ドカーン! ボンッ!
「きゃあああああ!!」
「うわあああああ!!」
「逃げろ!早く!」
怒声、金切り声、悲鳴、様々な声が聞こえるこの場所は、反魔物領。
魔物が軍を率いて攻めてきたのである。
「隊長!第2、第3部隊、共に壊滅です!残されたのは我々2人のみです!」
「そうか・・市民の避難状況は?」
隊長と呼ぶ男の名は、アレク。第1部隊の副隊長である。
隊長と呼ばれる女性の名は、リコ。女性ながら部隊の隊長の座についている。
剣技は群を抜いている。
「もうすでに完了済みです!この地区にいるのは我々のみです!」
「よしなら良い。撤退の準備だ。本隊へ合流した後、魔物を側面から叩く!」
撤退の準備を始め、本隊へ合流しようと動くが・・・
「あ〜♪見つけた〜♪」
「「!!」」
突如、空、建物の上から気配と声を感じ、見上げるリコとアレクそこには・・
「サキュバス・・」
「エキドナにデュラハン、幹部クラスの魔物まで・・・」
そこには強力な魔力を持つ魔物が3人もいたのだ。
「強そうな男だ・・ぜひ手合わせ願いたい・・・」
「ダメよ、あなたは夫がいるでしょ・・?私が丸呑みにするんだから・・♪」
「ひっ・・」
「大丈夫だアレク落ち着け・・・」
丸呑みにするだの、あきらかに剣をこちらに向けてくるだの、恐ろしい事をしようと分かったアレクは一瞬ビクッとするがリコになだめられ落ち着きを取り戻す。
「いいか?アレク、私が時間を稼ぐ、その隙に本隊に向かえ。」
「・・・!?今なんと!?」
なんとリコは時間を稼ぐと言い出したのだ。それは、「私をおいて逃げろ」
ということを意味していた。
「しかし隊長は・・!?」
「お前はろくに命令の一つも守れんのか・・?すぐに追いつく・・・」
「・・・っ!分かりました!」
ダッ!
「あっ!逃げたわ!」
「追いかけろ!」
「待て!!」
追いかけようとする魔物達の前に立ち塞がり剣を抜くリコ。
「なによ?ただの人間のあなたが勝てるとでも・・・?」
「いや・・・時間稼ぎだ・・神格クラスの魔物相手にたった一人で勝てるわけがない・・」
「今なら許してあげるわ・・]
「どきなさい」
「・・・・っ!!!!」
リコは一瞬ふらつく、エキドナからとてつもないオーラが漂いはじめたのだ。
「ダメだ・・・あいつを追わせはしない・・・」
なんとか耐えて、構えなおすリコ。しかし震えている・・・恐怖の前に
「ふ〜ん・・まぁいいわ・・私は別の場所にいくわ・・・」
「・・・?なぜだ・・?」
「だって・・♪気づいたからよ・・♪」
「・・・?」
「まっそれはあなたも後で気づくわ・・じゃあね♪」
意味深なセリフを言って別の場所へ向かうエキドナを見て頭に?をうかべ混乱するリコだが、再び鋭い目つきで残った魔物を睨み付ける。
「では、私と戦うのだな・・・」
「そっちのサキュバスは・・?」
「私は見てるだけ〜♪」
デュラハンと戦闘を始めようとするリコだが・・・
「魔物、貴様の名前は・・?」
「私はニーナ・・・魔王軍第1部隊副隊長だ。ちなみに隊長は私の夫ルカだ。」
「あの行方不明だった・・!?今は確か青年になっているはず・・・生きていたのか・・・」
「今は立派な剣の達人だ。夫としてもな♪」
「ふん・・!堕落したのか・・お前を殺してから粛清してやる・・・」
この一言が、ニーナの逆鱗に触れた。
「ア゛?」
「!!!!!?????」
ニーナから強力な魔力が漂い始めたのだ。
所変わってこちらはアレク
「はぁ・・・はぁ・・・」
息を切らせて合流を目指すアレクあきらかに疲労している。
「どうなってるんだ・・・ここまできても味方が見当たらない・・・」
そう、なんと本隊がいるはずの広場まで来ても一人も味方がいないのだ。
いくらなんでもおかしいと思うのは、不思議ではない。
「んっ?あれは・・・マイク・・?」
アレクの視線の先に同僚のマイクがいたのだ。
誰だお前とか言っちゃいけない。
「マイク、こっちだ!俺だ!」
必死に呼びかけるアレクだが・・・
「マイク・・・?」
マイクが呼びかけにまったく応じないのだ。しかも結構な大きさの声にかかわらず。
「・・?驚かそうとでもしてんのか?」
タッタッ
「マイク?大丈夫か?」
近づき、アレクはマイクの肩を叩いたそのときだった。
ボンッ!
「うおっ!?」
なんとマイクは煙のように消えたのだ。
「偽者・・・?魔物か!?」
剣を構え、周囲を警戒し始めるアレク。
「ご名答なのじゃ!」
「!!」
子
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