も、こんな子が良い。そう、思った」
「お前はどんだけ優樹が気に入ったんだ....」
俺とエストレアのその、あれだ。子供の話はこの際無視。もし出来たとしたら、ちゃんと責任は取るけどな。
エストレアとなら一緒にやって行ける気がするし______ってげふんげふん。
何を考えてんだ俺は。[やって行ける]じゃなくて[やれる]。
なんというか...。俺も、エストレアは好きなんだし。俺へたれだけど、それくらいやれないと男として恥ずかしい。
「まぁ...アレだ。この旅が終わったらエストレア。俺はお前と___。」
「それは見過ごせないなぁ?少年!!」
言い終えるより先に、やたらと元気な声。この声は...。
「......邪魔しないで、フィア。私はカズトと大事な話をしてる」
____フィア。俺の仲間一番の大食い女。外見は可愛いというのに、性格の残念な女の子。
「大事な話?へぇ?私を差し置いて大事な話?少年は一生私を守ると言ったのに、私に内緒で密談なんかしてるのかい?」
「.......一生....?詳しく聞かせて?」
________あと、少し事実を自分の得になるように改良を加える馬鹿娘だったみたいだな。
「....ところで、少年とエスト。全裸なのには何か理由があるのかな?あと、ユゥはなんで半裸で、顔やらお腹やらに色んな液体をつけているのかなー?」
そんな指摘に、やたらと恥ずかしくて死にたくなる俺だった。
〜30分後〜
「なんで、フィアさん達は転移結晶で移動しないの?」
そう言ったのは、ノエル。男...らしいが、俺は認めない。絶対女だろコイツ。
しかし、今はそれよりも...。
「転移結晶?」
聞き慣れない単語が出たので、訊ねてみる。すると
「あれ?知らないのか?転移結晶っていうのは、国と国、その他にもこのアルヴァン草原や廃城ルクシアとか、小さな村や教会、後は....魔界とかを繋ぐゲートみたいなものなんだけど....。本当に知らないのか?」
「ああ。知らない。エストレアは知ってたか?」
訪ねる。すると。
「......(ふるふる)フィアは、知ってた?」
「初めて聞いたなぁ、私は。ユゥならしってるかもよ?」
「ぅ....知らない...」
全員知らない。ナニコレ....?
「君達は...本当に残念なんだな....。」
「待てノエル。俺達にとって世界は未開の土地なんだ!」
事実、俺と優樹は異世界から来て、エストレアは樹海から出た事はない。そしてフィアは家出娘。
.....何この残念なメンバー。なんか涙がでるよ。
「まぁ、兎に角だよ?その転移結晶にふれたら、いつでも好きな場所に行けるんだ。だから、君達の目的....世界を変える...だっけ?その目的も、一々旅しなくても解決出来るかもしれはないよ?」
「それは...確かに...」
なんか、凄い都合の良い設定だな...。
「それに...。僕の国に来てくれたらその...。えー、と。住む所とか...用意、出来るし...。あ!?違うからね?別にフィアさんと一緒にいたいとかそんなのじゃ...」
おい待て。一度でも「フィアと一緒にいたいとか?」なんて訊いてねぇよ。
自分で墓穴掘りやがったよコイツ...。まぁ、気にしたら駄目かな?
「だから、兎に角一度来てみてよ?」
そう、ノエルが尋ねてくるが...。
「だ、そうだが、どうする?」
コイツ等の意見もきかないと、な。
「.....私は別に、構わない」
エストレアからは、okが出た。次は。
「どうやって転移するのかな...?んー、分からない...」
フィア。コイツもう行く気だな?で、次。
「....良いと思うよ?」
優樹からもokが出た。と、いう事は。
「じゃ、アルヴァランスじゃなくて、先にノエルの国に行くか。全員賛成みたいだしな」
そう告げる。すると。
「本当か!?」
「ホントだホント。ま、最初の目的地とはだいぶ違うけどな」
まさに、(ノリで)流されてぶらり旅、だな。
ある意味裏技。歩かない旅とか、マジパネェッス。
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